ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

庚申塚から終点の早稲田へ

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(写真1 千登世橋上から見た荒川線電車。右が明治通り)

都電荒川線 つたい歩き③

 都電荒川線のつたい歩き。先日は雨のため途中で打ち切っていたため、この日はその続きで庚申塚から再開。5月14日。
 庚申塚へは最寄り駅である山手線巣鴨駅から。徒歩5分ほどか、白山通りから脇へ地蔵通り商店街が伸びている。とげ抜き地蔵で知られる高岩寺の参道で、〝おばあちゃんたちの原宿〟と呼ばれにぎわっている。
 ところで、巣鴨駅。改札を出てから気がついて、これから長い時間を歩くわけだし、トイレを済ませておこうと思ってトイレを借りようと職員に申し出たところ入場するには140円の料金を払ってくれとのこと。ちょっとトイレを使うだけだがと言っても入場料を払えの一点張り。規則はその通りなのだろうが、大きな駅ならともかく、トイレは改札口のすぐ目の前に見えているのにこの態度。よほどあやしげな男とみられたのか、猛烈に腹が立った。身なりはジャケットも着てきちんとしていたのだが。

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(写真2 巣鴨地蔵通り商店街。とげ抜き地蔵の参道)

 さて、庚申塚停留場。先日、おはぎを振る舞ってくれた甘味処いっぷく亭はこの日は閉まっていた。時間が早かったのかもしれない。
 庚申塚からは線路づたいに道はなくて、いったん離れたところを歩き出し、途中から戻った。私のやり方は、可能な限り線路づたいに歩くということ。並行してそうでも、どんどん離れていくということもある。
 巣鴨新田。東京電力の施設があった。下校中なのか、大勢の高校生と行き違う。それにしても、下校中ならなぜ大塚駅へ向かわないのか。そう言えば、巣鴨新田の停留場で電車を待っている生徒はいなかった。ひょっとすると、停留場の向こうにある高校の生徒たちだったのかもしれない。

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(写真3 大塚駅前停留場。左手前が定期券販売の窓口)

 そうこうして山手線大塚駅。北口はしゃれたロータリーになっている。大塚駅前停留場は、山手線の高架下に直角に配置してある。対面する2面2線のホームがあり、早稲田方面ホームの端には窓口があり、都電と都バス定期券を扱っているといい、乗車券は車内で販売しているとのこと。王子駅前もそうだったが、乗降者数の多い停留場。
 南口には駅ビルもできて随分と大きくなった。このあたりは高校や大学も多いからにぎわっていた。

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(写真4 南大塚バラロードを登ってきた電車)

 大塚駅前を出ると電車はすぐにほぼ直角に右折し、続いて左折しながら坂道を登っていく。バラが沿線を飾っている。南大塚バラロードといい、一区間だけのことらしい。

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(写真5 線路の向こう奥に高くそびえるサンシャインビル。いかにも都心の谷間を走る電車だ)

 春日通りを横切って向原の停留場を過ぎると、IKE SUNという広い公園があり、その向こうにサンシャインビルが望めた。

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(写真6 雑司が谷霊園)

 東池袋四丁目停留場からは線路沿いに道はなく、坂道を登っていったら、雑司が谷霊園にぶつかった。都立の墓地で夏目漱石や永井荷風、島村抱月らの墓がある。霊園の外周を回り込んでいくと都電雑司ヶ谷霊園という停留場。霊園に面している。

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(写真8 鬼子母神への参道、大門ケヤキ並木)

 この停留場からは長い下り坂。下りきったところが大鳥神社。東京音楽大学が近い。続いて鬼子母神前停留場。地下鉄副都心線雑司が谷駅に隣接している。鬱蒼とした古木が並ぶ大門ケヤキ並木は鬼子母神への参道。このあたりは4月に来たばかりで、この日は参詣しなかった。
 やがて目白通りと明治通りが交差する千登世橋。立体交差になっていて、電車は明治通りに沿って走っている。

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(写真9 学習院下停留場。雨のためしばし雨宿り)

 続いて学習院下。このあたりに来たら雨が降ってきた。それも猛烈に激しい雨。出かけるに際しては、慎重に気象情報をチェックして雨のない日を選んだのだが、当たらなかった。1日目も雨で中断したが、2日目も雨にたたられるとは、晴れ男の面目がない。横殴りの強い雨だし、停留場で雨宿りをしていたがやみそうにもなくそばにある中華屋で昼食をとりながら雨の上がるのを待った。

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(写真10 神田川を渡る電車。奥が学習院下)

 30分ほどもしたら雨が小降りになってきた。つたい歩き再開。学習院下から坂を下りきると神田川を渡った。高戸橋の交差点で、ほど直角に左折して新目白通りに出た。
 神田川と並行して走っている通りで、面影橋を経てやがて早稲田停留場。都電荒川線の終点。これで全長12.2キロ、30停留場のつたい歩きを完了した。停留場は、降車ホームと乗車ホームを備えた2面1線の立派なもの。
 3度目の鉄道つたい歩き。初めての都内、初めての路面電車だった。雨のせいばかりではなく、寄りたいところが多くて時間がかかった。それだけに楽しくもあって、印象深い旅となったのだった。

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(写真11 都電荒川線の終点早稲田停留場)