ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

ベートーヴェンの交響曲全集

(写真1 交響曲全集のCD外装) ワルター指揮コロンビア交響楽団 ベートーヴェンの楽曲。まずピアノソナタ全32曲をウイルヘルム・ケンプのピアノ全集(CD8枚)で聴き、次にピアノ協奏曲全5曲を内田光子ピアノ、クルト・ザンデルリング指揮ロイヤル・コ…

映画『明日に向かって笑え!』

(写真1 映画館に掲示されていたポスターから引用) アルゼンチン映画 2001年、アルゼンチンの田舎町。不景気な時代。住民たちはなけなしの金を出し合って農業の会社をつくろうと動き出す。古い建物を買うこととし出資金を募る。集まった金をいっとき貸…

芹沢央『神の悪手』

将棋を題材にした短編小説集 表題作など短編5編が収められている。 どれも面白かったが、印象深かったのは収録5編目の「恩返し」。すべてが将棋にまつわる物語なのだが、これは棋士ではなく駒師が主人公。異色の将棋世界が描かれている。 駒師とは、もとよ…

ああ辺戸岬灯台!

(写真1 生い茂った樹木のなかにひっそりとたたずむ辺戸岬灯台) 岬と離れた場所にひっそりと 辺戸岬に辺戸岬灯台はない。もちろん、大きくは辺戸岬のうちなのだが、岬の突端付近には見当たらなく、後ろを振り向いて後背地を探しても見当たらないのである。…

沖縄本島最北端 辺戸岬

(写真1 祖国復帰闘争碑の建つ辺戸岬突端) 祖国復帰の願い強く 辺戸岬(へどみさき)は、沖縄本島最北端。この日は晴れていたから沖合にうっすらと平べったい島影が見える。鹿児島県奄美諸島最南端与論島であろう。彼我の距離は23キロといわれる。この間…

沖縄のシンボル首里城

(写真1 城壁が連なる外観) 琉球の象徴 那覇滞在中、首里城を訪ねた。火災がどの程度だったのか、修復はどう進んでいるのか気になった。早くに来たかったのだが、首里城は沖縄のシンボルみたいなもの、物見遊山では軽軽には訪れにくかった。 首里城とは、…

延伸の沖縄都市モノレールに乗る

(写真1 延伸開業された終点のてだこ浦西駅外観) 沖縄唯一の鉄道 沖縄都市モノレールとは、沖縄で唯一の鉄道路線。通称〝ゆいレール〟として親しまれており、那覇市の那覇空港駅から浦添市のてだこ浦西駅まで全長17.0キロ、19駅。 当初の開業は200…

高島野十郎展

(写真1 代表作の<蝋燭>=福岡県立美術館蔵。会場で販売されていた絵はがきから引用) 生誕130年記念 高島野十郎は福岡県久留米市出身。1890年生まれ。異色の経歴の持ち主で、東大農学部を卒業しながら画家の道を志した。しかも、絵は独学。 出品物を…

福岡市地下鉄全線に乗る

全鉄道全路線全二周への旅 (写真1 空港線博多駅改札口) 3路線29.8キロ かつては福岡市営地下鉄と呼称されていた時期もあったが、現在は福岡市地下鉄に統一されている。福岡市交通局の運営。 営業路線は、1号線(空港線=姪浜駅-中洲川端駅-福岡空港駅…

関門航路灯浮標と六連島立標

(写真1 関門航路第5号灯浮標) 門司下関周辺の航路標識③ 下関竹崎桟橋から六連島に向かう途中、関門航路を横切ったが、渡船上から二つの灯浮標が見えた。 初めに緑色をした灯浮標で、これは関門航路第5号灯浮標。灯台表によれば、航路標識番号5527.…

下関外浜町防波堤灯台+あるかぽーと東防波堤灯台

(写真1 下関唐戸桟橋上からみた赤と白の防波堤灯台) 門司下関周辺の航路標識② いずれも下関唐戸桟橋の灯台。写真左の赤色が下関外浜町防波堤灯台で、右の白色があるかぽーと東防波堤灯台。向かい合う二つの防波堤灯台を合わせて〝恋人灯台〟と呼んで親し…

門司西海岸5号防波堤灯台

(写真1 下関唐戸桟橋行き連絡船上から見た) 門司下関周辺の航路標識① 3日間にわたり門司下関周辺の灯台巡りをしたし、関門海峡も船で渡ったから、この間、数多くの航路標識を見かけた。灯台好きではあるものの、日頃は沿岸灯台にばかり目がいって、防波…

特牛灯台(山口県下関市)

(写真1 趣のある佇まいの特牛灯台。照射灯が併設されている) 赤い光を放つ小さな灯台 初めて現役の灯台として国の重要文化財に指定された灯台4基のうち、山口北九州にある角島、六連島、部埼の三つの灯台を巡った後は、少し足を伸ばして特牛灯台を訪ねた…

関門海峡を渡る

(写真1 門司港から関門海峡を渡る。下関はすぐ対岸) 日本遺産ノスタルジック海峡 関門海峡とは、本州の下関と九州の門司を隔てる海峡。最も狭まる壇ノ浦と和布刈の間は600メートルと狭く、早鞆の瀬戸と呼ばれている。下関市と北九州市にまたがって関門…

