ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

原田マハ『常設展示室』

絵画と人生が交差する6つの物語 『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』『デトロイト美術館の奇跡』の系譜につながる、著者得意の絵画をモチーフにした短編集。 6編が収められており、ピカソ<盲人の食事>の「群青」、フェルメール<デルフトの眺望>の「デ…

清水浩史『楽園図鑑』

日本の絶景無人島 楽園は、島にこそあるのではないか。とりわけ日本にあまた存在する無人島は、楽園そのものではないか。 こうして、著者は37の島に渡っている。そこはどういう島だったのか。果たして楽園だったのか。これらの島々は、人口0人はもとより…

梅雨空の花

(写真1 梅雨時を代表する花アジサイ) タイサンボクもタチアオイも 梅雨の季節の花といえばアジサイ(紫陽花)。それこそ我が家の庭にも咲いているほどで至るところで見かける。様々な色があるが、ラピスラズリのようなブルーが好きだ。なお、色は土質の酸…

銀座で坂本務展

(写真1 会場で作品を背景に坂本務さん) パステル画の鮮やかさ 銀座の新井画廊で開かれている。 会場に入ると、明るい色彩が目に飛び込んできた。実に鮮やか。30点ほど展示されていたが、すべてアクリル画。キラキラと輝いている。 坂本さんは、1950…

金沢の国立工芸館

(写真1 金沢にある国立工芸館の美しい外観。左・旧陸軍第九師団司令部庁舎、右・旧陸軍金沢偕行社) 未来へつなぐ陶芸展 このたびの金沢滞在中見学した。 兼六園に隣接してあり、真弓坂口の脇から広坂をゆっくり登っていくと県立美術館の隣りだった。 大変美…

梅雨入り直前の金沢

(写真1 土塀が建ち並ぶ長町武家屋敷) 戻った観光客 先週は金沢へ旅行した。金沢は1年半ぶり。梅雨入り直前で天気予報では3日間とも雨のようだったが、晴れ男の面目躍如、降ったりやんだりながら、結局、滞在中には傘はささずに済んだ。 金沢はとてもに…

まるで川のような狭水道音戸の瀬戸

日本海峡紀行 (写真1 音戸の瀬戸。手前が音戸大橋で、奥が第二音戸大橋) 呉港と安芸灘を最短で結ぶ 瀬戸とは、狭い水道のこと。つまり、瀬戸も水道も海峡である。 音戸の瀬戸は、広島県呉市の本州側と対岸の倉橋島との間の水道。平清盛が開削したという言…

生活の中の尾道水道

日本海峡紀行 (写真1 千光寺の展望台から見下ろした尾道水道) まるで〝箱庭〟のような美しさ 尾道水道は、尾道そのもの。尾道水道なくして尾道の町はなかったわけで、町の中に水道をかかえているようなものだし、こういう海峡と町との関係は少ない。 尾道…

自転車で船でバスで来島海峡

日本海峡紀行 (写真1 来島海峡大橋から眼下に見た来島海峡。潮流の様子もわかる) 3度も渡って楽しめる海峡 このたびの海峡巡りでは、来島海峡は3度渡った。つまりどういうことかというと、海峡は船で渡りたいものだが、初めは自転車で渡り、次に船で渡…

不思議のクダコ水道

日本海峡紀行 (写真1 クダコ水道の中央に位置するクダコ島。頂上にはクダコ島灯台) 海軍と水軍の航路 瀬戸内海西部地域の海峡巡りを計画していたところ、クダコ水道なる地名を見つけた。地元ではつとに知られた名前なのだろうが、私には浅学にして知らな…

釣島海峡と釣島灯台

日本海峡紀行 (写真1 眼下に釣島灯台と釣島海峡を望む) 連合艦隊の海峡 釣島(つるしま)海峡とは、瀬戸内海の西部、斎灘(いつきなだ)と伊予灘を結ぶ海上交通路。愛媛県松山市の沖合、興居島(ごごしま)と中島との間に位置する。 かつて、広島県呉市の…

豊麗な瀬戸内海

日本海峡紀行 (写真1 瀬戸内海の西端関埼灯台からの展望) 数多くの海峡が結ぶ 瀬戸内海は、東は紀伊日ノ御碕灯台と蒲生田岬灯台を結んだ線、西は佐田岬灯台と関埼灯台を結んだ線の内側で、国際的にはこの範囲が瀬戸内海とみなされている。 東西に約450…

デイヴィッド・ロス『世界の美しい灯台』

224基の写真集 灯台の魅力とは、灯台そのものが美しい造型を持つなど興味深い特徴を有していることや、灯台のある場所が独特の景観の中にあり美しい風景となっていることなどであろうか。また、灯台の放つ光そのものにも大きな魅力があろう。 本書は写真…

映画『クレッシェンド』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) パレスチナとイスラエル 今も紛争の絶えないパレスチナとイスラエル。永遠に和平の道は開けないのか。 この二つの国の若者たちを集めてオーケストラを結成しようとする物語。奇跡のようなプロジェクトだが…

