ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

03 読書ときどき映画あるいは美術

角川 俳句歳時記 第五版

全5冊が完結 角川書店編になる俳句歳時記の改訂第五版がこのたび発行の新年編をもって全5冊が完結した。 俳句歳時記で角川編は歳時記の先駆として最も親しまれているもののうちの一つであろうか。 1955年の刊行から半世紀余を経て第五版の改訂が行われ…

フェルメール遍歴

(写真1 オランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館の外壁に掲示されている「真珠の耳飾りの少女」の垂れ幕。手前に佇んでいるのは家内) 魅せられて世界各地へ フェルメール好きだから、随分と世界中の美術館でフェルメール作品を見てきたが、オランダのハ…

フェルメール全点踏破へ

(写真1 アムステルダム国立美術館でも「牛乳を注ぐ女」は人気) 残るは1点 お前もかと言われそうだが、フェルメールが好き。 そのことだけが目的ではないが、海外旅行などで美術館があればたいがいはいる。それも、フェルメールを展示しているとなればな…

フェルメール展

(写真1 「牛乳を注ぐ女」の写真を手にかざしてみたところ) 35分の9ということ 会期一か月を切ったところでやっと見た。昨年の10月から上野の森美術館で開催されていて、フェルメール好きとしては早く見たいとはやる気持ちがなかったわけではないがこ…

小さな音楽会は・く・あ・ぽこ

(写真1 演奏開始直前の様子) ソプラノ大津佐知子&ピアノ森知英 「は・く・あ・ぽこ」というちょっと変わった題名のコンサートが11日、新宿のマエストローラ音楽院で行われた。 出演したのは、ソプラノ大津佐知子、ピアノ森知英。ともに著名な音楽家だが、…

今野敏『去就』

隠蔽捜査6 警視庁大森警察署署長竜崎伸也を主人公とする人気シリーズの最新刊。 竜崎は東大法卒のキャリア組で、警察庁官房総務課長まで歴任したエリートだったが、つまらぬ責任を取らされて大森署に飛ばされていた。階級は警視長で、警視正程度が任命され…

フリン・ベリー『レイチェルが死んでから』

入り組んだ心理劇 ノーラは、週末を利用してロンドンから姉のレイチェルが住むコーンウォールを訪ねた。 家が近づくと何かがおかしい。家に入ると最初に目にはいったのは犬で、階段の一番上からリードで吊り下げられていた。階段を登ると、腰板に血痕があり…

ムンク展

(写真1 会場で配布されていたパンフレットから引用。中央の絵が「叫び」) 共鳴する魂の叫び 上野公園の東京都美術館で開催されている。大変混んでいるというので、会期の半ばが過ぎるまで待って昨年末に訪れた。これが正解で、土曜日だったのだがたいした混…

2018年回顧 小説・映画・美術・音楽

(写真1 私が選んだ今年の3冊) 今年のABABA'sノートから② 本好きだし、映画も観るし、美術館にもよく足を運ぶ。音楽会にも時折顔を出す。 ただ、私はどれ一つ取っても好事家というほどはないし、格別の造詣があるわけでもない。 しかも、私は、本にしろ、…

村松拓『海の見える駅』

旅情がかき立てられる 全国各地の海の見える駅が北から南まで70カ所取り上げられている。 海の見える駅はつまり海が映える駅でもあるわけで、美しいカラー写真で構成されている。それも、一つの駅に1枚や2枚の写真ではなくて数枚は載せられているからと…

金井一郎『銀河鉄道の夜』

(写真1 開催案内のはがきから引用) 翳り絵による光の劇場 展覧会場に一歩足を踏み入れると、薄暗い中に影絵のボックスが展示されてある。淡い光が絵を浮かび上がらせている。 影絵のボックスは20ほども並んでいるか。順に見ていくと、午后の授業、活版…

白堊芸術祭今年も盛大に

(写真1 同窓生が次々と訪れてにぎやかな会場の様子) 54人80作品一堂に 第11回白堊芸術祭(主催在京白堊会)が10日開幕した。神田神保町の文房堂ギャラリーを会場に会期は15日までの6日間。 主催の在京白堊会は、高校時代の同窓会の在京組織。…

キネマ旬報シアター

(写真1 キネマ旬報シアター館内にある図書室) 千葉県柏市でキネ旬直営 キネマ旬報シアターは、千葉県柏市でキネマ旬報社が直営する映画館。JR常磐線/東武アーバンパークライン柏駅西口徒歩1分。柏高島屋S館隣接。 キネマ旬報社は、映画雑誌『キネマ旬…

映画『銃』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 現代の狂気を描く 主人公は大学生西川。雨の荒川河川敷で、男の死体の傍に落ちていた拳銃を拾う。アパートに持ち帰って、ためつすがめつしながら拳銃を持っていると喜びを感じるようになっていく。誰かを…

越 信行『絶景駅100選』

最も輝いている季節を選んで 生涯一度は行きたい春夏秋冬の絶景駅-とある。 著者は、駅旅写真家と名乗っているが、鉄道あるいは鉄道写真の世界にもいろいろなカテゴリーがあるものだ。 その著者が、何と全国4500もの駅を旅して、美しいカラー写真で紹介…

