ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

今尾恵介監修『日本鉄道大地図館』

地図変遷に見る鉄道の歴史

 日本に鉄道が開業して150年。この150年間を地図でたどったのが本書。ちょうど150点の地図が掲載されている。
 本書の魅力は三つ。一つはA3判というその大きさ。見開きにすればA2判という大きさで、上製本の重さがなんと6キロ。二つ目にカラー印刷が精細という素晴らしさである。そして三つ目が文化財級の貴重な地図が集められていること。言わば鉄道地図で旅する日本近現代史とでも言えるような内容になっている。
 鉄道地図といっても様々な種類があって、鉄道事業者が使う線路計画図、配線図、地形図から鉄道利用者が必要な路線図や運転系統図があり、鉄道旅行案内図などというものもある。
 地図は古いものから時間順に載せられている。いくつか拾ってみよう。
 大日本鉄道線路全図は明治25年鉄道省から発行されたもので、当時の日本の鉄道事情がわかる。
 電車案内図(都電・都バス・ロリー案内図)は昭和33年東京都交通局らが発行したもの。
 東海道新幹線沿線案内は、新幹線開業に伴って昭和40年頃日本交通公社から発行された。新しい時代が感じられる。
 謝恩フリーきっぷには、国鉄の線路が印刷されている切符。昭和62年日本国有鉄道発行とある。
(小学館刊)