ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

映画『オフィサー・アンド・スパイ』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) ロマン・ポランスキー監督作品 『戦場のピアニスト』や『ローズマリーの赤ちゃん』などで知られる鬼才ロマン・ポランスキー監督作品。89歳という。久しぶりの作品だが、まったく衰えを見せない重厚な映画だ…

〝最長片道切符の旅〟終点が変更に

(写真1 起点の稚内駅=2016年3月27日) 西九州新幹線開業で新大村駅に 9月23日の西九州新幹線開業に関連して面白い記事が出ていた。つまり、最長片道切符の旅の終点が変更になったというのだ。 最長片道切符とは、JR路線で同じ駅を2度通らずに…

彼岸花の季節

(写真1 濃い朱の彼岸花) 暑さ寒さも彼岸まで 暑さ寒さも彼岸までとはよくぞ言ったものだ。この頃はめっきり秋めいて、朝晩は肌寒いほど。上に羽織るものが欲しくなるようだ。 その名もズバリ彼岸花が咲いている。この花を見かけるとやはり秋だと感じる。…

川上昌裕『限界を超えるピアノ演奏法』

音楽家を目指すヒント 著者川上昌裕は、世界的天才ピアニスト辻井伸行を育てたことで知られる。 そのエピソードが興味深い。 辻井が小学1年、川上がウィーン留学から帰国して間もないころ、初めて彼の自宅で会った際、優れたバランス感覚、正しく鋭敏な音感…

ドナルド・E・ウェストレイク『ギャンブラーが多すぎる』

巨匠ウェストレイク幻の逸品 いやはや驚いた。今頃になってウェストレイクの新作が読めるなんてびっくりした。もっとも、本作は1969年の作品で、日本ではこのたび初めて訳されたのだけれど。 ドナルド・エドウィン・ウェストレイク(1933-2008)は…

映画『復讐は私にまかせて』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) インドネシア映画 インドネシア映画とは珍しいが、渋谷のイメージフォーラムで観た。監督エドウィン、撮影芦澤明子。エドウィンはインドネシア気鋭の監督、芦澤は黒澤清作品で知られる。 暴力映画、恋愛映…

辻良樹『日本の鉄道150年史』

写真と図解が豊富 1872(明治5)年10月14日、日本で初めて鉄道が新橋-横浜間に走ってから今年はちょうど開業150年となる。 日本の鉄道の歴史についてはおびただしいほどの類書があるが、本書の特徴はそのとき折々のエピソードをつなげて綴ったこ…

初秋の花

(写真1 美しいデュランタの花) 可憐なデュランタ この頃は樹に咲く花がめっきり少ない。せいぜい、夏から咲いている花期の長いサルスベリやノーゼンカズラが引き続き咲いているのが目立つくらいだ。サルスベリは百日紅というくらいだから、夏に強く当然花…

仲秋の名月と名花

(写真1 今年の仲秋の名月。レンズの倍率が低かったから月の模様までは写らなかった) 間近に花火も 今年の十五夜は9月10日だった。 幸い、快晴の夜で、南の空に輝くような満月が浮かび、まさしく仲秋の名月だった。 (写真2 いいかげんなもので恥ずか…

桐山智子『タカラヅカ百年の芸名』

タカラジェンヌ4426人 宝塚歌劇団団員タカラジェンヌの芸名の研究である。 タカラヅカでは、1期生から100期生までの生徒が4426人。この総数について詳細な探求が行われていて、本書は、A5判332ページに上り、タカラヅカに限ったこととはい…

浦賀水道に面した横須賀美術館

(写真1 前庭越しに見た美術館全景) 素晴らしいロケーション 京浜急行浦賀駅からバス約15分終点観音崎下車。周囲は全体が観音崎公園で、右に海伝いに進めば観音埼灯台。美術館へは左に約5分。神奈川県横須賀市鴨井所在。 広大な芝生の前庭の奥に白い翼…

上岡直見『自動車の社会的費用・再考』

クルマ強制社会に 1974年に岩波新書で上梓された宇沢弘文の『自動車の社会的費用』は、相当な物議を醸したものだった。社会的費用という新しい概念が新鮮だったし、増大するクルマ社会への警鐘とも受け止められた。そして何よりも、自動車の所有者・使用…

荒木博行『世界失敗製品図鑑』

攻めた失敗20例 世界的にも名だたる企業の名が並んでいるが、失敗と烙印を押された製品とサービスの20例を羅列するだけでも面白い。 アマゾン=ファイアフォン(自社が描いた将来像を重視しすぎて失敗) フォード=エドセル(社内的な正しさを追求して失敗…