ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

佐高信『当世好き嫌い人物事典』

私の出会った人 「私の出会った人」と題しメールマガジンまぐまぐに連載されていた124人が再録されている…… と、わかったのは読み始めてからで、本書を手に取るまでは佐高一流の辛口の人物評かと期待していたものの、実際は、軽めの交遊録みたいなもの。 …

魅力的なMOMATコレクション

(写真1 松本竣介の絶筆<建物>) 東京国立近代美術館の所蔵作品 東京国立近代美術館(略称MOMAT)は、近現代に関し国内最大級のコレクションを誇り、所蔵作品は13,000点を超す。作品の入れ替えをしながら年に数回コレクション展を行っていて、重…

石川祐基『日本のもじ鉄』

鉄道サインと書体の図鑑 鉄道の駅名標や駅舎看板、出口案内や構内のサインなどに使われているデザインと書体を集めた図鑑。 全国201の路線が収録されており、何とケーブルカーや貨物線までも網羅しているという徹底ぶり。 JR東日本については渋谷駅の駅…

原田マハ『常設展示室』

絵画と人生が交差する6つの物語 『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』『デトロイト美術館の奇跡』の系譜につながる、著者得意の絵画をモチーフにした短編集。 6編が収められており、ピカソ<盲人の食事>の「群青」、フェルメール<デルフトの眺望>の「デ…

清水浩史『楽園図鑑』

日本の絶景無人島 楽園は、島にこそあるのではないか。とりわけ日本にあまた存在する無人島は、楽園そのものではないか。 こうして、著者は37の島に渡っている。そこはどういう島だったのか。果たして楽園だったのか。これらの島々は、人口0人はもとより…

梅雨空の花

(写真1 梅雨時を代表する花アジサイ) タイサンボクもタチアオイも 梅雨の季節の花といえばアジサイ(紫陽花)。それこそ我が家の庭にも咲いているほどで至るところで見かける。様々な色があるが、ラピスラズリのようなブルーが好きだ。なお、色は土質の酸…

銀座で坂本務展

(写真1 会場で作品を背景に坂本務さん) パステル画の鮮やかさ 銀座の新井画廊で開かれている。 会場に入ると、明るい色彩が目に飛び込んできた。実に鮮やか。30点ほど展示されていたが、すべてアクリル画。キラキラと輝いている。 坂本さんは、1950…

金沢の国立工芸館

(写真1 金沢にある国立工芸館の美しい外観。左・旧陸軍第九師団司令部庁舎、右・旧陸軍金沢偕行社) 未来へつなぐ陶芸展 このたびの金沢滞在中見学した。 兼六園に隣接してあり、真弓坂口の脇から広坂をゆっくり登っていくと県立美術館の隣りだった。 大変美…

梅雨入り直前の金沢

(写真1 土塀が建ち並ぶ長町武家屋敷) 戻った観光客 先週は金沢へ旅行した。金沢は1年半ぶり。梅雨入り直前で天気予報では3日間とも雨のようだったが、晴れ男の面目躍如、降ったりやんだりながら、結局、滞在中には傘はささずに済んだ。 金沢はとてもに…

まるで川のような狭水道音戸の瀬戸

日本海峡紀行 (写真1 音戸の瀬戸。手前が音戸大橋で、奥が第二音戸大橋) 呉港と安芸灘を最短で結ぶ 瀬戸とは、狭い水道のこと。つまり、瀬戸も水道も海峡である。 音戸の瀬戸は、広島県呉市の本州側と対岸の倉橋島との間の水道。平清盛が開削したという言…

生活の中の尾道水道

日本海峡紀行 (写真1 千光寺の展望台から見下ろした尾道水道) まるで〝箱庭〟のような美しさ 尾道水道は、尾道そのもの。尾道水道なくして尾道の町はなかったわけで、町の中に水道をかかえているようなものだし、こういう海峡と町との関係は少ない。 尾道…

自転車で船でバスで来島海峡

日本海峡紀行 (写真1 来島海峡大橋から眼下に見た来島海峡。潮流の様子もわかる) 3度も渡って楽しめる海峡 このたびの海峡巡りでは、来島海峡は3度渡った。つまりどういうことかというと、海峡は船で渡りたいものだが、初めは自転車で渡り、次に船で渡…

不思議のクダコ水道

日本海峡紀行 (写真1 クダコ水道の中央に位置するクダコ島。頂上にはクダコ島灯台) 海軍と水軍の航路 瀬戸内海西部地域の海峡巡りを計画していたところ、クダコ水道なる地名を見つけた。地元ではつとに知られた名前なのだろうが、私には浅学にして知らな…

釣島海峡と釣島灯台

日本海峡紀行 (写真1 眼下に釣島灯台と釣島海峡を望む) 連合艦隊の海峡 釣島(つるしま)海峡とは、瀬戸内海の西部、斎灘(いつきなだ)と伊予灘を結ぶ海上交通路。愛媛県松山市の沖合、興居島(ごごしま)と中島との間に位置する。 かつて、広島県呉市の…