ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

JR九州の鉄道車両

(写真1 肥薩線普通列車いさぶろう号の車内。弁当を広げて車窓を楽しみたくなる)鉄道のある風景 選 新型車両の投入が相次ぐ日本の鉄道業界だが、ユニークな車両を次々と開発して旅行客を掘り起こしているのはJR九州。 豪華寝台特急列車ななつ星が評判に…

「博物館でお花見を」

(写真1 〝お花見〟に大勢の人が訪れていた東京国立博物館本館)東京国立博物館の特別な出会い 上野の東京国立博物館で「博物館でお花見を」という面白い企画をやっている。 企画展ではなくて、通常の常設展なのだが、展示室の至るところに桜にちなんだ作品…

桜咲く

(写真1 五分咲きとなっていたソメイヨシノ)ソメイヨシノ開花 近所の公園でソメイヨシノが開花した。都心では全国に先駆けて20日に開花していたようだが、都心から北東に位置する当地ではやや遅れていて、昨日28日に開花を確認した。毎日観察していた…

すみだ北斎美術館

(写真1 すみだ北斎美術館外観)葛飾北斎の殿堂 昨年11月にオープンしたばかり。墨田区の公営美術館で、北斎は現在の墨田区内に生まれ、生涯をほぼ区内で過ごしたといわれている。 美術館へは、JRの両国駅から徒歩10分ほど、地下鉄大江戸線両国駅から…

両国界隈

(写真1 両国駅舎に新たにオープンした-両国-江戸NOREN。中央に土俵が築かれている)大相撲と江戸情緒の街 両国界隈をぶらぶらと歩いた。両国は、国技館や江戸東京博物館などがあって時折訪ねるものの、街を散策するのは実は随分と久しぶり。 起点はJR総…

映画『家族の肖像』

(写真1 映画館で配布されていたパンフレットから引用)ルキーノ・ヴィスコンティ監督作品 1974年に公開されたイタリア映画のデジタルリメーク版である。 1950年代とおぼしきローマ。高級なアパルトマンに一人暮らす老教授。壁一面に飾られている絵…

桜はまだか

(写真1 気高く美しいハクモクレンの花。本格的は春の到来だ) 春だ!春だ! 20日都心で桜の開花宣言が出た。全国で最も早かったらしい。 で、翌日、私も近所の公園に果たして開花しているのか見に行ってきた。この公園には桜の木は数十種数百本もあるの…

フレデリック・フォーサイス『アウトサイダー』

フィクションを越える自伝 『ジャッカルの日』、『オデッサ・ファイル』、『戦争の犬たち』などと次々とヒットを飛ばしてきたフォーサイスの、本書は自らの人生を描きながら小説を地で行くというか、それ以上にフィクションを越える自伝だ。 フォーサイスは1…

JR発足30周年

(写真1 『JNR編集時刻表』'87年4月号表紙)塗り変わる鉄道地図 国鉄が分割民営化されて発足したJRが4月1日で30年となる。 このことで、手元に記念すべき時刻表がある。JR発足に向けてこの年の3月に弘済出版社から刊行された『JNR編集時…

駅の見えるホテル

(写真1 駅ビルに直結したホテルから徳島駅を眼下に見渡す)鉄道のある風景 旅は好きだが、鉄道も大好きだから、旅程は鉄道を中心に組む。というよりも、鉄道に乗りに行くという旅が少なくない。 だからといって、ホテルも駅のそばがいいというわけではない…

ペシ岬のカフェの窓辺

(写真1 ペシ岬のカフェの窓辺)岬と灯台のある風景 選 激しく旅情を感じさせるシーンというものがある。 ペシ岬のカフェの窓辺がそうで、どうしようもない寂寥感と、そして矛盾するようだが幸福感に包まれた。 ペシ岬とは、船で利尻島に入ってくると出迎え…

