ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

復元された門司港駅

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(写真1 重文に指定されている門司港駅外観)

重要文化財の鉄道駅

 門司港駅は、鹿児島本線の起点駅。関門トンネルが開通するまで九州における鉄道の玄関口だった。現在は観光スポットである門司港レトロの中心的存在。
 小倉駅から鹿児島本線で門司港に向かうと、次の門司を出ると下関行きが分岐してトンネルに入っていき、門司港行きはそのまま地上を走り、小森江あたりからは多くの側線の集散を繰り返しながら終点へといたる。長いアプローチを経て行き止まるのは、函館や青森などと同様に連絡線時代の名残で、激しい旅情を感じる。

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(写真2 門司港駅ホーム。連絡線時代の名残か、長いホーム)

 門司港に到着すると長いホーム。これも函館や青森と同様で、2面4線の頭端式ホームが並んでいる。

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(写真3 ホームの端にある0哩標)

 ホームの端には、九州の鉄道の起点を示す0哩(マイル)標がある。1972年当時の国鉄九州総局が設置したもの。
 改札を出るとレトロな駅舎。この駅に降り立ったのはたびたびだが、前回の5年前の2016年には駅舎は改装中で、工事用のシートで覆われていた。2年前に工事は終了していて1914年(大正3年)当時の駅舎が復元されていた。
 外観は、ネオ・ルネッサンス様式で左右がシンメトリックになっている。なかなか味わいがある。鉄道駅としては初めて重要文化財に指定されている。次に重文に指定されたのは東京駅だが、これら二つの駅ともに、鉄道ファンならずとも誰しも外見を見ただけで駅名がわかるのではないか。貴重な存在だ。

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(写真4 かつての切符売り場)

 駅舎内には、切符売り場や待合室などが当時のまま残されており、待合室はカフェになっていた。

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(写真5 かつての二等待合室はカフェになっていた)

 駅を中心に周辺は門司港メトロとして観光スポットになっている。大正時代建設の建物が現存しており、往時の殷賑を偲ばせてくれている。

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(写真6 門司港メトロの一つ三井倶楽部)

 珍しいのは「はね橋」、歩行者用の跳ね橋としては日本で最初のものらしい。待っていたら大きく開いた。もとより船舶の航行を助けるためのものだが、航行する船は少ないようだった。

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(写真7門司港駅のそばにあるはね橋)

 周辺をぶらぶらして気がつくのは、〝焼きカレー〟の看板がいたるところにあること。どういうものか食べてみた。ひと言で言えば外見はラザニア。ご飯の上にカレーをかけ、チーズをのせオーブンで焼いたもの。元々はレストランのまかない料理として提供されていたものだということ。門司港には何度も訪れているが、これまで気がつかなかった。このごろ評判になったものであろうか。

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(写真8 近ごろ門司港名物焼きカレー)