ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

マイ・シューヴァル+ペール・ヴァールー『バルコニーの男』

新訳のマルティン・ベックシリーズ 柳沢由実子訳によるマルティン・ベックシリーズの新訳シリーズ。本作は4作目だが、日本語版発行は原作とは刊行順序が違っていて、原作では3作目。初訳は、高見浩訳で1971年の刊行だった。なお、高見訳が英語版からの重…

今野敏『自覚』

隠蔽捜査5.5 隠蔽捜査シリーズ短編集の第2弾。シリーズは長編5作まで進んでいるが、3作目の後に短編集第1弾が隠蔽捜査3.5として割り込んでいて、本作は5作目の後を受けたもの。なかなか面白いシリーズナンバーの振り方だ。 主人公はキャリア警察官…

新鮮野菜

(写真1 新鮮野菜の直売が人気)人気の直売所 近所の農家がやっている野菜の直売が人気。 私のウォーキングコースの道ばたで行っているもので、朝収穫したばかりの野菜が並べられている。 しかも、キュウリが5本で100円などと安いのも人気。季節によっ…

梅雨の合間の花

(写真1 夏に入ったと感じさせるタチアオイの花)季節は着実に移ろう 梅雨に入ったばかりだが、夏らしい花が出てきて季節が着実に進んでいることを知らせてくれる。 季節を感じる花は人それぞれだろうが、私の場合、タチアオイの花を見ると夏になったと感じ…

銀座で石井一男展

(写真1 作品を前に石井一男さん)奇跡の画家の個展 石井一男展が銀座の画廊枝香庵で開かれている。 石井は、神戸在住の画家。後藤正治のノンフィクション『奇跡の画家』で主人公として取り上げられて一躍注目された。石井は働きながら独学で絵を描いていた…

仰ぎ見る山城の備中松山城

(写真1 仰ぎ見ると奥に天守。全国に12ある現存天守の一つ)城下も素晴らしい備中高梁 JR伯備線で何度も行き来していて一度は降りてみたいものだと念願していた備中高梁駅。備中松山城への最寄り駅だからで、このたびやっと実現できた。 備中松山城は典…

錦帯橋を渡った

(写真1 木造アーチ橋の錦帯橋) 風情ある西岩国駅が玄関口 錦川鉄道錦川清流線を終点錦町で折り返した帰途錦帯橋に立ち寄った。 山口県岩国市にあるのだが、岩国駅は山陽本線と岩徳線、錦川鉄道の接続駅であり、山陽本線の列車の大半がここで運転系統を替…

二つの世界遺産

(写真1 原爆ドームの現在の姿)原爆ドームと厳島神社 先の広島旅行では、滞在中、二つの世界遺産を訪ねた。原爆ドームと厳島神社である。この二つは、広島電鉄(広電)の宮島線で結ばれている。 広電を広島駅から出ると、銀山町、胡町、八丁堀などと広島随…

譽田亜紀子『土偶のリアル』

土偶の魅力やさしく紹介 著者は、土偶に魅入られた土偶の研究者であり、土偶の魅力を伝える活動を行っている。 土偶とは、「およそ一万五〇〇〇年前から二四〇〇年前まで続いたとされる縄文時代に作られた、人形(ひとがた)の土の焼物」と冒頭述べている。 …

映画『残像』

(写真1 映画館で配布されていたパンフレットから引用)アンジェイ・ワイダ監督遺作 1948年12月のワルシャワとおぼしきポーランドの都市。スターリンの巨大な赤い肖像幕がビルを覆い、「インターナショナル」の歌が街に大音響をまき散らしている。やっ…

鹿島臨海鉄道大洗鹿島線

(写真1 鹿島神宮駅。高架上に見えている2両が停車中の鹿島臨海鉄道大洗鹿島線の列車)旅客輸送が貨物輸送を上回る 臨海鉄道とは、そもそも貨物輸送を行うために設立されたJR貨物系列の鉄道会社で、全国に10社ある。大半は貨物輸送専用だが、鹿島臨海…

