ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

シクラメンの花

(写真1 淡いピンクが美しいシクラメンの花) 季節を伝える豊かな花 シクラメンは季節感豊かな花。この花を見ると師走だと感じる。この時期木に咲く花は少ないから鉢植えながら貴重な彩りだ。 人気のある花で、何でも鉢植え植物としては生産量は日本で最も…

福井県立図書館編著『100万回死んだねこ』

覚え違いタイトル集 図書館の司書が、カウンターで利用者から問いかけられた問答集である。利用者はうろ覚えの記憶で本を探そうとするからこれが抱腹絶倒の面白さになっている。 そもそもは、館員同士の情報共有のために行っているものをウエブサイトで公開…

映画『天才ヴァイオリニストと消えた旋律』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) ユダヤ人のアイデンティティ 宣伝惹句に〝クラシック楽曲と世界を巡る極上の音楽ミステリー〟とある。 しかし、『パリに見出されたピアニスト』や『レディマエストロ』などの映画のように、美しい音楽に…

第14回白堊芸術祭盛大に

(写真1 開幕からにぎわっていた白堊芸術祭) 同窓会の総合美術展 12月13日から18日まで神田神保町の文房堂ギャラリーで開催された。会場には、13日の開幕と同時に大勢が駆けつける盛況ぶりで、大半が同窓生のようだったが、ここのところ集まる機会…

京都逍遙

(写真1 紅葉が美しい実相院の庭) 岩倉実相院門跡を訪ねて 信楽で全鉄道全線全二周を達成した翌日は、京都をぶらついた。 ちょうど紅葉の季節だが、あまり混んでいるところも嫌だし、あちこち何カ所も歩く気もなかったので、一カ所ということで少々遠くて…

彦根城

(写真1 国宝の彦根城天守) 国宝の現存天守 彦根は、井伊35万石の城下町だったところ。徳川四天王の一人井伊直政を藩祖とし、たびたび大老職を出すなど譜代筆頭の地位にあった。大老としては幕末の井伊直弼がよく知られる。譜代大名で35万石は破格であ…

長浜鉄道スクエア

(写真1 現存する日本最古の鉄道駅舎) 鉄道博物館 このたびの信楽への旅では、前日までに米原に入り、長浜と彦根をぶらついた。 長浜は、米原から北陸本線でわずか3駅目9分。琵琶湖の北東部にあり、羽柴秀吉が築いた長浜城の城下町である。北陸本線・東海…

近江鉄道

(写真1 米原駅に停車中の近江鉄道電車。左奥は東海道本線) 3路線59.5キロ 信楽へは近江鉄道で向かった。11月26日。 近江鉄道は、琵琶湖の東を走る米原-貴生川間の本線47.7キロの本線と、高宮-多賀大社間の多賀線2.5キロ、八日市-近江八幡間…

信楽へ

(写真1 JR全線踏破を達成した留萌本線増毛駅で妻と=2003.7.17) 全鉄道全線全二周への道のり 全国の全鉄道全線全二周達成については、一昨年くらいには視野に入ってきていた。ところが、昨年には新型コロナウイリスが猛威を振るっていて、私の旅…

全鉄道全線全二周完乗達成!

信楽高原鉄道信楽駅で (写真1 全二周を完乗した信楽高原鉄道信楽駅で) このたび11月26日、滋賀県の信楽高原鉄道信楽駅をもって、全鉄道全線全二周完乗を達成した。初めて全線を完乗してから14年、鉄道を趣味とするようになってからでは33年の歳月…

ベートーヴェン全集

(写真1 ボックスセットの外観) CD80枚のボックスセット ベートーヴェンのTHE COMPLETE WORKS(作品全集)である。CD80枚のボックスセットになっていて、レーベルはワーナークラシックス。 これを9月下旬に購入して、毎日1枚ずつ聴いている。こ…

映画『MINAMATA』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 写真家ユージン・スミスを描く 写真集『MINAMATA』で水俣病を世界に告発したアメリカの写真家ユージン・スミスを描いている。また、この映画は、ドキュメンタリーではないが、写真集『MINAMATA』に至る軌跡…

日展

(写真1 洋画部門の展示会場の様子) 世界最大規模の公募展 第8回日本美術展覧会。国立新美術館で開催されている。 日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5部門から構成される総合美術展で、応募作品数が1万点を超え、厳格な審査を経た出品作品は3千点に…

ショーン・バイセル『ブックセラーズ・ダイアリー』

スコットランドの古書店主の日記 スコットランドの古書店主の日記である。 毎日のネット注文数やら売上高、顧客数が記録され、従業員のこと来店した顧客のことなどが書かれているだけで、元々は備忘録として書かれたものなのだが、これが実に面白い。スコッ…

ディズニーリゾートライン

全国全鉄道全線全二周への旅 (写真1 ディズニーを周回しているモノレール) ディズニーリゾート周回のモノレール路線 ディズニーリゾートラインとは、東京ディズニーランドや東京ディズニーシーなどディズニーリゾートを周回するモノレール路線。舞浜リゾ…

神戸市営地下鉄全線に乗る!

