ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

こにしけいほか『しまずかん』

こども向けの解説書 日本の離島が紹介されている。イラストが豊富でページをめくるのが楽しくなる。当然、文章もやさしい。全部で50の島がとりあげられており、それぞれの島の成り立ちや概要がわかるようになっている。 一つ引いてみよう。 悪石島(あくせ…

松本清張『松本清張推理評論集』

1957-1988 松本清張(1909-1992)のミステリに関する評論集であり、作家論で構成されており、ある種、清張一流の小説作法であり文章読本でもある。 清張は、推理小説の根幹はトリックと意外性にあるといい、「推理小説を書いてみて、これは…

映画『オフィサー・アンド・スパイ』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) ロマン・ポランスキー監督作品 『戦場のピアニスト』や『ローズマリーの赤ちゃん』などで知られる鬼才ロマン・ポランスキー監督作品。89歳という。久しぶりの作品だが、まったく衰えを見せない重厚な映画だ…

〝最長片道切符の旅〟終点が変更に

(写真1 起点の稚内駅=2016年3月27日) 西九州新幹線開業で新大村駅に 9月23日の西九州新幹線開業に関連して面白い記事が出ていた。つまり、最長片道切符の旅の終点が変更になったというのだ。 最長片道切符とは、JR路線で同じ駅を2度通らずに…

彼岸花の季節

(写真1 濃い朱の彼岸花) 暑さ寒さも彼岸まで 暑さ寒さも彼岸までとはよくぞ言ったものだ。この頃はめっきり秋めいて、朝晩は肌寒いほど。上に羽織るものが欲しくなるようだ。 その名もズバリ彼岸花が咲いている。この花を見かけるとやはり秋だと感じる。…

川上昌裕『限界を超えるピアノ演奏法』

音楽家を目指すヒント 著者川上昌裕は、世界的天才ピアニスト辻井伸行を育てたことで知られる。 そのエピソードが興味深い。 辻井が小学1年、川上がウィーン留学から帰国して間もないころ、初めて彼の自宅で会った際、優れたバランス感覚、正しく鋭敏な音感…

ドナルド・E・ウェストレイク『ギャンブラーが多すぎる』

巨匠ウェストレイク幻の逸品 いやはや驚いた。今頃になってウェストレイクの新作が読めるなんてびっくりした。もっとも、本作は1969年の作品で、日本ではこのたび初めて訳されたのだけれど。 ドナルド・エドウィン・ウェストレイク(1933-2008)は…

映画『復讐は私にまかせて』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) インドネシア映画 インドネシア映画とは珍しいが、渋谷のイメージフォーラムで観た。監督エドウィン、撮影芦澤明子。エドウィンはインドネシア気鋭の監督、芦澤は黒澤清作品で知られる。 暴力映画、恋愛映…

辻良樹『日本の鉄道150年史』

写真と図解が豊富 1872(明治5)年10月14日、日本で初めて鉄道が新橋-横浜間に走ってから今年はちょうど開業150年となる。 日本の鉄道の歴史についてはおびただしいほどの類書があるが、本書の特徴はそのとき折々のエピソードをつなげて綴ったこ…

初秋の花

(写真1 美しいデュランタの花) 可憐なデュランタ この頃は樹に咲く花がめっきり少ない。せいぜい、夏から咲いている花期の長いサルスベリやノーゼンカズラが引き続き咲いているのが目立つくらいだ。サルスベリは百日紅というくらいだから、夏に強く当然花…

仲秋の名月と名花

(写真1 今年の仲秋の名月。レンズの倍率が低かったから月の模様までは写らなかった) 間近に花火も 今年の十五夜は9月10日だった。 幸い、快晴の夜で、南の空に輝くような満月が浮かび、まさしく仲秋の名月だった。 (写真2 いいかげんなもので恥ずか…

桐山智子『タカラヅカ百年の芸名』

タカラジェンヌ4426人 宝塚歌劇団団員タカラジェンヌの芸名の研究である。 タカラヅカでは、1期生から100期生までの生徒が4426人。この総数について詳細な探求が行われていて、本書は、A5判332ページに上り、タカラヅカに限ったこととはい…

浦賀水道に面した横須賀美術館

(写真1 前庭越しに見た美術館全景) 素晴らしいロケーション 京浜急行浦賀駅からバス約15分終点観音崎下車。周囲は全体が観音崎公園で、右に海伝いに進めば観音埼灯台。美術館へは左に約5分。神奈川県横須賀市鴨井所在。 広大な芝生の前庭の奥に白い翼…

上岡直見『自動車の社会的費用・再考』

クルマ強制社会に 1974年に岩波新書で上梓された宇沢弘文の『自動車の社会的費用』は、相当な物議を醸したものだった。社会的費用という新しい概念が新鮮だったし、増大するクルマ社会への警鐘とも受け止められた。そして何よりも、自動車の所有者・使用…

荒木博行『世界失敗製品図鑑』

攻めた失敗20例 世界的にも名だたる企業の名が並んでいるが、失敗と烙印を押された製品とサービスの20例を羅列するだけでも面白い。 アマゾン=ファイアフォン(自社が描いた将来像を重視しすぎて失敗) フォード=エドセル(社内的な正しさを追求して失敗…

