ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

02 岬と灯台

日本財団 海と灯台プロジェクト『海と灯台学』

貴重な写真を駆使 灯台学とはやや堅苦しいが、灯台について、その歴史から関わった人物、技術などについて概説されている。 とにかく貴重な写真を駆使して多彩な視点で書かれており灯台を知る上でちょっと贅沢な一冊だ。 本書魅力の一つは豊富で美しい写真の…

津軽海峡を渡る

日本海峡紀行 (写真1 青函航路を渡るフェリーからみた津軽海峡) 青函航路で函館へ 津軽海峡ほど演歌の似合う海峡もないのではないか。風の強さか、北へ渡るという心情か、寂しさがつのり、心して渡らなければならい覚悟がいるようだ。 津軽海峡とは、本州…

鼠ヶ関灯台(山形県鶴岡市)

(写真1 弁天島の先端に建つ鼠ヶ関灯台) 山形・新潟の県境 羽越本線で鶴岡から約40分、鼠ヶ関(ねずがせき)駅下車。古くは念珠関と呼ばれたところ。 (写真2 羽越本線鼠ヶ関駅。駅前に灯台を模したモニュメント) 駅から海岸に下っていくと右手前方にも…

ああ辺戸岬灯台!

(写真1 生い茂った樹木のなかにひっそりとたたずむ辺戸岬灯台) 岬と離れた場所にひっそりと 辺戸岬に辺戸岬灯台はない。もちろん、大きくは辺戸岬のうちなのだが、岬の突端付近には見当たらなく、後ろを振り向いて後背地を探しても見当たらないのである。…

沖縄本島最北端 辺戸岬

(写真1 祖国復帰闘争碑の建つ辺戸岬突端) 祖国復帰の願い強く 辺戸岬(へどみさき)は、沖縄本島最北端。この日は晴れていたから沖合にうっすらと平べったい島影が見える。鹿児島県奄美諸島最南端与論島であろう。彼我の距離は23キロといわれる。この間…

特牛灯台(山口県下関市)

(写真1 趣のある佇まいの特牛灯台。照射灯が併設されている) 赤い光を放つ小さな灯台 初めて現役の灯台として国の重要文化財に指定された灯台4基のうち、山口北九州にある角島、六連島、部埼の三つの灯台を巡った後は、少し足を伸ばして特牛灯台を訪ねた…

角島灯台(山口県下関市)

(写真1 すらりと背の高い角島灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り③ 角島(つのしま)は、山口県北西部の島。現在は2000年に完成した角島大橋によって結ばれている。海域としては日本海のうち響灘の北のはずれということになる。角島とは、島の東西にあ…

六連島灯台(山口県下関市)

(写真1 島の北に建つ六連島灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り② 六連島(むつれじま)は、響灘(日本海)に浮かぶ小島。下関から渡船が出ている。下関駅前の漁港側から歩いて5分ほど。竹崎桟橋。渡船場のそばにキョウチクトウ(夾竹桃)が咲いていた。珍…

部埼灯台(北九州市)

(写真1 周防灘に面した部埼灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り① 現役の灯台が初めて国の重要文化財に指定された(2020年12月23日付)。指定されたのは、千葉県銚子市の犬吠埼灯台、山口県下関市の六連島灯台と角島灯台、福岡県北九州市の部埼灯台…

三保の松原の清水灯台

(写真1 地元では三保灯台と呼ばれている清水灯台の美しい姿) 八角形の美しい灯台 通称三保灯台と呼ばれる清水灯台は、三保半島の東端に位置する。一帯は、世界遺産三保の松原で知られる景勝地であり、灯台は松林の中にたたずんでいる。 清水灯台へは、東…

不動まゆう『愛しの灯台100』

ほとばしる灯台への愛情 不動さんは、フリーペーパー『灯台どうだい?』の編集長。自費発行で無料配布している。テレビやラジオへの出演や新聞、雑誌への執筆でも知られ、灯台フォーラムの運営にも携わっており、その多くは灯台ファンを増やそうというもので…

金沢の大野灯台

(写真1 大野川にかかる大野大橋上から見た大野灯台) 四角い姿のいい灯台 先週は富山から金沢へと旅行した。晩秋の北陸は久しぶり。特に金沢などは大変なにぎわいぶりだった。 金沢では大野灯台を訪ねた。大野灯台は、金沢市街の北、金沢港に建つ灯台。金…

釜山の影島灯台

シリーズ 世界の岬と灯台紀行 (写真1 遠く対馬を望む影島灯台) 対馬を望む太宗台 影島(ニョンド)は、釜山湾の島。釜山港を形作っている。釜山大橋や影島大橋などで釜山市街地と結ばれている。 影島の南端にあるのが太宗台(テジョンデ)。広大な公園に…

ユーラシア大陸最西端ロカ岬

シリーズ 世界の岬と灯台紀行 (写真1 ロカ岬灯台のあるロカ岬) ここに地終わり海始まる ユーラシア大陸をどこまでも西へ進んだ端っこがポルトガルのロカ岬である。イベリア半島であり大西洋に面する。 ロカ岬へはポルトガルの首都リスボンから鉄道とバス…

九州最東端鶴御崎

シリーズ 灯台慕情 (写真1 高台から遠望した鶴御崎と鶴御埼灯台) 豊後水道の入り口 太平洋から瀬戸内海を目指して九州東岸を北上してくると、鶴御崎(つるみさき)は豊後水道の入り口にあたる。豊予海峡は大きくは豊後水道に含まれるが、このあたりはすで…

