ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

03-03 美術ノート

佐伯祐三展

(写真1 会場で配布されていたチラシから引用=画中の絵は<郵便配達夫>)自画像としての風景 東京ステーションギャラリーで開催されている。代表作100余点が展示されており、大回顧展となっている。 1年前に開館した大阪中之島美術館のこけら落としで展…

世界最大規模の公募展

(写真1 洋画部門の展示会場の様子) 今年も盛大に日展開催 東京・六本木の国立新美術館で開催された。この後京都、名古屋、神戸、富山に巡回する。 日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5部門から構成される総合美術展で、応募作品数が1万点を超え、公募展と…

白堊芸術祭今年も盛大に

(写真1 白堊芸術祭の様子) 同窓会の総合美術展 今年も12月13日まで神田神保町の文房堂ギャラリーで開催された。来場者は大半が同窓生のようだったが、ここのところ集まる機会が少なかったせいか、久々のにぎわいだった。 白堊芸術祭とは、高校時代の…

『三浦千波展』

(写真1 会場で自作の作品をバックに三浦千波さん) 豊かな色彩に感服 2年ごとに開かれている三浦千波さんの個展。会場はいつもの銀座の兜屋画廊。 会場に入ってびっくりした。明るい色彩の作品が多いのである。私は三浦さんのファンで個展は必ず見ている…

マリリン・スコット『アクリル画バイブル』

画材・色・表現技法のすべてがわかる ここのところアクリル画作品を見る機会が多くて、アクリル画とはどういうものなのかその基礎が知りたかった。もっとも、アクリル画を描いてみたいというようなことではなかったのだが。 アクリル絵の具は、化学製品の副産…

魅力的なMOMATコレクション

(写真1 松本竣介の絶筆<建物>) 東京国立近代美術館の所蔵作品 東京国立近代美術館(略称MOMAT)は、近現代に関し国内最大級のコレクションを誇り、所蔵作品は13,000点を超す。作品の入れ替えをしながら年に数回コレクション展を行っていて、重…

銀座で坂本務展

(写真1 会場で作品を背景に坂本務さん) パステル画の鮮やかさ 銀座の新井画廊で開かれている。 会場に入ると、明るい色彩が目に飛び込んできた。実に鮮やか。30点ほど展示されていたが、すべてアクリル画。キラキラと輝いている。 坂本さんは、1950…

金沢の国立工芸館

(写真1 金沢にある国立工芸館の美しい外観。左・旧陸軍第九師団司令部庁舎、右・旧陸軍金沢偕行社) 未来へつなぐ陶芸展 このたびの金沢滞在中見学した。 兼六園に隣接してあり、真弓坂口の脇から広坂をゆっくり登っていくと県立美術館の隣りだった。 大変美…

戸田泰生画『往来』

(写真1 戸田泰生画『往来』) 第88回旺玄展出品作 戸田さんの公募展への出品が続いている。10日ほど前に純展に『山麓』を出品していたばかりだったが、このたびは旺玄展へ出品していた。その2枚の絵の画風がまったく異なることにまずは新鮮に驚くとと…

戸田泰生画「山麓」

(写真1 自身の作品を前に戸田泰生さん) 第51回純展出品作品 上野公園の東京都美術館で開かれていた公募展純展。これまでは毎年秋に開催されてきたが、今年は春の開催となった。大変大きな展覧会だが、今年はコロナの影響か例年よりも少なくて、それでも…

鏑木清方展

(写真1 <築地明石町>=会場で販売されていた絵はがきから引用) 没後50年 東京国立近代美術館で開かれていた。大変な人気ぶりで、日時指定制の入場だったのだが、それでも入場には長い列ができていた。 清方は、近代日本画を代表し、しばしば上村松園と並…

空也上人と六波羅蜜寺展

(写真1 空也上人立像=会場で販売されていた絵はがきから引用) 東京国立博物館で特別展 空也上人立像(重要文化財)は、なかなかユニークな仏像だった。鎌倉中期、運慶の四男康勝の作とされ、遊行中の姿をリアリティたっぷりに表現されている。像高は12…

開館した大阪中之島美術館

(写真1 大阪中之島美術館外観) 超コレクション展 大阪中之島美術館が2月2日開館し、開館記念として超コレクション展が3月21日まで開かれていた。 美術館は、中之島にあり、国立国際美術館の隣り。四角いキューブ状の黒い建物が特徴。京阪渡辺橋から…

フェルメール<窓辺で手紙を読む女>

(写真1 修復後の<窓辺で手紙を読む女>=会場で販売されていた絵はがきから引用) 17世紀オランダ絵画展 東京都立美術館で開かれている。 ドレスデン国立古典絵画館所蔵作品が集められており、目玉は、フェルメール<窓辺で手紙を読む女>。 この<窓辺で手紙…

六町ミュージアム フローラ

(写真1 美術館外観) 足立区の私設美術館 最寄り駅はつくばエクスプレス六町駅。徒歩3分。 開館して10年になるという私設の美術館。 玄関を入るとロビーの大きなガラス窓から中庭の浅く水を張った水盤が見通せる。周囲がすり鉢状に土盛りされていて、芝…