映画『戦争と女の顔』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) 女ならではの悲惨さ 第二次世界大戦終戦直後のレニングラード。壮烈なレニングラード包囲戦を戦い抜いた町は荒廃と化し、病院には帰還兵の姿が増えていた。前線から戻り看護師として働いていたイーヤの回り…

高瀬隼子『おいしいごはんが食べられますように』

芥川賞受賞作 埼玉の奥にある、食品や飲料のラベルパッケージ製作会社の支店。全国に13ある支店の一つ。ここを舞台にこの頃のサラリーマンの生態が描かれている。 登場人物は、支店長、二谷、藤、芦川さん、押尾さん、パートの原田さん。ホールケーキを八…

映画『死刑にいたる病』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 阿部サダヲ好演 主人公榛村を演じた阿部サダヲなくしてこの映画の成功はなかったと言えるほどの絶妙の配役だった。 24人の若い男女を殺した連続殺人事件の犯人榛村は、このうち9件で立件され、死刑判…

沢木耕太郎『飛び立つ季節』

旅のエッセイ集 情感たっぷりで心温まるエッセイだ。ちょっとしたエピソードを一編の作品に仕立て上げて秀逸だ。一編ずつは短いから読むにちょうどよい。 旅の行き先は全国に及ぶが東北が多いようだ。会津若松、金沢、修善寺、黒石、男鹿、松江、柳川、臼杵…

スイカ割りと花火

(写真1 スイカ割りの様子) 夏の風物詩 夏休みで小さなこどもたちが遊びに来た。 滞在中、こどもたちが喜ぶ遊び。 一つは、スイカ割り。目隠しをされるとなかなか目標がつかまらない。右!とか、ちょっとだけ左と叫ばれるのだがなかなか難しい。もっとも、…

真夏の花

(写真1 ノーゼンカズラの花) 強い花が夏を乗り切る 今年の夏はまことに暑い。例年もそうだったのだろうかとも思うが、やはりことのほか暑い。熱中症にかかったのか、食欲が衰え、足もとがおぼつかない。およそ食欲がないなどということのないものだからち…

岩合光昭写真展

(写真1 会場の様子) ねこといぬ NHKテレビ『岩合光昭の世界ネコ歩き』で知られる岩合光昭の写真展。千葉県の柏市民文化センターで開かれている。 テレビでは、多くはネコを追いかけているが、この写真展では、ネコとイヌが一緒に写されている写真が多…

文=リウ・スーユエン、絵=リン・シャオペイ『きょうりゅうバスでとしょかんへ』

台湾の絵本 ミミとココとフェイフェイは、おはなしがだいすき。 水曜日の午後は、町の図書館のおはなしのじかん。でも、図書館はちょっと遠くて、学校が終わってからだと遅刻しちゃう! でも 大丈夫!きょうりゅうバスがたすけてくれる。三人はきょうりゅう…

近藤健児/久保健『クラシック偽作・疑作大全』

名曲は名曲だが 偽作とは、真の作曲者が別人と判明している作品のこと。疑作とは、真の作曲者が他人かもしれないと疑われている作品のこと。 18世紀までは売らんがために勝手に有名作曲家の名前をつけて別人の楽譜を出版するなど、ずさんなことが平気でな…

しずくいし夏の音楽祭東京公演2022

ミューゼシード・イン・ムジカーザ コロナ下のこと、開催自粛が続いていて今年は4年ぶりの開催。 そもそも「しずくいし夏の音楽祭」とは、岩手県雫石町で毎年8月に開催されている室内楽を中心とした音楽祭で、東京公演はその出演者たちによるもの。主催者に…

浦賀水道 海峡の町

日本海峡紀行 (写真1 燈明堂に近い浦賀港の港口) 浦賀水道を渡る④ 海峡は、海峡を渡ることがまずは魅力だが、海峡の町も楽しみ。 三浦半島側は横須賀であり、房総半島側は金谷である。 このたびの浦賀水道二日がかりとなった海峡の旅では、途中、横須賀に…

浦賀水道四つの岬・灯台

日本海峡紀行 (写真1 洲埼灯台から見た三浦半島) 浦賀水道を渡る③ 浦賀水道を囲む四つの岬・灯台。1日目に三浦半島の剱埼灯台と観音埼灯台を訪ね、2日目には房総半島の洲埼灯台と富津岬を踏破した。洲埼灯台 三浦半島久里浜港から東京湾フェリーで房総半…

浦賀水道の灯台と岬

日本海峡紀行 (写真1 浦賀水道を航行する船舶) 浦賀水道を渡る② 三浦半島と房総半島に挟まれた浦賀水道には、取り囲むように四つの岬・灯台がある。 三浦半島側には、剱埼灯台と観音埼灯台、房総半島側には洲埼灯台と富津岬である。なお、富津岬には灯台は…

浦賀水道を渡る

日本海峡紀行 (写真1 浦賀水道を渡るフェリーの航跡) 東京湾と外洋をつなぐ海峡 東京湾に海峡があるとはちょっと想像もできにくい。もちろん、水道も瀬戸も海峡のうちという意味においてだが、湾内に海峡があるものかとも思う。それなら海峡とは何かとい…

2022国際ウエルディングショー盛大に開幕!

(写真1 盛況の会場) イノベーション進む 2022国際ウエルディングショー(日本溶接協会・産報出版主催)が、昨日7月13日東京ビッグサイトで開幕した。会期は16日までの4日間。 国際ウエルディングショーは、溶接・接合、切断に関する世界的な展示…