ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2018-01-01から1年間の記事一覧

村松拓『海の見える駅』

旅情がかき立てられる 全国各地の海の見える駅が北から南まで70カ所取り上げられている。 海の見える駅はつまり海が映える駅でもあるわけで、美しいカラー写真で構成されている。それも、一つの駅に1枚や2枚の写真ではなくて数枚は載せられているからと…

薩摩長崎鼻灯台

(写真1 長崎鼻の突端に建つ薩摩長崎鼻灯台) 開聞岳を望み風光明媚 長崎鼻は薩摩半島の南端。九州最南端は錦江湾の対岸大隅半島の佐多岬である。また、鼻はとんがったところということから転じて岬を意味し、長崎鼻は長崎県にもあるし、ほかにも全国各地に…

島原灯台

(写真1 まるで防波堤の上に建っているような島原灯台) 四角形鉄骨やぐらの灯台 長崎県は実は日本で北海道に次ぐ長い海岸線を持つし、島原半島も半島だからそれなりに海岸線も長いが、島原半島に灯台は意外に少なくて、灯台表をくくってみても沿岸灯台とし…

肥薩おれんじ鉄道

(写真1 出水駅に停車中の肥薩おれんじ鉄道列車) 熊本-鹿児島県境を越えて運転 熊本からは、今回の旅の最後の目的地鹿児島を目指した。 熊本から八代までは鹿児島本線、八代-川内間が肥薩おれんじ鉄道、川内からは再び鹿児島本線で鹿児島中央という順であ…

熊本電鉄

(写真1 熊本電鉄上熊本駅右はJR上熊本駅につながる商業施設) 二つの路線を運行 熊本電鉄は、菊池線(上熊本駅-御代志駅、10.8キロ)と藤崎線(藤崎宮前駅-北熊本駅、2.3キロ)の二つの路線を運行している私鉄。ただ、注意しなければならないことは…

島原からは熊本へ海路で

(写真1 島原港へ接岸したフェリー。熊本港へと折り返す) 有明海をフェリーで渡る 福岡、佐賀、長崎と回ってきたこのたびの九州旅行では、島原からは熊本へフェリーで渡った。島原港のフェリーターミナルは島原鉄道の島原外港駅から歩いて数分のところだっ…

ポム死す

(写真1 在りし日のポム。2007年) スコティッシュホールド18歳 我が家の愛猫ポムが7日夜8時20分死んだ。2001年3月1日生まれだから、17歳と9ヶ月だった。猫としては長生きだったのだろう、人間に換算すると86歳くらいだったらしい。 …

島原鉄道

(写真1 諫早駅で発車を待つ島原鉄道列車。左はJR線ホーム) 思い出も途切れて 松浦鉄道伊万里線に乗ったあとは長崎に泊まり、翌日は島原鉄道に乗った。 島原鉄道は、空豆のような形をした島原半島を有明海に沿って時計回りに北岸から東岸へと三分の一周…

松浦鉄道伊万里線

(写真1 有田駅で発車を待つ伊万里行き松浦鉄道列車) 陶磁器産地有田-伊万里間を結ぶ 甘木鉄道甘木線を基山で乗り終えて鹿児島本線に乗り継ぎ、三つ目の鳥栖で長崎本線に乗り換え、さらに肥前山口で分岐している佐世保線に乗り換えて有田へ。有田からは松…

甘木鉄道甘木線

(写真1 甘木鉄道甘木駅) 三セク鉄道の優等生 福岡県朝倉市の甘木地区に通じる鉄道路線には二つあり、まずは、西鉄甘木線で終点甘木駅に降り立ったあとは、甘木鉄道甘木駅に徒歩移動した。 西鉄甘木駅を左に出て最初の交差点に立つと左手にもう甘木鉄道(…

西鉄甘木線

(写真1 西鉄宮の陣駅。右が天神大牟田線大牟田方面ホームで、左奥が甘木線ホーム) 筑紫平野を走る 西鉄(西日本鉄道)は大手私鉄。首都圏、京阪神圏、中京圏以外では唯一の大手である。鉄道事業としては稼ぎ頭の天神大牟田線を筆頭に太宰府線、甘木線、貝塚…

福岡市地下鉄七隈線

(写真1 七隈線の鉄輪式リニアモーターカー先頭車。床下の長い箱状のものが直線形リニア) リニアメトロ路線 先週は、5日間にわたり福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島の順に5県を巡った。毎度のことながら徹底して鉄道乗りまくりの旅だった。 初めに福岡市…

映画『銃』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 現代の狂気を描く 主人公は大学生西川。雨の荒川河川敷で、男の死体の傍に落ちていた拳銃を拾う。アパートに持ち帰って、ためつすがめつしながら拳銃を持っていると喜びを感じるようになっていく。誰かを…

新京成線つたい歩き②

(写真1 路線中の大きな駅八柱駅前。右隣がJR新八柱駅) 素晴らしい景観の常盤平の桜並木 みのり台駅を出てそろそろお昼。歩きながらいい店はないものかと物色していた。鰻屋があったが時間がかかりそうで敬遠。うまそうなラーメン屋があったが、ここは1…

新京成線つたい歩き①

(写真1 松戸駅を出発した新京成線電車) 楽しい初体験 久住昌之の『線路つまみ食い散歩』を読んで俄然〝つたい歩き〟に興味を持った。つたい歩きとは、鉄道線路沿いをつたって歩くことだが、乗っていては見えてこないものが見えてくるのだろうか、そう思っ…