春が来た

(写真1 乙女椿の花)春を告げる花 三寒四温の状態ははまだまだ続くだろうし、早春賦に歌う、春は名のみぞ風の寒さや、という日も繰り返されてはいるが、春の到来を咲く花が告げている。 どの花が咲くと春を感じるかは人それぞれだろうが、私の場合、椿が咲…

ひたちなか海浜鉄道に乗る

(写真1 JR駅ホームに隣接したひたちなか海浜鉄道勝田駅)廃線の危機から奇跡へ 福島県いわき市の塩屋崎を訪ねた帰途は、常磐線を勝田で途中下車し、ひたちなか海浜鉄道に乗った。 ひたちなか海浜鉄道は、勝田駅から阿字ヶ浦駅を結ぶ湊線を運営するローカ…

早春の塩屋崎へ

(写真1 岬の北側、薄磯海岸から見た塩屋埼灯台)東日本大震災で被災した灯台 塩屋崎を訪ねた。東日本大震災からちょうど6年。塩屋埼灯台は大型灯台としては唯一であろう被災し一時灯りが消えた灯台である。 岬は福島県の南部、いわき市にある。3月9日。…

根室本線花咲駅駅舎の車掌車

(写真1 根室本線花咲駅の駅舎として使われていた車掌車)車掌車のある風景 選 根室本線の花咲駅である。駅舎が車掌車である。北海道ではことのほか車掌車を駅舎として利用する例が数多い。 これは2010年2月12日の撮影だが、ここは駅自体が2016…

最果ての終着駅津軽線三厩駅

(写真1 津軽線三厩駅)鉄道のある風景 線 激しく旅情を感じさせる駅というものがある。 最果ての行き止まりの終着駅がそうで、降り立った乗客がぽつりぽつりなどというのはことさらで、寂寥感が襲ってくる。 三厩駅は、青森を起点とする津軽線の終着駅で、…

展覧会『土門拳の原点1935-1945』

(写真1 展覧会開催案内のはがきから引用。はがき中央の写真は「なぎなた訓練 日本赤十字病院 東京麻布」(1938)という作品)写大ギャラリー 中野区本町の東京工芸大学写大ギャラリーで開催されている。なお、東京工芸大学は写大(東京写真大学)が前…

映画『彼らが本気で編むときは、』

(写真1 映画館で配布されていたパンフレットから引用)荻上直子 第二章 荻上直子の脚本・監督作品。 『かもめ食堂』や『めがね』などと楽しんできたこれまでの荻上作品とはまったく作風が違っていた。それに、荻上作品に常連の小林聡美や、もたいまさこなど…

沈丁花

(写真1 咲き始めた沈丁花の花)春よ来い 沈丁花(ジンチョウゲ)が咲き始めた。今年は遅いなと散策しながら探していた。見落としていたのかも知れないと思っていた矢先、いつもの公園で見つけた。散策ルート上にあり、この日もうっかり通り過ぎるところだ…

土屋武之監修『日本と世界の長距離列車』

長距離列車のうんちくいっぱい 長距離列車の魅力についてまず次の4つを紹介している。 魅力①地球スケールの距離=世界一の長距離列車は9259キロのシベリア鉄道「ロシア号」だが、3千から4千キロ台の長距離列車も数多い。 魅力②個性豊かな客室=バスタ…

太田和彦『みんな酒場で大きくなった』

居酒屋で一人酒 著者は、『居酒屋味酒欄』などの著書もあり、今日の居酒屋ブームの先駆け的存在らしい。本書は、その著者が、6人のゲストと居酒屋で飲んだ対談集。 ホスト太田の、静かなたたずまいと、無類のうんちくに、個性豊かなゲストの表情が引き出さ…

ジェフリー・アーチャー『機は熟せり』

クリフトン年代記第6部 第1部の『時のみぞ知る』が出たのが2013年。波瀾万丈の物語が続き、4年を経てついに第6部に至った。 物語としては、第1部が1919年から始まっていて、第6部では1978年まで進んできた。60年近い歳月を経て主人公も…