(写真1 会場で自作の作品をバックに三浦千波さん)
豊かな色彩に感服
2年ごとに開かれている三浦千波さんの個展。会場はいつもの銀座の兜屋画廊。
会場に入ってびっくりした。明るい色彩の作品が多いのである。私は三浦さんのファンで個展は必ず見ているが、今年は例年になく豊かな色彩が目立った。特にシエナやアルルなどとイタリアや南仏、ギリシャに取材した作品が多かったのでそういう印象になったものであろうか。
三浦さんは岩手県大船渡市出身。2011年の東日本大震災では実家が津波で大きな被害を受けたが、被災直後からしばらくはグレーを基調にしたような暗い絵が多くて、津波を背負っているような印象だった。
それが、被災から11年も経って、やっと作品にも明るさが戻ってきたようでうれしかった。
とりわけ色彩が豊かだったのは<みちのく風景>。こういうことが時々あるそうなのだが、描きかけていた絵を引っ張り出して、折に触れて筆を入れてきたものが、10年をかけてやっと完成したとのことだった。
(写真2 三浦千波<みちのく風景>)