ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

ベートーヴェン聴き比べ

(写真1 聞き比べを行ったCD全集。手前がバレンボイム) 第5を7人の指揮者で ここのところ毎日ひたすらベートーヴェンのシンフォニーだけをCDで聴いてきた。ベートーヴェンに交響曲は9曲。それを著名な指揮者ごとに聴き通してきた。 選んだ指揮者は…

フェルメール<窓辺で手紙を読む女>

(写真1 修復後の<窓辺で手紙を読む女>=会場で販売されていた絵はがきから引用) 17世紀オランダ絵画展 東京都立美術館で開かれている。 ドレスデン国立古典絵画館所蔵作品が集められており、目玉は、フェルメール<窓辺で手紙を読む女>。 この<窓辺で手紙…

ウクライナ応援コンサート

(写真1 数千人も集まったコンサートの様子) コバケンとその仲間たちオーケストラ 3月11日、池袋駅西口の野外劇場グローバルリングシアターで行われた。会場は、全席立見による入場無料で、会場には黄色と青色のウクライナの国旗を持った人々が三々五々…

アーノンクールのベートーヴェン

(写真1 交響曲全9曲を収録した5枚のCD。奥は80枚のCDボックス) ベートーヴェンを熟知 ニコラウス・アーノンクール(1929-2016)は、オーストリアの指揮者,チェロ奏者。古楽器の研究、演奏でも知られる。ベルリン・フィルやウィーン・フィル…

伊藤博康『日本珍景踏切』

魅惑の踏切ワールド 全国の踏切のユニークな写真が載っている。 珍景あり、絶景あり、花畑の踏切、都会の踏切、不思議な踏切もある。よくぞここまで踏切を集めたものだと感心した。全国各地130ほどもの踏切が紹介されていてすべてカラー写真である。この…

バレンボイムのベートーヴェン

(写真1 CD全集のパッケージ外装) ベートーヴェンを熟知 トスカニーニ、フルトヴェングラー、カラヤン、ワルターと続いてきたベートーヴェンの交響曲。いずれも巨匠揃い。特にベートーヴェンを振らせて名だたる評価の持ち主ばかり。そして5人目はバレン…

ワルターのベートーヴェン

(写真1 CD全集のパッケージ外装) 三大巨匠の一人 20世紀を代表する指揮者と称され、トスカニーニ、フルトヴェングラーと並んで三大巨匠の一人とされるワルター。 ブルーノ・ワルター(1876-1960)は、ドイツの指揮者。ユダヤ系であり、ナチス…

中谷一郎『JAXAの先生!宇宙のきほんを教えてください!』

あなたの常識は宇宙の非常識 民間人ですら宇宙旅行を楽しむ時代になってきたが、宇宙はまだまだ深淵。謎だらけと言えるほどで、宇宙への疑問は増すばかり。 本書ではその宇宙とは何か解きほどいてくれている。ただ、タイトルだけ見ると、こども向けのやさし…

カラヤンのベートーヴェン

(写真1 CD全集のパッケージ外装) 〝帝王〟とベルリンフィル トスカニーニ、フルトヴェングラーと続いてきたベートーヴェンの交響曲。ついにカラヤンの登場である。 ベートーヴェンのシンフォニーをカラヤン指揮のベルリンフィルハーモニー管弦楽団が演…

『教科書名短編科学随筆集』

科学者の名エッセイ 中学校の国語教科書に載った科学者のエッセイを集めた。 エッセイは、寺田寅彦、中谷宇吉郎、湯川秀樹、岡潔、矢野健太郎、福井謙一、日髙敏隆の6人。科学者として一流であるばかりか、いずれも名文家としても知られる錚々たるメンバー…

フルトヴェングラーのベートーヴェン

(写真1 CD全集のパッケージ外装) ワーナーがレーベルの交響曲全集 ベートーヴェンの交響曲。トスカニーニに続いてフルトヴェングラー。 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)は、ドイツの指揮者。20世紀を代表する指揮者とされ、し…

今年も文旦

(写真1 今年も届いた文旦) 高知から春が届く 今年も高知から文旦が届いた。 世話をしてくれる人がいて高知四万十川流域の生産農家から直接届くのだが、段ボール箱を開けると、柑橘類の香りがいっぱいに広がってまるで春が届いたようだ。実際、この文旦が…

岩田徹『一万円選書』

北国の本屋が起こした奇跡の物語 著者は、北海道砂川市のいわた書店の店主。町の小さな本屋が経営に四苦八苦する状況下、いわた書店も例外ではなく、危機的状況の中でいわた書店が編み出したのは〝一万円選書〟という仕組み。 一万円選書とは、客一人ひとり…

