ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

都電荒川線トピックス

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(写真1 都電荒川線の前身王子電気軌道の路線図。都電屋に掲示されていた)

都電荒川線つたい歩き プラス③

 都電荒川線のつたい歩き。のんびり歩いていると電車に乗っていては見落としがちなものが見えてきた旅でもあった。
 その中からトピックスをいくつか拾ってみよう。
●都電もなか

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(写真2 都電もなか。箱は左7700形、右9000形)

 梶原停留場のそばにある和菓子屋明美。ここに〝都電もなか〟なるものがあった。都電ファンにとってはうれしくなる一品。もなかが都電の車両の形をしているのである。箱に入っていて、パッケージが7700形とか8500形などと都電の系統別に用意されている。また、購入するに際しては、1個2個などではなく、1両2両と呼ぶのもうれしいところ。
 2両ばかり買って食べてみたが、これが本格的なもなか。もなかは好物だしとてもうまい。当たり前のことだが。人気の和菓子店のようで、客がレジに並んでいる。もっとも、都電もなかを買ったのは私だけだったが。

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(写真3 都電もなかの店)

●おはぎ

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(写真4 いっぷく亭のおはぎ)

 庚申塚停留場三ノ輪橋方ホームに面してある〝いっぷく亭〟。甘味処だが、コロナ下のこと、店自体は休業状態。ただし、主人は店のシャッターを半分だけ開け、店の前に和菓子を並べてサービルをしている。「お裾分け中」と表示してあって、欲しい人に配っている。主人は「材料は仕入れてしまってあるし、日頃の感謝の気持ちを込めてやっている」と気っぷがいい。
 おはぎで有名な店だが、ほかにもあんみつなどというものもあって選ぶのも楽しい。ここは巣鴨地蔵通り商店街であり、常連もいて手に取っていく人が跡を絶たない様子。
 わたしもおはぎをいただいたが、餡の甘さが絶妙だし、ボリューム満点のもので、おいしくいただいた。

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(写真5 お裾分けしている〝いっぷく亭〟)

●都電屋

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(写真6 都電屋の外観)

 その名もずばり〝都電屋〟。都電荒川線の三ノ輪橋停留場のすぐそば、商店街の入口にある。
 店はカフェなのだが、店内の模様がただならない。つまり、鉄道博物館の様子なのだ。鉄道ファンなら垂涎ものが所狭しと陳列してある。
 とくに、「王子電気軌道沿線案内」は珍しい。王子電気軌道とは現在の都電荒川線の前身。タテ1.5メートル、ヨコ2.0メートルもありそうな大判の壁掛け図で、往時の路線図が描かれている。この図で興味深いのは、表示している図の説明で、電車線のほか、バス線、配電区域とあることで、この会社が鉄道事業のみならずバス事業のほか電力事業も行っていたということ。
 電車線では、三ノ輪から出て、王電王子で王電赤羽行きと早稲田行きと2路線に分岐しており、結構大きな企業体だったわけで、王電とは王子電気軌道の愛称だった。
 主人の藤田孝久さんが鉄道ファンのようで、喜寿ということだが、JR全線を踏破したというから筋金入り。私も鉄道ファンの端くれ、話し始めたら盛り上がってとまらないようだった。

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(写真4 都電屋の店内)