ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

鶴岡へ

(写真1 鶴岡駅) 藤沢文学の世界 山形からは鶴岡へ移動した。同じ県内だが、山形のある内陸の村山地方と鶴岡のある海沿いの庄内地方とは間に峻険な月山があり、月山を避けて大きく回り込まなければならない。 まずは山形新幹線で新庄へ。奥羽本線は、福島…

山形へ

(写真1 堀を挟んで左が山形城跡、右が奥羽本線の線路) お城とそばと 仙台で所要を済ませた後は山形へ向かった。仙台は見るところも多いし魅力的なまちだが仙台はたびたび訪れているし、久しぶりに山形を訪れたかった。 仙台からは仙山線。仙台と山形を結…

戸田泰生画『陽春』

(写真1 100号の大作<陽春>) 第50回純展出品作 毎年開催されてきた公募展「純展」も昨年はコロナの影響で開催が見送られ、今年は2年ぶりの開催となった。会場は上野公園の東京都美術館。 純展は毎年秋に開催されていて、関東地方からの出品が大半だ…

池澤夏樹『うつくしい列島』

自然科学紀行エッセイ もとより池澤は小説家だが、書評と自然科学に基づいた紀行エッセイは池澤の最も池澤らしい得意の分野ではないか。 2部から構成されていて、第1部「うつくしい列島」はナショナルジオグラフィック日本版に連載されたものが初出で、第…

ベートーヴェンの交響曲全集

(写真1 交響曲全集のCD外装) ワルター指揮コロンビア交響楽団 ベートーヴェンの楽曲。まずピアノソナタ全32曲をウイルヘルム・ケンプのピアノ全集(CD8枚)で聴き、次にピアノ協奏曲全5曲を内田光子ピアノ、クルト・ザンデルリング指揮ロイヤル・コ…

映画『明日に向かって笑え!』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) アルゼンチン映画 2001年、アルゼンチンの田舎町。不景気な時代。住民たちはなけなしの金を出し合って農業の会社をつくろうと動き出す。古い建物を買うこととし出資金を募る。集まった金をいっとき貸…

芹沢央『神の悪手』

将棋を題材にした短編小説集 表題作など短編5編が収められている。 どれも面白かったが、印象深かったのは収録5編目の「恩返し」。すべてが将棋にまつわる物語なのだが、これは棋士ではなく駒師が主人公。異色の将棋世界が描かれている。 駒師とは、もとよ…

ああ辺戸岬灯台!

(写真1 生い茂った樹木のなかにひっそりとたたずむ辺戸岬灯台) 岬と離れた場所にひっそりと 辺戸岬に辺戸岬灯台はない。もちろん、大きくは辺戸岬のうちなのだが、岬の突端付近には見当たらなく、後ろを振り向いて後背地を探しても見当たらないのである。…