鹿島線と鹿島神宮

(写真1 鹿島線の起点香取駅) 水郷地帯を行く短い路線 鹿島線は、成田線の香取駅と鹿島サッカースタジアム駅間を結ぶ路線。ただし、鹿島サッカースタジアム(旧北鹿島駅)はサッカー試合のあるときだけの臨時停車駅であり、運用上は一つ手前の鹿島神宮駅が…

髙村薫『作家的覚書』

骨太の時評集 多くは2014年から2016年までの期間に「図書」や読売新聞、京都新聞などに掲載された時評が収録されている。 相変わらずこの人の時評は、調査を吟味し熟慮を重ねた上で慎重に筆を進めているという印象で、事象に対して直角に切り込んで…

梅雨入り

(写真1 これは我が家の庭に咲いているアジサイの花)花は季節を運ぶ 我が家の庭でアジサイが咲いていたから、そろそろ梅雨入りかと思っていたら、先日梅雨入り宣言が気象庁から出された。ところがその後晴れの日が続いていて、ちょっと早まったのかもしれ…

展覧会『リアルのゆくえ』

(写真1 展覧会の入場チケットの半券から引用。図中、右が高橋由一の「鮭」、左が磯江毅の「鮭-高橋由一へのオマージュ-」である)平塚市美術館で この美術館では、これまでも画家二十歳当時の作品を集めた『画家たちの二十歳の原点』といった展覧会を開催…

銚子電鉄で行く犬吠埼灯台

(写真1 波浪が岩礁に砕け散る犬吠埼灯台。南側から見た風景)魅力満点第一等の灯台 犬吠埼-何と詩的な響きであろうか。 犬吠埼には銚子電鉄で向かった。6月5日。銚子駅から18分、犬吠駅下車。しゃれた駅舎。銚子電鉄の名物ぬれ煎餅のほのかな香りが漂…

旅情誘う銚子電鉄

(写真1 銚子駅に停車中の銚子電鉄電車。奥がJR銚子駅2、3番線ホーム上の銚子電鉄駅舎。左は3番線に停車中のJR成田線列車)鉄道で行く岬への旅 今週は銚子電鉄に乗って犬吠埼を訪ねた。鉄道に乗って楽しく、岬を訪ねて美しく、「鉄道で行く岬への旅」…

烏城と岡電

(写真1 岡山市内を走る岡電。城下付近で)お城と路面電車が似合う岡山 岡山は、お城と路面電車が似合う街。人口70万を超す政令指定都市という大きな都会だが、市街中心部は路面電車と徒歩で楽しく回れる。 路面電車は岡山電気軌道(通称岡電)が運営して…

旅客営業の水島臨海鉄道

(写真1 倉敷市駅に到着した水島臨海鉄道列車)倉敷と水島を結ぶ 全国に10社ある臨海鉄道のうちの1社で、大半は貨物輸送鉄道だが、水島臨海鉄道は鹿島臨海鉄道とともに旅客輸送も行っている第三セクター鉄道。 臨海鉄道とは、そもそも旧国鉄と連携して貨…

吉備路をゆく井原鉄道

(写真1 神辺駅で発車を待つ井原鉄道列車)全鉄道踏破に要注意区間あり 広島に2泊した後は岡山に移動し1泊した。 山陽本線をゆるゆると上り、福山駅で福塩線に乗り換え、神辺(かんなべ)駅で井原鉄道に乗り継いだ。なお、福山駅で福塩線は8番ホームから…

広島を縦横に走る広電

(写真1 広島港(宇品)停留所。3系統が発着するターミナルである)日本最大の路面電車網 このたびの旅では、広島に2泊した。広島はたびたび訪れていて、今さら見ておきたいところもないが、これまでの旅なら1泊に詰め込んで駆け足で巡るところを、旅程…

短距離少量交通システム「スカイレール」

(写真1 中間のみどり中街駅付近ですれ違ったスカイレール車両)モノレール+ロープウエイ まるで観光地のロープウエイのようだが、これでも軌道法が適用されるれっきとした鉄道である。 懸垂式モノレールとロープウエイを組み合わせた新交通で、ロープ駆動…