関崎と関埼灯台

シリーズ 灯台慕情 (写真1 展望台から見下ろした関埼灯台と高島。その向こう水平線上に佐田岬がかすかに望める=2016年7月23日) 佐田岬と相対 関崎は、大分県の佐賀関半島の先端。関埼灯台がある。最狭部ならわずか幅わずか13.5キロの豊予海峡を…

部埼灯台

シリーズ 灯台慕情 (写真1 1日千隻もの船舶の安全を見守る部埼灯台) 関門海峡の入り口を照らす 下関と門司は一直線に繋がっているのではなくて、地図を子細に見ると、少しずれている。つまり、下関側が南へ長く伸びているのに対し、門司側は北へ向かって…

増毛駅と増毛灯台

シリーズ 駅情景と灯台慕情 (写真1 増毛駅に停車中の留萌本線列車と後背の高台に増毛灯台が見える。この風景も今や見られない=2003年7月19日) 駅と灯台が一枚の写真の中に 増毛駅と増毛灯台――一枚の写真の中に鉄道の駅と灯台が収まっているのは極…

利尻島の岬と灯台

(写真1 船上から見たペシ岬。独特の景観がすばらしい。奥に見えているのが礼文島) 最北の離島を訪ねて② 礼文島からは翌日利尻島に渡った。二つの島は姉妹みたいなもので、礼文水道を挟んで8キロしか離れていない。利尻島は礼文島の南に位置する。礼文島…

礼文島の岬と灯台

(写真1 日本最北限の地スコトン岬。沖は灯台のあるトド島) 最北の離島を訪ねて① 利尻・礼文――なんと美しい響きか。日本地図を広げて最北の日本海に浮かぶこの二つの島に行ってみたいとは誰しも願うこと。宗谷本線が日本最北の終着駅稚内を目前にサロベツ原…

チキウ岬灯台

シリーズ 灯台慕情 (写真1 チキウ岬灯台。断崖絶壁ぎりぎりに立っている=1988年9月30日) 地球が丸く見える断崖絶壁 チキウとは、アイヌ語で断崖の意味があるという。なるほど、100メートルを超す断崖が絶壁となっており、ここに立つと地球が丸…

いわきの塩屋埼灯台

シリーズ 灯台慕情 (写真1 南側の豊間漁港から見た塩屋埼灯台=2017年3月9日) 演歌が流れる岬 塩屋崎に半島はない。せいぜい、ちょっと出っ張った腹に出べそがちょこんと出ているという風である。しかし、この出べその格好が良くて、塩屋埼灯台は絶…

第17回灯台フォーラム

(写真1 ウエブ会議システムで行われた灯台フォーラムの模様) 今年はウエブ会議システムで開催 例年、横浜で開催されてきた灯台フォーラムが、今年は昨日5月30日インターネットで参加者間を結びオンラインで開催された。 灯台フォーラムとは、灯台ファ…

佐田岬半島佐田岬

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 岬の先端に立つ佐田岬灯台。海上対岸に見えるのは高島。佐賀関はその右である=2016年2月25日) 日本で最も細長い半島 佐田岬半島は、四国全体をイノシシにも例えれば、尻尾に当たるであろうか。ちなみに、前…

沖縄本島最北端辺戸岬

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 辺戸岬の先端=1990年8月9日 ) 本土復帰を願って叫んだ岬 辺戸岬(へどみさき)は、沖縄本島最北端の岬。この岬の西側が東シナ海であり、東側は太平洋である。沖合約20キロ先は鹿児島県の与論島である。米軍占領…

本州最涯地下北半島尻屋崎

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 寒立馬がのんびりと草を食む尻屋埼灯台=2015年7月4日) 底知れぬ寂しさを感じる岬 尻屋崎は、いつ行っても底知れぬ寂しさを感じさせられる岬だ。岬には、「本州最涯地」と書かれた大きな石碑が立っているが、…

北海道渡島半島東端亀田半島恵山岬

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 岬の先端に立つ恵山岬灯台=2011年2月11日) 灯台と温泉と素晴らしい景観 恵山岬は、北海道で、道南の渡島半島の東端、亀田半島に突き出た位置にある。この沖で海域は津軽海峡と太平洋を分かつ。 渡島半島は、…

九州最南端大隅半島佐多岬

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 岬の突端から沖合50メートルの小島大輪島に建つ佐多岬灯台) 岬好きにたまらない魅力 佐多岬は、大隅半島最先端にあり、九州つまり本土最南端になる。大隅半島は、鹿児島湾(錦江湾)を囲む大きな蟹の爪のような形…

積丹半島神威岬

特集 私の好きな岬と灯台10選 (写真1 春の陽光がまぶしい神威岬。無骨な灯台と眼下に不気味な神威岩=1994年5月28日) 神が宿り女人禁制の岬 実に神秘的な岬である。カムイとは、アイヌ語で神を意味するらしいが、アイヌの人たちは何ともイメージ…

夕暮れの鮫角灯台

(写真1 夕暮れの鮫角灯台) 沖合にイカ漁の漁り火 五能線をきっちり乗った後は青森を経て八戸へ。おいしい酒と肴が欲しくてここに宿を取った。11月30日。 八戸駅に着いたらまだ午後4時前。どうしてもと当初から計画したものではなかったが、まだ陽も…