SANAA『環境と建築』展

(写真1 展示室の様子=3階) 妹島和世+西沢立衛の建築家ユニット 乃木坂のTOTOギャラリー・間で開催されている。 SANAAとは、共に世界的な建築家である妹島と西沢による建築家ユニット。2004年ヴェネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞、20…

第14回白堊芸術祭盛大に

(写真1 開幕からにぎわっていた白堊芸術祭) 同窓会の総合美術展 12月13日から18日まで神田神保町の文房堂ギャラリーで開催された。会場には、13日の開幕と同時に大勢が駆けつける盛況ぶりで、大半が同窓生のようだったが、ここのところ集まる機会…

日展

(写真1 洋画部門の展示会場の様子) 世界最大規模の公募展 第8回日本美術展覧会。国立新美術館で開催されている。 日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5部門から構成される総合美術展で、応募作品数が1万点を超え、厳格な審査を経た出品作品は3千点に…

戸田泰生画『陽春』

(写真1 100号の大作<陽春>) 第50回純展出品作 毎年開催されてきた公募展「純展」も昨年はコロナの影響で開催が見送られ、今年は2年ぶりの開催となった。会場は上野公園の東京都美術館。 純展は毎年秋に開催されていて、関東地方からの出品が大半だ…

高島野十郎展

(写真1 代表作の<蝋燭>=福岡県立美術館蔵。会場で販売されていた絵はがきから引用) 生誕130年記念 高島野十郎は福岡県久留米市出身。1890年生まれ。異色の経歴の持ち主で、東大農学部を卒業しながら画家の道を志した。しかも、絵は独学。 出品物を…

大・タイガー立石展

(写真1 展示室の様子) POP-ARTの魔術師 千葉市美術館で開催されている。 タイガー立石こと立石紘一(1941-98)の生誕80年の大回顧展となっていて、POP-ARTの魔術師というキャッチフレーズのもと絵画からイラスト、絵本、マンガ、彫刻など…

あやしい絵展

(写真1 会場の様子) 女は怖い 竹橋の東京国立近代美術館で開かれている。 おどろおどろして不気味な絵、異界や魔界を描いた絵、中には女の裸体に虫が這っている絵があって気持ち悪くてじんま疹が出てきそうな絵もあって正視しかねるような絵もあった。 圧…

静岡県立美術館

(写真1 ロダン<カレーの市民>の展示) 素晴らしいロダンのコレクション 美術が好きで、美術館にはしばしば足を運ぶ。旅行などで地方へ出かけたときには、その地の美術館を見学する。時間が許す限り駆け足でめぐることもあれば、あらかじめ美術館を旅程に組…

笠間日動美術館

(写真1 笠間日動美術館外観) 充実したコレクション 銀座の日動画廊の創業者である長谷川仁・林子夫妻が縁の笠間市に建てた私設の美術館。日本を代表する画商だけにさすがに素晴らしいコレクションで知られる。 笠間城跡の山麓にあり、市街中心の笠間稲荷神…

寺井力三郎展

(写真1 寺井力三郎<廻送列車>=会場で販売されていた絵はがきから引用) 暮らしに息づく絵画 埼玉県加須市のサトヱ記念21世紀美術館で開催されている。 寺井は埼玉県羽生市在住。1930年生まれで、卒寿記念とある。代表作がそろっており画業の全体像を…

サトヱ記念21世紀美術館

(写真1 彫刻が立ち並ぶ美術館の外観) 彫刻と絵画と庭園と 埼玉県加須市所在。東武伊勢崎線花崎駅から徒歩約20分。平成国際大学と道を隔てて向かい合っている。同大はスポーツで鳴らす埼玉栄高校や花咲徳栄高校などを擁する佐藤栄学園の運営で、美術館は…

東海・近畿・中国・四国・九州

『旅する日曜美術館』 NHK日曜美術館制作班編による全2巻の下巻。 テレビで取り上げた番組を再構成しながら、新たに美術館を訪ねた美術館紀行を加えて構成しており、本巻では東海・近畿・中国・四国・九州の36館が紹介されている。 この番組は好きで毎週欠…

NHK日曜美術館制作班編『旅する日曜美術館』

北海道・東北・関東・甲信越・北陸 テレビで取り上げた番組を再構成しながら、改めて美術館を訪ねた美術館紀行で構成されている。 全2巻で構成されていて、上巻下巻とも第1巻第2巻とも特に断りはないが、本書は上巻にあたるようで、北海道・東北・関東・甲信越・…

展覧会『根津美術館の国宝・重要文化財』

(写真1 ロビーの様子。正面奥の左端に見えるひときわ背の高い白い仏像が「如来立像」) 国宝7件重文88件 港区南青山の根津美術館で開かれている。 根津美術館は、東武鉄道の社長などを歴任した実業家初代根津嘉一郎が蒐集した日本や東洋の古美術品を保…

展覧会『山下清展』

(写真1 会場で配布されていた開催案内のチラシから引用。上段の絵が「長岡の花火」部分) ゆかりの我孫子市で 千葉県我孫子市で開かれている。山下清(1922-1971)は、市内の弁当屋で働いていたなど我孫子市にゆかりが深い。 貼絵を中心にペン画や…