植本一子『フェルメール』

独特の写真紀行 ずばりとした書名だが、内容はフェルメールに関するガイド本でも画集でもないのでまずは念のため。 著者は写真家。傍ら執筆も手がけるという様子。34歳。出版社の依頼でフェルメールの全作品を写真に撮ることになり、世界各地に散らばって…

京成金町線

(写真1 京成高砂駅5番線京成金町線ホーム) 都東部の小路線に乗る④ 都東部の小路線に乗る旅四つ目は京成金町線。 まずは亀戸からは再び曳舟まで戻り、東武線はここで下車。ここから京成曳舟駅に徒歩移動。このあたりは下町の情緒が見られていたものだった…

東武亀戸線

(写真1 曳舟駅5番線ホームに停車中の亀戸線列車。後方かすかに見えるのは東京スカイツリー) 都東部の小路線に乗る③ 東武大師線からは西新井で伊勢崎線に乗り換え、そのまま曳舟で亀戸線に乗り継いだ。大師線には亀戸線から回送する列車運用があるという…

東武大師線

(写真1 西新井駅の大師線乗り換え改札口) 都東部の小路線に乗る② 千代田線北綾瀬支線に乗った後は、北綾瀬で折り返し綾瀬から千代田線で一駅北千住に出て東武伊勢崎線(スカイツリーライン)に乗り換えた。 北千住から4つ目が西新井。沿線上の大きな駅で…

東京メトロ千代田線北綾瀬支線

(写真1 綾瀬駅0番線の北綾瀬支線ホーム) 都東部の小路線に乗る① 東京都東部に存在する短い路線を選んで端っこまで訪ね歩いてみた。 まずは、東京メトロ千代田線の通称北綾瀬支線。 千代田線は、足立区の綾瀬駅と渋谷区の代々木上原駅を結び、都心を貫く…

山陽電鉄網干線

(写真1 山陽電鉄飾磨駅ホームの様子。2番線が網干線である) 姫路の中心と網干市街を結ぶ 網干線は、山陽姫路から本線三つ目の飾磨から分岐して山陽網干に至る全線8.5キロの路線。駅数は7。かつては山陽姫路から飾磨でスイッチバックして山陽網干に向…

若桜鉄道八東駅のワフ35597

(写真1 若桜鉄道八東駅構内に留置されている緩急車ワフ35597) シリーズ車掌車を訪ねて 八東駅(はっとうえき=鳥取県八頭郡八頭町)は、若桜鉄道路線起終点のほぼ中間に位置する。 若桜鉄道で終点若桜を目指していたら、途中の八東駅で構内に緩急車が…

若桜鉄道若桜駅のヨ8627

(写真1 若桜駅の車庫に入庫してある車掌車ヨ8627) シリーズ車掌車を訪ねて 若桜駅(鳥取県八頭郡若桜町)は、若桜鉄道の終点。いかにも行き止まりの終着駅の旅情を色濃くし、駅前の街路と合わせ落ち着いて魅力的なたたずまいを見せている。 (写真2 …

はじかみ池公園(兵庫県三田市)のヨ8682

(写真1 はじかみ池公園の車掌車ヨ8682) シリーズ車掌車を訪ねて はじかみ池公園は、兵庫県三田市あかしあ台所在。神戸電鉄公園都市線南ウッディタウン駅すぐ。 車両は、公園の入口すぐそばに置かれていて、蒸気機関車+荷物車+車掌車が連結されて展示…

若桜鉄道(鳥取県)

(写真1 いかにも終着駅らしい落ち着いた佇まいの若桜駅) ゆったりと豊かな時間 湯村温泉からは浜坂に出て、山陰本線で鳥取に向かった。若桜鉄道に乗るのが目的。 若桜鉄道は、因美線の郡家(こおげ)から若桜を結ぶ第三セクター鉄道。旧国鉄の若桜線で、…

余部橋梁と餘部駅

(写真1 余部の集落をまたいで架かる余部橋梁。右が餘部駅) 新旧の名物橋梁 余部埼灯台からの帰途は餘部(あまるべ)駅から乗った。余部橋梁は山陰本線の鎧駅と餘部駅の間に架かる橋。この橋はこれまで列車で何度も渡っているが、実は餘部駅で乗降するのは…

余部埼灯台を踏破

(写真1 余部埼灯台全景) 日本一の灯火標高 このたびの旅では、旧国名なら丹波、丹後を抜けて但馬に至り、余部埼(あまるべさき)灯台を踏破した。灯台は伊笹岬にあり、山陰海岸国立公園に位置するのだが、鉄道で行くにはとても不便なところで、十分に作戦…

ボランティア駅長が活躍する北条鉄道

(写真1 三重塔と並んで建つ法華口駅) 北条鉄道法華口駅で途中下車 北条鉄道には、ステーションマスターという制度があって、ボランティア駅長が各駅でユニークで様々な取り組みが行われている。 例えば、播磨横田駅では10月に着任したばかりの神月絢野…

北条鉄道(兵庫県)

(写真1 粟生駅4番線で発車を待つ北条鉄道列車) 播磨平野を北へ 神戸電鉄粟生線を終点粟生で北条鉄道に乗り継いだ。 北条鉄道の粟生駅は、JR加古川線粟生駅と共用で、立派な駅舎があった。神戸電鉄粟生駅とは大きな違いがあるが、これはある意味当然で…

神戸電鉄粟生線

(写真1 神戸電鉄鈴蘭台駅改札口。3方面への列車が発着している) パーミル会のメンバー路線 神戸電鉄は、有馬線、三田線、公園都市線、粟生(あお)線の合計69.2キロのほか神戸高速線新開地-湊川間0.4キロを含め合計69.6キロを運行する私鉄。 公…