ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

02-03 灯台のある風景

平舘海峡を横切る

日本海峡紀行 (写真1 平舘海峡を進む船舶。陸奥湾と津軽海峡をつなぐ重要な海上交通路である) 下北半島から津軽半島へ 平舘海峡とは、下北半島と津軽半島の間にある海峡。南北方向に延びる海峡で、陸奥湾と津軽海峡を結ぶ。海峡幅は狭くて、最狭部はわず…

大間航路で津軽海峡を渡る

日本海峡紀行 (写真1 函館大間航路フェリーから見た津軽海峡と遠く大間埼灯台) 本州と北海道を最短で結ぶ 津軽海峡を渡る二つのフェリー航路のうち、青森から函館へ青函航路で向かった帰途は、もう一つの航路である函館大間航路で戻ってきた。青函航路に…

函館湾を守る葛登支岬灯台

日本海峡紀行 (写真1 大型灯台の葛登支岬灯台全景) 独特のレンズと灯質 青森から函館を目指し海路を行くと北上を続け陸奥湾を抜け津軽海峡を渡って見えてくるのが葛登支岬(かっとしみさき)灯台である。函館湾の入口に位置し、ここで進路を右にとると函…

津軽海峡を渡る

日本海峡紀行 (写真1 青函航路を渡るフェリーからみた津軽海峡) 青函航路で函館へ 津軽海峡ほど演歌の似合う海峡もないのではないか。風の強さか、北へ渡るという心情か、寂しさがつのり、心して渡らなければならい覚悟がいるようだ。 津軽海峡とは、本州…

浦賀水道 海峡の町

日本海峡紀行 (写真1 燈明堂に近い浦賀港の港口) 浦賀水道を渡る④ 海峡は、海峡を渡ることがまずは魅力だが、海峡の町も楽しみ。 三浦半島側は横須賀であり、房総半島側は金谷である。 このたびの浦賀水道二日がかりとなった海峡の旅では、途中、横須賀に…

浦賀水道四つの岬・灯台

日本海峡紀行 (写真1 洲埼灯台から見た三浦半島) 浦賀水道を渡る③ 浦賀水道を囲む四つの岬・灯台。1日目に三浦半島の剱埼灯台と観音埼灯台を訪ね、2日目には房総半島の洲埼灯台と富津岬を踏破した。洲埼灯台 三浦半島久里浜港から東京湾フェリーで房総半…

浦賀水道の灯台と岬

日本海峡紀行 (写真1 浦賀水道を航行する船舶) 浦賀水道を渡る② 三浦半島と房総半島に挟まれた浦賀水道には、取り囲むように四つの岬・灯台がある。 三浦半島側には、剱埼灯台と観音埼灯台、房総半島側には洲埼灯台と富津岬である。なお、富津岬には灯台は…

デイヴィッド・ロス『世界の美しい灯台』

224基の写真集 灯台の魅力とは、灯台そのものが美しい造型を持つなど興味深い特徴を有していることや、灯台のある場所が独特の景観の中にあり美しい風景となっていることなどであろうか。また、灯台の放つ光そのものにも大きな魅力があろう。 本書は写真…

交通量多い明石海峡

日本海峡紀行 (写真1 江崎灯台から見た明石海峡。多くの船舶が行き交い、対岸の明石ではビルが海際まで屹立しているのが見て取れる) 大阪湾と播磨灘をつなぐ 紀伊水道、紀淡海峡、鳴門海峡と続いてきた淡路島に関わる四つの海峡巡りの四つ目。 大阪湾と瀬…

鼠ヶ関灯台(山形県鶴岡市)

(写真1 弁天島の先端に建つ鼠ヶ関灯台) 山形・新潟の県境 羽越本線で鶴岡から約40分、鼠ヶ関(ねずがせき)駅下車。古くは念珠関と呼ばれたところ。 (写真2 羽越本線鼠ヶ関駅。駅前に灯台を模したモニュメント) 駅から海岸に下っていくと右手前方にも…

ああ辺戸岬灯台!

(写真1 生い茂った樹木のなかにひっそりとたたずむ辺戸岬灯台) 岬と離れた場所にひっそりと 辺戸岬に辺戸岬灯台はない。もちろん、大きくは辺戸岬のうちなのだが、岬の突端付近には見当たらなく、後ろを振り向いて後背地を探しても見当たらないのである。…

関門航路灯浮標と六連島立標

(写真1 関門航路第5号灯浮標) 門司下関周辺の航路標識③ 下関竹崎桟橋から六連島に向かう途中、関門航路を横切ったが、渡船上から二つの灯浮標が見えた。 初めに緑色をした灯浮標で、これは関門航路第5号灯浮標。灯台表によれば、航路標識番号5527.…

下関外浜町防波堤灯台+あるかぽーと東防波堤灯台

(写真1 下関唐戸桟橋上からみた赤と白の防波堤灯台) 門司下関周辺の航路標識② いずれも下関唐戸桟橋の灯台。写真左の赤色が下関外浜町防波堤灯台で、右の白色があるかぽーと東防波堤灯台。向かい合う二つの防波堤灯台を合わせて〝恋人灯台〟と呼んで親し…

門司西海岸5号防波堤灯台

(写真1 下関唐戸桟橋行き連絡船上から見た) 門司下関周辺の航路標識① 3日間にわたり門司下関周辺の灯台巡りをしたし、関門海峡も船で渡ったから、この間、数多くの航路標識を見かけた。灯台好きではあるものの、日頃は沿岸灯台にばかり目がいって、防波…

特牛灯台(山口県下関市)

