日本海峡紀行
(写真1 函館大間航路フェリーから見た津軽海峡と遠く大間埼灯台)
本州と北海道を最短で結ぶ
津軽海峡を渡る二つのフェリー航路のうち、青森から函館へ青函航路で向かった帰途は、もう一つの航路である函館大間航路で戻ってきた。青函航路に比べ約三分の一の所要時間で本州と北海道を結んでいる。
フェリーの出航は、9時30分。チェックインの様子を見ていると、予約なしで当日の手続きを行っている人も少なくない。徒歩客も多いようだ。青函航路と違って乗船時間も1時間30分と短いし、気軽に往復している様子がうかがえる。乗船はボーディングブリッジを使用して行うからはなはだスムーズ。
船名は「大函丸」。総トン数は1,912トンだから、8千トンを超す青函航路に比べだいぶ小ぶり。それでも船内は広くてゆったりしている。船旅のいいところだ。
函館港を出港すると、少しして葛登支岬が右に見えてくる。すると、船は函館山を回り込むように進路を左にとって津軽海峡を横切る。やがて弁天島に建つ大間埼灯台が近づいてくる。大間港到着はこれも定刻11時00分。
(写真2 津軽海峡フェリーの大間ターミナル)
大間港のフェリーターミナルは、ここもボーディングブリッジ。とてもスムーズ。大間崎とは、歩けない距離ではないがちょっと離れている。それでタクシーを呼んだ。あらかじめ予約しておいたのだ。わずか5分のところだった。
(写真3 大間崎の様子)
鋭く突き出ているわけではないが、「ここ本州最北端の地」碑が建っているほか、巨大なまぐろを背景に「まぐろ一本釣りの町おおま」のモニュメントもある。
(写真4 沖合600メートルの弁天島に建つ大間埼灯台)
沖に目を転ずれば、眼前の小島に大間埼灯台である。沖合600メートルの弁天島である。平べったい島だが、島と陸地の間は潮流が速いらしい。黒の帯が巻かれ、北国の灯台らしい塗色。
北海道が横たわり、恵山岬も望める。地図を見ていると気がつくが、本州最北端である大間崎は、実は、北海道の南端、白神岬などよりは北に位置する。
(写真5 マグロ丼。まぐろのトロや中トロが豪快に盛り付けられている)
付近はちょっとした観光地の様相だった。大型観光バスでやってくる人たちが多い。売店や食堂が軒を並べている。人気は名物のまぐろ。
(2022年10月13日)
<大間埼灯台メモ>(「灯台表」等から引用)
航路標識番号1550(国際番号M6634)
名称/大間埼灯台
所在地/青森県下北郡大間町大間字弁天
位置/北緯41度33分07秒 東経140度54分54秒
塗色・構造/黒白横線塔形コンクリート造
レンズ/第4等フレネル式
灯質/群閃白光毎30秒に3閃光
実効光度/12万カンデラ
光達距離/17海里(約31キロ)
塔高/25.4メートル
灯火標高/36メートル
初点灯/1921年11月1日
管理事務所/第二管区海上保安本部青森海上保安部