戸田泰生画『往来』

(写真1 戸田泰生画『往来』) 第88回旺玄展出品作 戸田さんの公募展への出品が続いている。10日ほど前に純展に『山麓』を出品していたばかりだったが、このたびは旺玄展へ出品していた。その2枚の絵の画風がまったく異なることにまずは新鮮に驚くとと…

イ・スラ『日刊イ・スラ』

韓国女性のメルマガ イ・スラは、韓国の若い女性。ソウル在住。27歳。日刊・イ・スラとは、イ・スラが発行するメールマガジン。毎週月曜から金曜まで5日間発行していて、購読料は1カ月1万ウォン(約千円)。これで、学費ローンの返済にあてた。 本書は、2…

シャクヤクとボタン

(写真1 ボタンと似ているシャクヤクの花) カキツバタとアヤメ このごろ咲いている花で違いのわかりにくいもの。 シャクヤク(芍薬)とボタン(牡丹)がわかりにくい。ボタンが先に咲いて、シャクヤクがちょっと遅れて咲いている。なまじ花期が近いからボ…

3年ぶりの同窓会

(写真1 ミニコンサートを演じてくださった左=森知英さんと大津佐知子さん) 在京白堊会盛大に 高校時代の同窓会が3年ぶりに都内のホテルで開かれた。毎年開催してきたのに、コロナの影響で2年続けて自粛していた。 時期尚早の声もあったようだが、コロナ…

『火星の歩き方』

火星とは何か科学的考察 〝地球の歩き方〟は、旅行ガイドブックの大シリーズで、私も外国旅行にはよく携えていったから随分と重宝させてもらった。 そのシリーズに〝火星〟が加わったのかと思ったが、それはさすがに早とちりと思ったものの、読んでみると、…

戸田泰生画「山麓」

(写真1 自身の作品を前に戸田泰生さん) 第51回純展出品作品 上野公園の東京都美術館で開かれていた公募展純展。これまでは毎年秋に開催されてきたが、今年は春の開催となった。大変大きな展覧会だが、今年はコロナの影響か例年よりも少なくて、それでも…

鏑木清方展

(写真1 <築地明石町>=会場で販売されていた絵はがきから引用) 没後50年 東京国立近代美術館で開かれていた。大変な人気ぶりで、日時指定制の入場だったのだが、それでも入場には長い列ができていた。 清方は、近代日本画を代表し、しばしば上村松園と並…

送電鉄塔研究会著『送電鉄塔ガイドブック』

鉄塔ワールドへの誘い 送電鉄塔とは、郊外などで見かけるように長い距離に張り巡らした送電線を中継するための設備。発電所から変電所を経由して送電するために送電線は超高圧となり、送電距離も長いところから送電施設は大型となる。 本書はこの送電鉄塔に…

ご近所の花

(写真1 直径20センチを超すボタンの大輪) 色とりどり咲き乱れ 我が家は、住宅街の一角にあり、1ブロックが約20軒ほど。日頃の散策は往復で約1時間の公園を周回して花などを見て来るのだが、家内がご近所にもきれいな花を咲かせているお宅がいっぱい…

空也上人と六波羅蜜寺展

(写真1 空也上人立像=会場で販売されていた絵はがきから引用) 東京国立博物館で特別展 空也上人立像(重要文化財)は、なかなかユニークな仏像だった。鎌倉中期、運慶の四男康勝の作とされ、遊行中の姿をリアリティたっぷりに表現されている。像高は12…

コーヒー飲み比べ

(写真1 左からネルドリップ、ウエーブフィルター、一般のフィルター) 3種のドリップ式 コーヒーは好きで、毎日朝夕と飲んでいる。コーヒーは必ず自分で淹れる。これは毎朝の日課。 豆はコーヒーミルで挽く。豆の種類や好みに応じて粗挽き、中挽き、細挽…

春爛漫

(写真1 八重紅枝垂の花) 色とりどり咲き乱れ 春が来たなと感じたらもう初夏の暑さだ。このごろの季節はせっかちだ。 花も急ぎたくなるのか、色とりどりの花が一斉に咲いている。まさしく爛漫という様子だ。 桜はソメイヨシノはもう終わって、遅れて咲く八…

砂川文次『ブラックボックス』

(写真1 作品所収の文藝春秋3月号表紙) 芥川賞受賞作 現代の若者が描かれている。ただし、そこに社会に対する破壊はない。文章にも若者特有の暴力はない。しかし、ちょっとしたことですぐに切れる。これが現代の若者特有というならその通りだ。 自転車便…

映画『ひまわり』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) ウクライナ支援上映 第二次世界大戦下、愛し合っていたジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)の夫婦。 アントニオは招集されてロシア戦線に出征することになり、ミ…

映画『ドライブ・マイ・カー』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 難解な映画 西島秀俊演ずる演出家兼俳優家福悠介。ウラジオストックに出張のため成田空港に着いたところ欠航とのこと。やむを得ずいったん帰宅すると、妻は男を連れ込んで浮気の様子。仕方なく静かに家を…

ピアノ教室のコンサート

(写真1 コンサートの模様) 練習の成果披露 ピアノ教室のコンサート(発表会)が練馬文化センターで行われた。毎年この時期の恒例で、1年の練習の成果が披露された。 34人が出演していて、我が家からは4人の孫が出た。6年生(女)、4年生(男)、3…