復元された門司港駅

(写真1 重文に指定されている門司港駅外観) 重要文化財の鉄道駅 門司港駅は、鹿児島本線の起点駅。関門トンネルが開通するまで九州における鉄道の玄関口だった。現在は観光スポットである門司港レトロの中心的存在。 小倉駅から鹿児島本線で門司港に向か…

角島灯台(山口県下関市)

(写真1 すらりと背の高い角島灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り③ 角島(つのしま)は、山口県北西部の島。現在は2000年に完成した角島大橋によって結ばれている。海域としては日本海のうち響灘の北のはずれということになる。角島とは、島の東西にあ…

六連島灯台(山口県下関市)

(写真1 島の北に建つ六連島灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り② 六連島(むつれじま)は、響灘(日本海)に浮かぶ小島。下関から渡船が出ている。下関駅前の漁港側から歩いて5分ほど。竹崎桟橋。渡船場のそばにキョウチクトウ(夾竹桃)が咲いていた。珍…

部埼灯台(北九州市)

(写真1 周防灘に面した部埼灯台) 重要文化財指定現役灯台巡り① 現役の灯台が初めて国の重要文化財に指定された(2020年12月23日付)。指定されたのは、千葉県銚子市の犬吠埼灯台、山口県下関市の六連島灯台と角島灯台、福岡県北九州市の部埼灯台…

ローレンス・ブロック『殺し屋』

アメリカらしい小説 ケラーを主人公とする10話からなる連作短編集。 ケラーは、殺しを稼業とするニューヨーカー。マンハッタンの一番街に面し、イーストリヴァーやクイーンズボロ・ブリッジが見えるアパートメントに住んでいる。戦前から建っているアール・…

映画『スーパーノヴァ』

(写真1 映画館に掲示されていたチラシから引用) 最愛にして大親友 二人の男。年上の作家タスカーとピアニストのサム。20年来一緒に暮らしているパートナーである。 二人は休暇を取ってキャンピングカーで湖水地方の旅に出る。 晩秋であろうか、美しい風…

映画『ライトハウス』

(写真1 映画館に掲示されていたチラシから引用) 人間の極限を描く ライトハウスとは灯台のこと。 舞台は、18世紀か、ニューイングランドの孤島の灯台。この孤島に二人の灯台守が渡ってくる。一人は初老の灯台守トーマス・ウェイクで、もう一人が灯台守の…

ベートーヴェンのピアノコンチェルト

(写真1 内田光子ピアノによるベートーヴェンのピアノコンチェルト全集のCD外装) 内田光子による全集 自宅に籠もった生活が続いているから音楽はよく聴いている。これまでも音楽は好きで、朝のコーヒーを飲みながらCDをかけていた。ただ、それもこれま…

大・タイガー立石展

(写真1 展示室の様子) POP-ARTの魔術師 千葉市美術館で開催されている。 タイガー立石こと立石紘一(1941-98)の生誕80年の大回顧展となっていて、POP-ARTの魔術師というキャッチフレーズのもと絵画からイラスト、絵本、マンガ、彫刻など…

堀江敏幸+角田光代『私的読食録』

食と読書の案内 食にまつわるエピソードを小説やエッセイなどから拾って紹介している散文集。 月刊誌に堀江と角田が交互に書いた連載100回分が収録されている。1回分が文庫3ページと短く、どこで栞を挟んでもいいようで読みやすい。拾い読みしてもいい…

都電荒川線トピックス

(写真1 都電荒川線の前身王子電気軌道の路線図。都電屋に掲示されていた) 都電荒川線つたい歩き プラス③ 都電荒川線のつたい歩き。のんびり歩いていると電車に乗っていては見落としがちなものが見えてきた旅でもあった。 その中からトピックスをいくつか…

都電荒川線の全停留場フォト

(写真1 都電荒川線唯一の荒川車庫) 都電荒川線つたい歩き プラス② 都電荒川線は、三ノ輪橋停留場を起点に早稲田停留場を終点とする全長12.2キロの路線。停留場数は30。荒川区から北区、豊島区、新宿区へまたがっている。路面電車である都電の路線数…

都電荒川線の全車両フォト

(写真1 荒川車庫前に停車中の左8808と右8908) 都電荒川線つたい歩き プラス① 都電荒川線を2日がかりでつたい歩いた。つたい歩くとは、電車には乗らず、ただひたすらに線路に沿ってつたい歩くこと。乗っては気がつかない細かな情景が得られる楽し…

庚申塚から終点の早稲田へ

(写真1 千登世橋上から見た荒川線電車。右が明治通り) 都電荒川線 つたい歩き③ 都電荒川線のつたい歩き。先日は雨のため途中で打ち切っていたため、この日はその続きで庚申塚から再開。5月14日。 庚申塚へは最寄り駅である山手線巣鴨駅から。徒歩5分…

荒川車庫前から庚申塚へ

(写真1 王子駅付近の併用軌道を走る都電荒川線電車) 都電荒川線 つたい歩き② 荒川車庫前を出ると、まもなく北区に入った。電柱の町名表示によると、北区堀船三丁目とある。梶原の停留場には、早稲田方面のホームに面して本屋があった。また、そばに都電も…

都電荒川線 つたい歩き①

(写真1 美しいバラに囲まれた都電荒川線起点三ノ輪橋停留場) 三ノ輪橋から荒川車庫前へ つたい歩きとは、鉄道線路に沿ってひたすらつたい歩くこと。鉄道には乗らない。コロナ下のこと、鉄道旅もままならず、これは鉄道好きとしては窮余の一策。しかし、こ…