ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

03 読書ときどき映画あるいは美術

東海・近畿・中国・四国・九州

『旅する日曜美術館』 NHK日曜美術館制作班編による全2巻の下巻。 テレビで取り上げた番組を再構成しながら、新たに美術館を訪ねた美術館紀行を加えて構成しており、本巻では東海・近畿・中国・四国・九州の36館が紹介されている。 この番組は好きで毎週欠…

NHK日曜美術館制作班編『旅する日曜美術館』

北海道・東北・関東・甲信越・北陸 テレビで取り上げた番組を再構成しながら、改めて美術館を訪ねた美術館紀行で構成されている。 全2巻で構成されていて、上巻下巻とも第1巻第2巻とも特に断りはないが、本書は上巻にあたるようで、北海道・東北・関東・甲信越・…

映画『燃ゆる女の肖像』

(写真1 映画館に掲示されてあったポスター) 素晴らしい映画言語と映画美 美しい映像。それが独特の映画言語を表現している。会話は少ない。音楽も少ない。登場人物も少ない。ほとんど女性ばかり。しかしそれでも豊穣な物語を紡いでいる。カメラが少ない会…

梯久美子『サガレン』

樺太/サハリン境界を旅する サガレンとは、宮澤賢治が旅した時代の樺太の呼称の一つ。 この島は、実効支配した国によって樺太、サハリンなどと呼び名が変わってきていて、そのつど〝国境〟も動いてきた歴史があり、当然、敷設されていた鉄道においてもその版…

展覧会『根津美術館の国宝・重要文化財』

(写真1 ロビーの様子。正面奥の左端に見えるひときわ背の高い白い仏像が「如来立像」) 国宝7件重文88件 港区南青山の根津美術館で開かれている。 根津美術館は、東武鉄道の社長などを歴任した実業家初代根津嘉一郎が蒐集した日本や東洋の古美術品を保…

展覧会『山下清展』

(写真1 会場で配布されていた開催案内のチラシから引用。上段の絵が「長岡の花火」部分) ゆかりの我孫子市で 千葉県我孫子市で開かれている。山下清(1922-1971)は、市内の弁当屋で働いていたなど我孫子市にゆかりが深い。 貼絵を中心にペン画や…

白堊芸術祭今年も

(写真1 会場の様子) コロナにも負けず 白堊芸術祭が今年も開催された。コロナ下のこと、開催が危ぶまれていたが、熱心な会員の後押しがあって開催にこぎ着けたもののようだ。会員の中にはこの展覧会に向けて1年をかけて作品作りに励んでいる人も少なくな…

映画『相撲道』

(写真1 映画館に掲示されていた開催案内のポスター) サムライを継ぐ者たち 大相撲の醍醐味を描いたドキュメンタリー映画。約半年間、相撲部屋に密着して取材した。テレビでもたびたび稽古場の風景などが報道されて大相撲の様子をうかがい知ってきたが、映…

コンサート『三木香代&森知英ピアノデュオの夕べ』

(写真1 開催案内のチラシ。写真左:三木香代、右:森知英) 連弾と2台ピアノの演奏 カワイ表参道のコンサートサロンで開かれた。お二人はいずれも脂ののりきった実力派。 演奏は、すべて連弾と2台ピアノばかりで、まさしくピアノデュオだった。 初めに、ベ…

映画『スパイの妻』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) 秀逸な映画美 戦争への足音が近づいてきた1940年の神戸。貿易商の福原優作(高橋一生)と妻聡子(蒼井優)は、瀟洒な洋館に住み夫婦仲のよい生活を送っていた。 満州出張から帰国した優作に聡子は何や…

パブリックアート

(写真1 シカゴのデイリー・シビック・センタービルの前庭にあるピカソの「アンタイトル」。コールテン鋼という材料が使われている) 世界各地に拾う 街角や街路にたたずむアート。ストリートアートとも違って景観に溶け込んでいるのが素晴らしい。旅行などで…

街路の彫刻

(写真1 美しい紅葉と彫刻。作品は岩田健「二人と猫」) 芸術の秋演出 紅葉が美しい季節になってきた。落ち葉を踏みしめながら歩くのも気持ちがいい。とてものんびりした気持ちになれる。 いつも散策で訪れる近所の公園の外周道路には、数百メートルにわた…

アンソニー・ホロヴィッツ『メインテーマは殺人』

イギリス伝統のミステリー 第一級の傑作ミステリーである。 二つの意味で設定が秀逸だ。一つにはホームズ張りだということ。つまり、ホームズがいてワトソンがいるということ。探偵ホームズ役には、元刑事のダニエル・ホーソーン。ロンドン警視庁の顧問として…

映画『博士と狂人』

(写真1 映画館で配布されていたパンフレットから引用。写真上段が博士マレーを演じるメル・ギブソンと下段は狂人マイナー役のショーン・ペン) オックスフォー英語辞典誕生秘話 オックスフォード大学図書館。吹き抜けの壁いっぱいの巨大な書架と膨大な図書。…

映画『建築と時間と妹島和世』

(写真1 映画館で配布されていたパンフレットから引用。上段の写真が完成した建物) 大阪芸大新校舎建築設計ドキュメンタリー 建築家妹島和世が手がけた大阪芸術大学新校舎建設の設計から完成までの3年6カ月を追ったドキュメンタリー映画である。 妹島は…

