ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

駅すぱあと社員『乗り鉄エキスパート』

鉄道ファン初心者への指南書 駅すぱあとは、乗換案内ソフト。著者はここの社員4人。いずれも乗り鉄とのこと。 鉄道ファン初心者あるいはこれから鉄道ファンを目指そうとする人たちへの指南書。 まずは、旅の目的は何かとあり、旅の計画を立てよう、計画の立…

映画『3つの鍵』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) それぞれの道 ローマにある同じ高級アパートに3つの家族が住んでいる。 3階に住む夫婦で裁判官という家族の息子が酔っ払い運転で女性をひき殺してしまう。父親は息子がこどもの頃から厳格で、このたびの…

ポール・ペンジャミン『スクイズ・プレー』

ポール・オースターの別名義作品 現代アメリカ文学を代表する作家であるポール・オースターが、オースターとして世に認められる前、別名義で書いた処女作である。1982年の作品で、これが私立探偵を主人公に据えた正統派ハードボイルドというのもオースター…

映画『川っぺり ムコリッタ』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 荻上直子監督作品 荻上直子監督作品。新作が出れば必ずといっていいほど観に行く監督の一人。「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」「彼らが本気で編むときは」などと好んで観てきた。このたびの新作は…

デイビッド・T・ジョンソンほか『検察審査会』

日本の刑事司法を変えるか 検察審査会とは、検察官が下した不起訴処分を検証し、事件の再捜査や起訴すべきかを決定する仕組み。11人の市民で構成される組織である。裁判員制度と並んで日本の刑事司法制度のもう一つの市民参加の形態。日本のこの検察審査会…

『三浦千波展』

(写真1 会場で自作の作品をバックに三浦千波さん) 豊かな色彩に感服 2年ごとに開かれている三浦千波さんの個展。会場はいつもの銀座の兜屋画廊。 会場に入ってびっくりした。明るい色彩の作品が多いのである。私は三浦さんのファンで個展は必ず見ている…

イアン・グラハム『世界史を変えた50の船』

貴重な図版が素晴らしい ここのところ図書館はよく利用している。徒歩10分から20分圏内に二つの公立図書館があり、運動がてら歩いて回っている。もう一つ近所には大学図書館もあるのだが、こちらはコロナ下で現在は外部の利用を制限している。 図書館で…

こにしけいほか『しまずかん』

こども向けの解説書 日本の離島が紹介されている。イラストが豊富でページをめくるのが楽しくなる。当然、文章もやさしい。全部で50の島がとりあげられており、それぞれの島の成り立ちや概要がわかるようになっている。 一つ引いてみよう。 悪石島(あくせ…

松本清張『松本清張推理評論集』

1957-1988 松本清張(1909-1992)のミステリに関する評論集であり、作家論で構成されており、ある種、清張一流の小説作法であり文章読本でもある。 清張は、推理小説の根幹はトリックと意外性にあるといい、「推理小説を書いてみて、これは…