ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

牛山隆信『追憶の秘境駅』

秘境駅は滅ぶのか⁉ 著者牛山隆信には秘境駅訪問家の肩書きもあるほどに秘境駅第一人者。秘境駅は滅ぶのかとの副題があり、廃止と隣り合わせの秘境駅BEST100とある。 秘境駅とは、地域の産業が廃れ、人々が去ったことで、なし崩しに生まれた鉄道駅の形…

池澤夏樹『また会う日まで』

(写真1 写真上が単行本、下が新聞切り抜きの束) 朝日新聞朝刊連載小説が単行本化 朝日新聞朝刊に2020年8月1日から2022年1月31日まで連載されてきた同名小説が書籍化された。連載回数は531回に及んでいたが、単行本も727ページとまこと…

今尾恵介監修『日本鉄道大地図館』

地図変遷に見る鉄道の歴史 日本に鉄道が開業して150年。この150年間を地図でたどったのが本書。ちょうど150点の地図が掲載されている。 本書の魅力は三つ。一つはA3判というその大きさ。見開きにすればA2判という大きさで、上製本の重さがなん…

野口田鶴子朗読『釜石の風を読む』

照井翠エッセイ集 「声で伝える東日本大震災の記憶」CDである。 野口さんは、朗読家。声楽家としてイタリアに学んでいたが、局所ジストニアのため声楽の道を断念、朗読家に転じ、宮澤賢治作品の朗読を手がけ、イーハトーブ省奨励賞を受賞している。現在は…

春を運ぶ花

(写真1 春の香を振りまく沈丁花の花) 春だ!春だ! 待ちわびていた春になった。1年前には気にもしていなかったのに、今年は寒さが身にしみて、寒いのは嫌いだからと閉じこもっていたが、暖かくなってきて外に出ようと気分も明るくなって散策をしていると…

ホワイトデー

(写真1 孫たちに贈ったホワイトデーのプレゼント) お返しは決まって本 3月14日はホワイトデート。ちょうど一ヶ月前の2月14日のバレンタインデーに女性からチョコレートをもらった男性が、そのお返しとしてキャンディなどのプレゼントを贈る日とされ…

佐伯祐三展

(写真1 会場で配布されていたチラシから引用=画中の絵は<郵便配達夫>)自画像としての風景 東京ステーションギャラリーで開催されている。代表作100余点が展示されており、大回顧展となっている。 1年前に開館した大阪中之島美術館のこけら落としで展…

土橋真監修『全国駄菓子屋探訪』

成長と変化が続く 駄菓子屋とは懐かしい。もはや見かけることもなくなったと思っていたが、とんでもない、わずかずつだが今でも増えているそうである。 本書は、駄菓子屋に魅せられて果ては全国の駄菓子屋をこつこつと探し歩いた成果。 それにしても、駄菓子…

日本財団 海と灯台プロジェクト『海と灯台学』

貴重な写真を駆使 灯台学とはやや堅苦しいが、灯台について、その歴史から関わった人物、技術などについて概説されている。 とにかく貴重な写真を駆使して多彩な視点で書かれており灯台を知る上でちょっと贅沢な一冊だ。 本書魅力の一つは豊富で美しい写真の…

ひな飾り

(写真1 わが家のひな人形) 桃の節句の年中行事 3月3日は桃の節句で、女児の健やかな成長を願うひな祭りが年中行事。わが家でもひな人形を飾った。 わが家では、こどもが娘二人だったし、孫たちも五人のうち四人が女の子。そういうことで、ひな飾りを行…

今野敏『審議官』

隠蔽捜査9.5 隠蔽捜査は、キャリア警察官竜崎伸也を主人公とする人気シリーズ。竜崎は警察庁長官官房総務課長から息子の不祥事があって警視庁大森署長に飛ばされていた。官房総務課長はエリート中のエリートで、身分は警視長。対して所轄の署長はせいぜい…