秋を拾う

(写真1 キンモクセイの花) めっきり寒く めっきり寒くなってきた。ついこの間まで暑いといって汗を流していたのに、彼岸が過ぎたら急に涼しくなり、このごろでは朝晩は寒いくらいだ。日が短くなっていて、いつものウォーキングに出る朝の5時ではまだ薄暗…

『論語義疏』最古の写本公開

(写真1 会場に展示されていた『論語義疏』の写本) 慶應義塾図書館貴重書展示会 「古代中世日本人の読書」をテーマに丸善丸の内本店ギャラリーで開催されていて、慶應義塾図書館が所蔵する漢籍100点が出品されている。 注目されたのは初公開となった『…

第38回メトロ児童絵画展にぎやかに

(写真1 作品展示の様子) 独創的視点と自由な発想 第38回メトロ児童絵画展(主催メトロ文化財団、協力東京メトロ)の入賞作品が地下鉄銀座線三越前駅のコンコースに展示されている。 8,063点もの応募があったそうで、このうち特選30点、入選70…

映画『パヴァロッティ』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 世界的テノール歌手の生涯 世界的テノール歌手ルチアーノ・パヴァロッティの生涯(1935-2007年)が描かれたドキュメンタリー映画。実録映像と関係者へのインタビューで構成されている。 冒頭いき…

展覧会『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』

(写真1 会場の国立西洋美術館に掲示されていた看板) 屈指のコレクション来日 この美術館のコレクションは、「ジョットからセザンヌまで」とよく言われるように、中世から近代までの西洋絵画がそろっているのだが、その屈指のコレクションが来日していて見…

曼珠沙華咲く

(写真1 近所の公園で咲いていた曼珠沙華) 彼岸花の別名 曼珠沙華は、彼岸花の別名。 彼岸花には、全国で100ほどもの別名があるそうだ。死人花、幽霊花、捨子花などというものまであってちょっと薄気味悪い。忌み嫌う風潮があって別名をつけたものであ…

宮本輝『灯台からの響き』

何を求めて灯台巡り 旧中山道板橋宿の仲宿商店街で中華そば屋を営んでいた牧野康平は、二人三脚で切り盛りしてきた妻の蘭子が2年前に亡くなると、一人では「まきの」の味は作れないといって休業してしまった。俺のはラーメンではなくてあくまでも中華そばだ…

『使える!用字用語辞典』

マスコミ用語担当者がつくった 国語辞典ほどの頻度はないが、用字用語辞典も座右に置いて日常的に使っている。もちろん言葉の意味を調べるためではなく、送り仮名や常用漢字などの、もっぱら確認のためである。 私が書く文章は、小説や詩などの創作ではなく…

高山羽根子『首里の馬』

(写真1 受賞作所収の「文藝春秋」9月号) 芥川賞受賞作 面白い。ただし、エピソードは奇抜。あまり考えすぎると難解になってしまう。しかし、話題はさらりと出てくるが、よくよく考えると意味は深長だ。読みやすいからどんどんと進むと陥穽にはまる。 未…

今野敏『棲月 隠蔽捜査7」

竜崎伸也 大森署署長最後の事件 本作は、竜崎伸也を主人公とする警察小説のシリーズ長編7作目。大森署署長としては最後の事件となった。実は、私自身は、竜崎が大森署を去って神奈川県警刑事部長に着任した『清明 隠蔽捜査8』はすでに読んでいたから、シリ…

絵本『がんばれ!あかい しゃしょうしゃ』

アメリカの絵本 遊びに来ていた孫を連れて行った本屋で、車掌車を描いた絵本を見つけた。海外の絵本を揃えたコーナーだったのだが、〝しゃしょうしゃ〟の文字が目に入った。手には取ったものの、買うかどうかについては多少の躊躇がなかったわけでもなかった…

K.スタンパー『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』

アメリカの辞書編纂者の回顧 ウェブスター辞書は、アメリカの英語辞典。200年を超す歴史を有する国民的辞書で、発行部数は聖書に次ぐといわれるほど。徹底したアメリカ英語で知られる。 著者のコーリー・スタンパーは、版元のメリアム・ウェブスター社で約…

『岩波新書解説総目録』刊行

創刊80年約3400点 岩波新書の1938年の創刊から2019年までの80年分のラインナップ約3400点が総覧できる。判型はもちろん岩波新書と同じサイズながら約700ページもあって、歴史の重みをずしりと感じる。 初めての解説総目録なそうで、…

今野敏『清明 隠蔽捜査8」

竜崎伸也 神奈川県警刑事部長に着任 竜崎伸也を主人公とする警察小説のシリーズ長編8作目。 竜崎は、そもそも東大法卒、警察庁のキャリア官僚だったのだが、警察庁長官官房総務課長だったときに、組織の不正を正そうとしたものの、警察庁の方針に逆らったと…

賑やかにグループSUN展

(写真1 多彩な作品が並んだ会場の様子) 多彩な才能のアーティスト一家 グループSUN展。今年は銀座のギャラリー向日葵を会場に行われた。 展覧会でグループ展はよくあるかたち。さまざまな組み合わせがあるが、グループSUNの面白いところは一家とい…