全国全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 神戸市営地下鉄路線図=ホームページから引用) 3路線38.1キロ 名古屋、京都、大阪と乗って地下鉄踏破も4日目は神戸市営地下鉄全線。 神戸の地下鉄は、路線構成がややこしい。線区の区分上は山手線、西神線、西神…

Osaka Metro全線に乗る!②

全国全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 Osaka Metro1日乗車券=10月13日と14日の2日分) 市営から民営化に転換 Osaka Metro8路線。1日目は午後からのスタートだったので乗ったのは4路線のみ。残る半分の4路線に乗る。しかし…

Osaka Metro全線に乗る!①

全国全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 Osaka Metro地下鉄路線図=同社ホームページから引用) 8路線129.9キロ 地下鉄全線を乗りつぶす旅も名古屋、京都と片付けていよいよ大阪へ。宿泊地の名古屋から早朝京都に移動し、午前中には京都を終わ…

京都市営地下鉄全線に乗る!

全国全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 京都市営地下鉄路線図=ウィキペディアから引用) 2路線31.2キロ 京都に地下鉄は南北に走る烏丸線と東西に伸びる東西線の2路線31.2キロ。駅数は31駅。今年は1981年の開業からちょうど40周年。 (写真…

名古屋市営地下鉄全線に乗る!②

全国全鉄道全路線全二周への旅 (写真9 名古屋市交通局発行の「地下鉄全線24時間券」) ユニークな〝24時間券〟の設定 環状線である名城線を乗り終えて残るは鶴舞線と東山線。 (写真10 八事駅鶴舞線ホーム) 鶴舞線(上小田井-赤池20.4キロ) 名…

名古屋市営地下鉄全線に乗る!①

全国全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 名古屋市営地下鉄路線図=名古屋市交通局ホームページから引用) 6路線93.3キロ 名古屋はさすがに大都会だ。地下鉄が6路線もあるし、特に都心部においては各路線が緊密にクロスしている。環状線もあり、全国の地…

映画『モロッコ、彼女たちの朝』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) モロッコ映画 モロッコのカサブランカ。旧市街の路地を身重の若い女サミアが大きくなったお腹を抱えて歩いている。職を探しねぐらを求めて。 どこの家も相手にしてくれない。イスラムの教えでは未婚の母…

映画『護られなかった者たちへ』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) 大震災から10年の時空を越えて 東日本大震災から10年。これも震災を描いた映画の一つだ。 被災した登場人物が語る。「あの震災がすべてを変えた」と言い、「何で生き延びたのか」「生きて良かったの…

夏の米坂線

(写真1 坂町駅に停車中の米坂線電気式気動車) 冬もいいが夏もいい 鶴岡からは新潟に向かわず、米坂線経由で帰ってきた。米坂線は冬の車窓がいい路線、夏の様子はどうだったか、久しぶりに記憶を新たにしたかった。 米坂線とは、山形県米沢市の米沢駅と新…

鼠ヶ関灯台(山形県鶴岡市)

(写真1 弁天島の先端に建つ鼠ヶ関灯台) 山形・新潟の県境 羽越本線で鶴岡から約40分、鼠ヶ関(ねずがせき)駅下車。古くは念珠関と呼ばれたところ。 (写真2 羽越本線鼠ヶ関駅。駅前に灯台を模したモニュメント) 駅から海岸に下っていくと右手前方にも…

羽黒山へ

(写真1 羽黒山頂にある三神合祭殿) 出羽三山の一つ 鶴岡滞在中には、羽黒山を訪ねた。もとより、月山、湯殿山と共に出羽三山の一つ。月山まではともかく、羽黒山には登ってみたいと思っていた。鶴岡は三度目だが、羽黒山は初めてだった。 羽黒山は、三山…

鶴岡へ

(写真1 鶴岡駅) 藤沢文学の世界 山形からは鶴岡へ移動した。同じ県内だが、山形のある内陸の村山地方と鶴岡のある海沿いの庄内地方とは間に峻険な月山があり、月山を避けて大きく回り込まなければならない。 まずは山形新幹線で新庄へ。奥羽本線は、福島…

山形へ

(写真1 堀を挟んで左が山形城跡、右が奥羽本線の線路) お城とそばと 仙台で所要を済ませた後は山形へ向かった。仙台は見るところも多いし魅力的なまちだが仙台はたびたび訪れているし、久しぶりに山形を訪れたかった。 仙台からは仙山線。仙台と山形を結…

戸田泰生画『陽春』

(写真1 100号の大作<陽春>) 第50回純展出品作 毎年開催されてきた公募展「純展」も昨年はコロナの影響で開催が見送られ、今年は2年ぶりの開催となった。会場は上野公園の東京都美術館。 純展は毎年秋に開催されていて、関東地方からの出品が大半だ…

池澤夏樹『うつくしい列島』

自然科学紀行エッセイ もとより池澤は小説家だが、書評と自然科学に基づいた紀行エッセイは池澤の最も池澤らしい得意の分野ではないか。 2部から構成されていて、第1部「うつくしい列島」はナショナルジオグラフィック日本版に連載されたものが初出で、第…