ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

特牛灯台(山口県下関市)

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(写真1 趣のある佇まいの特牛灯台。照射灯が併設されている)

  赤い光を放つ小さな灯台

 初めて現役の灯台として国の重要文化財に指定された灯台4基のうち、山口北九州にある角島、六連島、部埼の三つの灯台を巡った後は、少し足を伸ばして特牛灯台を訪ねた。

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(写真2 山陰本線特牛駅)

 特牛は、大変難読で、〝こっとい〟と読む。特牛灯台は、山口県下関市豊北町所在。山陰本線特牛駅が最寄り駅。特牛駅も難読駅として鉄道ファンの間で評判。位置関係としては角島のやや南ということになる。滝部駅、特牛駅、角島と巡回するバスが出ている。所要8分、特牛港下車。特牛港は、角島大橋が開通するまでは角島への渡船が出ていたらしい。ケンサキイカという良質のイカで知られる。バス停前の魚屋にイカが吊して干されていた。

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(写真3 特牛港)

 バス停から、魚市場とは反対側、角に喫茶店のある海沿いに進むこと約5分ほど。登り口が心配になって、道沿いの家の庭にいた年配のご夫婦に尋ねたら、ご主人がわざわざその登り口の見えるところまで案内してくれた。そのご主人、背の低い灯台だが道に迷うことはないだろうが、道は滑りやすいから気をつけてと。

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(写真4 夏草に覆われた灯台)

 くだんの登り口からわずか5分ほど。すぐに灯台にたどり着いた。なるほど、灯台は一段下にあるからなおさら低く見える。確かに塔高は6.3メートルと低いが、灯高は27.0メートルもあるから灯台の役割を果たすのに不都合はない。6角形の白色塔形で、味のある佇まい。照射灯(特牛地ノ瀬照射灯)が併設されている。

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(写真5 灯室の内部が赤く見えた)

 灯質は、単明暗白赤光で、赤色は分弧になっている。外見としては、灯室の内部が赤く見えた。灯台表には、赤光(分弧)35度~95度(鼠島、壁岩及び港口付近の険礁を示す)、104度~170度(双子島及び港口付近の険礁を示す)と記してある。

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(写真6眼下には特牛港)

 灯台から眼下を見渡すと、日本海が広がり、左端に特牛港が見える。
 帰途、注意が散漫になったころ坂道で滑った転んだ。登り口を教えてくれたおじさんのいう通りとなってしまった。その際、膝を不自然に曲げてしまったらしく、数日間、痛みが引かなかった。

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(写真7 灯台への登り口)

                        (2021年7月20日取材)

<特牛灯台メモ>(灯台表、現地の看板、ウィキペディア等から引用)
航路標識番号/0709
位置/北緯34度19分1秒 東経130度53分5秒
名称/特牛灯台
所在地/山口県下関市豊北町
塗色・構造/白塔形
レンズ/不明
灯質/単明暗白光明6秒暗2秒(赤光は分弧)
光達距離/4海里
明弧/35度-170度
塔高/6.3メートル
灯火標高/27メートル
初点灯/1912年(明治45年)1月15日
管轄/第七管区門司海上保安部