(写真1 趣のある佇まいの特牛灯台。照射灯が併設されている) 赤い光を放つ小さな灯台 初めて現役の灯台として国の重要文化財に指定された灯台4基のうち、山口北九州にある角島、六連島、部埼の三つの灯台を巡った後は、少し足を伸ばして特牛灯台を訪ねた…

角島灯台(山口県下関市)

(写真1 すらりと背の高い角島灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り③ 角島(つのしま)は、山口県北西部の島。現在は2000年に完成した角島大橋によって結ばれている。海域としては日本海のうち響灘の北のはずれということになる。角島とは、島の東西にあ…

六連島灯台(山口県下関市)

(写真1 島の北に建つ六連島灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り② 六連島(むつれじま)は、響灘(日本海)に浮かぶ小島。下関から渡船が出ている。下関駅前の漁港側から歩いて5分ほど。竹崎桟橋。渡船場のそばにキョウチクトウ(夾竹桃)が咲いていた。珍…

部埼灯台(北九州市)

(写真1 周防灘に面した部埼灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り① 現役の灯台が初めて国の重要文化財に指定された(2020年12月23日付)。指定されたのは、千葉県銚子市の犬吠埼灯台、山口県下関市の六連島灯台と角島灯台、福岡県北九州市の部埼灯台…

津軽線三厩駅

シリーズ 行き止まりの終着駅 (写真1 津軽半島最北端津軽線三厩駅=2017年9月4日) 色濃く漂う最果ての旅情 太宰治も『津軽』で「この先に道はない。だぼんと海に落ちるだけだ」と書いていたように、龍飛への道は一本道で、龍飛へ行こうとすると鉄道…

男鹿線男鹿駅

シリーズ 行き止まりの終着駅 (写真1 初めて降り立った1995年の男鹿駅) 入道埼への最寄り駅 私はそもそも岬が好きで、全国の岬・灯台をこつこつと訪ね歩いてきた。 そんな折、宮脇俊三さんの名著『時刻表2万キロ』を読んで、全国の鉄道を踏破するなど…

三保の松原の清水灯台

(写真1 地元では三保灯台と呼ばれている清水灯台の美しい姿) 八角形の美しい灯台 通称三保灯台と呼ばれる清水灯台は、三保半島の東端に位置する。一帯は、世界遺産三保の松原で知られる景勝地であり、灯台は松林の中にたたずんでいる。 清水灯台へは、東…

金沢の大野灯台

(写真1 大野川にかかる大野大橋上から見た大野灯台) 四角い姿のいい灯台 先週は富山から金沢へと旅行した。晩秋の北陸は久しぶり。特に金沢などは大変なにぎわいぶりだった。 金沢では大野灯台を訪ねた。大野灯台は、金沢市街の北、金沢港に建つ灯台。金…

釜山の影島灯台

シリーズ 世界の岬と灯台紀行 (写真1 遠く対馬を望む影島灯台) 対馬を望む太宗台 影島(ニョンド)は、釜山湾の島。釜山港を形作っている。釜山大橋や影島大橋などで釜山市街地と結ばれている。 影島の南端にあるのが太宗台(テジョンデ)。広大な公園に…

遼東半島突端老鉄山灯塔

シリーズ 世界の岬と灯台紀行 (写真1 堂々たる老鉄山灯台) 渤海と黄海の分界線 遼東半島は、中国東北部遼寧省の南部、黄海と分かつように渤海に突き出ている。かつて、満州国があった時代、日本が関東州といってこの地域を支配していたことがある。 半島…

ユーラシア大陸最西端ロカ岬

シリーズ 世界の岬と灯台紀行 (写真1 ロカ岬灯台のあるロカ岬) ここに地終わり海始まる ユーラシア大陸をどこまでも西へ進んだ端っこがポルトガルのロカ岬である。イベリア半島であり大西洋に面する。 ロカ岬へはポルトガルの首都リスボンから鉄道とバス…

九州最東端鶴御崎

シリーズ 灯台慕情 (写真1 高台から遠望した鶴御崎と鶴御埼灯台) 豊後水道の入り口 太平洋から瀬戸内海を目指して九州東岸を北上してくると、鶴御崎(つるみさき)は豊後水道の入り口にあたる。豊予海峡は大きくは豊後水道に含まれるが、このあたりはすで…

関崎と関埼灯台

シリーズ 灯台慕情 (写真1 展望台から見下ろした関埼灯台と高島。その向こう水平線上に佐田岬がかすかに望める=2016年7月23日) 佐田岬と相対 関崎は、大分県の佐賀関半島の先端。関埼灯台がある。最狭部ならわずか幅わずか13.5キロの豊予海峡を…

部埼灯台

シリーズ 灯台慕情 (写真1 1日千隻もの船舶の安全を見守る部埼灯台) 関門海峡の入り口を照らす 下関と門司は一直線に繋がっているのではなくて、地図を子細に見ると、少しずれている。つまり、下関側が南へ長く伸びているのに対し、門司側は北へ向かって…

増毛駅と増毛灯台

シリーズ 駅情景と灯台慕情 (写真1 増毛駅に停車中の留萌本線列車と後背の高台に増毛灯台が見える。この風景も今や見られない=2003年7月19日) 駅と灯台が一枚の写真の中に 増毛駅と増毛灯台――一枚の写真の中に鉄道の駅と灯台が収まっているのは極…

利尻島の岬と灯台

(写真1 船上から見たペシ岬。独特の景観がすばらしい。奥に見えているのが礼文島) 最北の離島を訪ねて② 礼文島からは翌日利尻島に渡った。二つの島は姉妹みたいなもので、礼文水道を挟んで8キロしか離れていない。利尻島は礼文島の南に位置する。礼文島…