(写真1 王子駅付近の併用軌道を走る都電荒川線電車)
都電荒川線 つたい歩き②
荒川車庫前を出ると、まもなく北区に入った。電柱の町名表示によると、北区堀船三丁目とある。梶原の停留場には、早稲田方面のホームに面して本屋があった。また、そばに都電もなか本舗という和菓子屋があったが、この日はあいにくと定休日だった。都電の車両の形をしたもなからしい。
(写真2 梶原停留場に面して本屋があった)
(写真3 明治通りを渡る都電。手前が三ノ輪橋行き、奥が早稲田行き)
やがて明治通りの交差点。明治通りは、関東大震災復興のため東京で初めての環状道路として整備されたもので、このためあちこちで明治通りに遭遇する。
(写真4 アジサイが咲いている踏切)
北区に入ったら沿線にバラが消えた。荒川区と同じようにバラを植えてくれたらいいのにと思った。かろうじてアジサイが咲いている踏切があった。
次の栄町にはコーセーの建物。化粧品会社らしくしゃれた外壁。
(写真5 新幹線の高架に突き当たった電車)
やがて新幹線の高架に突き当たった。ここで大きく右折し、高架下を王子駅へと入っていく。
(写真6 改札機が置かれ職員が配置されている王子駅前停留場)
王子駅前停留場では改札機が置かれ、職員が対応していた。定期券の販売が目的で、平日日中だけのことらしいが、王子駅前停留場は路線中で乗降客の多い停留場。
(写真7 王子駅前付近を走る電車。右は京浜東北線、東北新幹線の高架=飛鳥山の上から撮影した。雨で煙っている)
雨が降り出した。王子駅前停留場を出るとすぐにほぼ直角に右折し、新幹線や京浜東北線のガードをくぐり、併用軌道へと入っていく。飛鳥山の麓を大きく迂回するように路線は組まれている。飛鳥山は江戸時代以来のサクラの名所。麓から山上へ自走式ケーブルカーが運行されている。
(写真8 車列の最後尾に見えるのが、自動車と一緒になって併用軌道を走る電車)
全線で二カ所目の併用区間。自動車と一緒になって走行しており、当然、渋滞等の影響も受ける。
(写真9 明治通りと本郷通りの交差点付近を走る電車)
続いて明治通りと本郷通りの交差点。ちょっとややこしい交差点で、明治通りは直角に右折し、本郷通りが直線方向に伸びている。
飛鳥山の停留場からは再び専用軌道区間に入る。
(写真10 北区内に入ると線路に並行する道がなくなりつたい歩きも難しく苦労した)
滝野川一丁目、西ヶ原四丁目と続き、この付近は並行する道路もなく、道に迷ってしまった。路地裏のような通りが広がっていて、あげくには坂が多い。途中で会った若い女性に尋ねたら、この辺は道が入り組んでいてわかりにくいから案内してくれるという。それでは申し訳ないので大きな方向だけ教えてもらった。しかし、これは失敗で、ご厚意に甘えれば良かった。やっぱり線路に行き当たらない。それで、今度はおばあさんに尋ねたら、道を三度も曲がってやっと線路が見えてきた。
(写真11 旧中山道、白山通りの国道17号を渡る都電)
やがて新庚申塚。豊島区内に入っており、国道17号旧中山道の白山通りを渡った。ここは都営三田線の西巣鴨駅が近い。
(写真12 庚申塚停留場。右手前にトイレ、ホームに面して和菓子店)
新庚申塚からは庚申塚がすぐ。停留所間距離はわずかに200メートル。路線中、最も短いのではないか。公衆トイレが付属しており、ホームに面して和菓子店〝いっぷく亭〟がある。いっぷく亭は店は営業していなかったのだが、店主が商品を客にサービスしていた。無料だというので、評判のおはぎをもらってベンチで食べた。
雨が強くなってきて横殴りになっている。ここまで約8キロ5時間ほど歩いてきていて疲れていたわけではなかったが、この日のつたい歩きはここまでで中止。この先まだ4キロほど残っているが、それはいずれまた別の機会に。