植本一子『フェルメール』

独特の写真紀行 ずばりとした書名だが、内容はフェルメールに関するガイド本でも画集でもないのでまずは念のため。 著者は写真家。傍ら執筆も手がけるという様子。34歳。出版社の依頼でフェルメールの全作品を写真に撮ることになり、世界各地に散らばって…

展覧会『ガンダーラ』

(写真1 展示されていた「菩薩半跏像」) 仏教美術のふるさと 千葉県松戸市の松戸市立博物館で開催されている。市制施行75周年、開館25周年記念特別展とある。博物館へは新京成電鉄八柱駅・JR武蔵野線新八柱駅から徒歩約15分。美しい桜並木の通りを…

森知英ピアノリサイタル

(写真1 演奏終了直後の森知英さん) 難曲の多い構成 11月6日東京オペラシティリサイタルホールで開催された。 森さんのファンである私としては毎年楽しみにして駆けつけているのだが、今年は、私のようなレベルの低いファンにはちょっと難しい内容だっ…

ジェフリー・アーチャー『嘘ばっかり』

最新短編集 全14冊に及ぶ空前の大河小説『クリフトン年代記』が完結したばかりで早くも次ぎに短編集。アーチャーといえば、長編のストーリーテラーと思いきや短篇もいける。短編集としては7冊目で、本作には15本の短篇が収められている。 短篇の妙味は…

久住昌之『線路つまみ食い散歩』

〝つたい歩き〟鉄道紀行 つたい歩きとは、鉄道線路沿いをつたって歩くこと。 鉄道趣味世界も、撮り鉄、乗り鉄や車両派、時刻表派などと幅広いが、〝つたい歩き派〟もその一つか。新しい流派だろうが、乗っていては見えてこないものが見えてくるのだろうか。 …

展覧会『仏像の姿』

(写真1 会場で配布されていたパンフレットから引用=中央の仏像は「不動明王立像」) 仏師がーティストになる瞬間 仏像の姿(かたち)と題する特別展が日本橋の三井記念美術館で開催されている。 仏師がアーティストになる瞬間というキャッチフレーズのもと、…

映画『1987、ある闘いの真実』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 韓国民主化事件描く 1987年。1月14日、ソウル大生パク・ジョンチョル(朴 鍾哲)は、反政府活動により公安警察に連行され、拷問により死亡する。警察は取調中に心臓麻痺で死亡したと発表。 司法解…

映画『顔たち、ところどころ』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 面白い趣向 映画監督アニエス・ヴァルダ88歳と写真家JR33歳が映画を撮ろうと旅に出る。JRが運転する小型トラックには、写真撮影のスタジオがセットされており、畳1枚分もあるような大きな写真を…

村田靖子『エルサレムの悲哀』

エルサレムを舞台にした物語 これは珍しい、エルサレムを舞台に日本人によって書かれた物語である。著者は、イスラエルのキブツ(農業共同体)で暮らした経験を持ち、現代ヘブライ文学の研究や翻訳活動を行っている。 書き下ろしの9本の短篇で構成されてい…

映画『野いちご』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) ベルイマン生誕100年映画祭 ベルイマン生誕100年映画祭というのが千葉県柏市のキネマ旬報シアターで開かれている。1ヶ月の期間中4本の作品が上映されるようで、そのトップが『野いちご』だった。…

韓国映画『タクシー運転手』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 光州事件を描く 2017年の韓国映画である。監督チャン・フン。 日本で光州事件として知られる、1980年のいわゆる韓国の「5.18民主化運動」が正面から取り上げられている。 パク・チョンヒ(朴正…

戸田泰生画「往来」

(写真1 自身の作品「往来」と並んで戸田泰生さん) 遊び心も加わって 上野の東京都美術館で開催された絵画の公募展第48回純展に出品されていた。100号の大作である。 戸田さんとは仕事上の関わりがあってもう40数年来も昵懇にさせていただいている…

内田洋子『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』

「本が本を連れてくる」 モンテレッジォは、イタリア北部、トスカーナ州の山深い寒村。ここの村人たちは、かつて、貧しさから逃れ現金収入を得るために村を出て本を担いで行商して歩いたという。それはどういうことだったのか、非常なる興味を抱いて本書の物語…

映画『キートンの探偵学入門』

(写真1 映画館に掲示されていたポスター) 活弁士付き無声映画 活弁士による無声映画の上映である。柏のキネマ旬報シアターで開催された。140席ほどの小規模のスクリーンだったが、それにしても満員の盛況ぶりだった。 活弁士(活動弁士)が2名。舞台…

68年前の『サンデー毎日』

(写真1 『サンデー毎日』昭和25年2月12日号の表紙) 表紙絵は小磯良平画 昭和25年2月12日発行の『サンデー毎日』である。68年前の発行ということになる。 ある探したい本があって書棚を漁っていたところ思わぬことで見つけた。 記憶をたどって…