2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧
不思議な味わい深い魅力 傑作『朗読者』の著者による近作。またまた魅力的な作品を手に取ることができた。 フランクフルトの弁護士である語り部の「ぼく」は出張先のシドニーで、業務を終えてふと入ったアートギャラリーで1枚の絵と出会う。 絵には「階段を下…
評価が分かれる大作 誤解を恐れずに書けば、これは心温まる物語である。ただし、誤解されないために書き加えれば、暴力シーンの連続で、殺された人間が20人近くにもなる。 1ページ2段組のポケミスで600ページ近い長編で、大作ではあるがこれを途中で…
(写真1 平原駅で駅舎として使われている車掌車) シリーズ車掌車を訪ねて 東御市梅野記念絵画館を見学したあと田中駅に戻り、しなの鉄道で軽井沢に向かった。 そうすると、田中から三つ目、小諸の次の平原は駅舎が車掌車ではないか。これはまったく想定し…
(写真1 カフェから眺望した風景。奥は浅間山) 開館記念20周年記念展開催中 別所温泉に泊まった翌日は、東御市(とうみし)梅野記念絵画館を訪ねた。この美術館を見学することは、当初からこのたびの旅行の大きな目的の一つだった。 美術館は、上田から…
(写真1 林の中にひっそりとたたずむ無言館) 戦没画学生慰霊美術館 美術館へは、上田電鉄別所線の塩田町駅から〝信州の鎌倉シャトルバス〟が出ていた。バスなら10分もかからないが、丘の上にあり、道もわかりにくそうで歩いては難儀そうだった。しかし、…
(写真1 別所温泉の玄関 上田電鉄別所温泉駅) 信州一の古湯 小海線を終点小諸まで乗り切ったあとは、別所温泉に宿を取った。このあたり、小諸、軽井沢、上田などと魅力的な町が連なっているのだが、やっぱり温泉を選んだのだった。 小諸では、小海線としな…
(写真1 EF15電気機関車を先頭に無蓋貨車3両に続いて最後尾にヨ5000形車掌車を連結し貨物列車の編成で展示されている) シリーズ車掌車を訪ねて 小海線の旅の途次、小淵沢の手前、中央本線を韮崎で下車し、韮崎市中央公園の車掌車を訪ねた。 韮崎…
(写真1 標高JR線最高地点野辺山駅) 八ヶ岳高原線 暑いから出かけるのも億劫ではあるが、しかし、暑くとも汽車には乗りたい。この頃の列車はエアコンが効いているからどこで乗っても同じようなものだが、やはり清涼な路線がいい。北海道まで足を伸ばせば…
(写真1 その名の通り臭い匂いがきついクサギの花) 猛暑にも負けぬ花 ここ数日こそ涼しいが、今年の夏は異常なほどの暑さが続いている。35度を超すなどと初めて体験する暑さだ。私は冷房が嫌いで、これまではエアコンを使わないで過ごしてきたが、今年は…
(旅情 自分が走っている鉄路以外に人工物が見当たらない茫漠たる風景。厚岸湾から続く厚岸湖付近の根室本線車窓。このあたりは汽水域のため結氷している。2010年2月12日撮影) 8月17日は夏休みのため記事の更新は行いません(ページトップの写真…
(旅情 山間の小駅にひっそりと停車中の列車。大分県の夜明(よあけ)駅で日田彦山線列車と久大本線列車が接続を待っている。汽車旅ではこういうつかの間のほっとする時間が貴重だ。2013年3月19日撮影) 8月16日は夏休みのため記事の更新は行いま…
(旅情 夜も明けぬ早朝の凍てつくホームで行き違い列車を待つ。ホームに降り立つと厳しい寒さが頬を射す。長野県の飯山線戸狩野沢温泉駅で。2013年1月13日撮影) 8月15日は夏休みのため記事の更新は行いません(ページトップの写真は挨拶状に添付…
(旅情 夕日が遠ざかる鉄路を鈍く照らす。迫り来る夜のしじまから逃れるように旅路を急ぐ。今宵はいずこの宿となるや。今は廃線となった留萌本線留萌-増毛間で。2013年7月19日撮影) 8月14日は夏休みのため記事の更新は行いません(ページトップの…
(旅情 釧網本線北浜駅。オホーツク海に面した海辺の駅で、ホームからは潮騒が聞こえる。日中停車する列車は日に3本。静寂の駅舎の前に、ツーリングなのかオートバイが1台停まっていた。2006年9月22日撮影) 8月13日は夏休みのため記事の更新は…
(写真1 御坊駅0番線ホームに到着した紀州鉄道列車) 日本一短い鉄道 紀州鉄道の鉄道路線は、御坊駅から西御坊駅に至るわずか2.7キロの区間で、営業距離で日本一短い鉄道会社である。千葉県に2.2キロの芝山鉄道があるが、同鉄道は全列車が京成電鉄との…
(写真1 列車に乗ることが楽しくなる貴志川線の車内) たま駅長は二代目に 南海電鉄の小路線3線を和歌山市駅を中心に乗り歩いたあとは和歌山駅に移動した。 和歌山市-和歌山間はJRの路線で、和歌山市駅は亀山駅を起点とする紀勢本線の終点駅である。和歌…
(写真1 さかな線の愛称もある加太線の車内。つり革もさかなの形) 愛称は〝さかな線〟 和歌山港線から帰ってきて加太(かだ)線に乗り継いだ。加太線は紀ノ川駅と加太駅間が線区だが、すべての列車は和歌山市駅発着となっている。沿線には新日鐵住金和歌山…
(写真1 和歌山港駅の南海フェリー連絡通路) 南海フェリー四国航路連絡線 多奈川線を往復したあとはいったん和歌山市駅まで出た。途中には加太線があるのだが、ダイヤの都合で和歌山港線に先に乗ることにした。このあたりは工夫のいるところで、旅程を組む…
(写真1 多奈川線の終点多奈川駅) 全線2.4キロ4駅の小さな路線 このたびの紀伊半島一周の旅では、岬と灯台巡りを楽しんだほか、大阪からは南海電車、和歌山からは紀勢本線に乗り、途中下車を繰り返しながら沿線の小路線を一つずつ乗りつぶしていった。…
(写真1 大王崎に建つ大王埼灯台) 志摩半島の灯台②大王埼灯台 安乗埼灯台からはいったん鵜方駅まで戻り、続いて御座港行きバスに乗り換えた。ここからは志摩スペイン村行きバスなども出ていてちょっとした拠点になっている。乗車約15分で大王埼灯台下車…
(写真1 断崖絶壁に建つ安乗埼灯台の景観) 志摩半島の灯台①安乗埼灯台 本州最南端串本からは紀勢本線を乗り継ぎいったん松阪へ。翌7月23日は鳥羽を起点に志摩半島の二つの灯台を巡った。 志摩半島は、紀伊半島東側に付属する半島で、リアス式海岸なども…
(写真1 太くずんぐりした樫野埼灯台。回廊に登る外階段が付いている) 紀伊半島岬と灯台巡り③樫野埼灯台 潮岬灯台からは樫野埼灯台に回った。潮岬(しおのみさき)は串本から地続きなっているが、樫野埼(かしのさき)は対岸の紀伊大島にあり、かつては、♪…