バレンタインデー

(写真1 私宛に届いたバレンタインデーの贈り物。すべてがチョコレート菓子) 今年もチョコレート届く 2月14日はバレンタインデー。私のところにも今年もチョコレート菓子がいくつか届いた。 女の子の孫や知人の女性が贈ってくれたものだが、もらえば理…

梅が咲く

(写真1 近所の公園に咲いていた梅の花) 春への足取り 近所の公園で梅が咲いていた。公園の中にはたくさんの梅の木があるが、日当たりのいいこの場所の梅が最初に咲く。ほぼ例年通りか。 私は梅の花を見ると、いつでも次の句を思い浮かべる。 梅一輪 一輪…

逢坂冬馬『同士少女よ敵を撃て』

独ソ戦下赤軍女性狙撃手たち 独ソ戦下、ソ連赤軍に編成された女性狙撃手たちが描かれている。 すさまじいまでの戦闘描写、狙撃のリアリティ、ディテールの深さが見事で第一級の物語であり、とにかく面白くて傑作である。 ドイツ軍によって村を焼かれ、親を殺…

トスカニーニのベートーヴェン

(写真1 CD全集のパッケージ外装) シンフォニー全曲NBC響で ここのところベートーヴェンづいていて、次から次とバートーヴェンばかり聴いている。特に交響曲。 ということでまずはトスカニーニ。アルトゥーロ・トスカニーニ(1867-1957)は、…

池澤夏樹『また会う日まで』

(写真1 テーブルいっぱいに広げた連載531回分の切り抜き) 朝日新聞朝刊連載小説完結 2020年8月1日から朝日新聞朝刊に連載されてきた池澤夏樹作『また会う日まで』が1月31日付で完結した。1年半に及ぶ連載で、連載回数は531回だった。この…

『探訪 貨車駅舎』

古い貨車を駅舎にした駅巡り 鉄道写真で知られるレイルウエイズグラフィックの編著。だからだろうが、貴重な写真が多く、丁寧な編集が素晴らしい。B5判の大きな誌面に写真とイラストが豊富で、見ていて楽しい。 貨車駅舎とは、鉄道貨物で使用されていた古…

冬の公園風景

(写真1 蝋細工のようなロウバイの花) はなはだ色が少なく冬枯れ 今年の冬は寒い。調べて比較したわけではないが、そのように感じる。あるいは、歳を取って余計にそのように感じるのかも知れない。ついに、早朝のウォーキングは控えて日中暖かくなってから…

iPhone生活

(写真1 iPhone SE外観) 使い慣れるのに手間取る このたびiPhone SE2を購入した。これまでは、携帯電話とスマートフォンの2台を同時に使っていた。振り返ってみれば、かつては、携帯電話は電話専用で、メールを送受信したり、インターネ…

映画『リスペクト』

(写真1 映画館で配布されていた散らしから引用) 極上の音楽エンターテイメント ソウルの女王と呼ばれ史上最も偉大な100人のシンガーの第1位に選ばれた伝説的歌手アレサ・フランクリンの半生が描かれている。アレサを演じたのがアカデミー賞、グラミー…

清水浩史『深夜航路』

午前0時からはじまる船旅 深夜航路とは、著者の定義によれば、深夜帯(午前0時から3時まで)に出航する定期航路のこと。このため、極端なところでは、苫小牧23時59分発八戸行のような22時台や23時台に出航する航路は含めていない。到着や寄港が深…

六町ミュージアム フローラ

(写真1 美術館外観) 足立区の私設美術館 最寄り駅はつくばエクスプレス六町駅。徒歩3分。 開館して10年になるという私設の美術館。 玄関を入るとロビーの大きなガラス窓から中庭の浅く水を張った水盤が見通せる。周囲がすり鉢状に土盛りされていて、芝…

藪本晶子『絶滅危惧動作図鑑』

見かけなくなった動作集 うっかりすると〝絶滅危惧動物図鑑〟と早とちりしてしまうが、こちらは今は見られなくなった動作を集めたもの。 井戸水をくむ、薪を割る、火をおこす、洗濯板で洗う、カツオ節を削る、チャンネルを回す、お風呂をかき混ぜる、切符を…

<ミサ・ソレムニス>

(写真1 <ミサ・ソレムニス>のCDとベートーヴェンTHE COMPLETE WORKSのボックス) ベートーヴェンの荘厳ミサ曲 ベートーヴェンの荘厳ミサ曲である。ソレムニスとは荘厳の意。 ベートーヴェンが作曲した全曲をワーナーのTHE COMPLETE WORKSで毎日聴いてきた…

ベートーヴェン全曲鑑賞

(写真1 ボックスセットの内容。奥がボックス) CD80枚を聴き通す ベートーヴェンが作曲した楽曲すべてを集めたTHE COMPLETE WORKS(作品全集)。CD80枚のボックスセットになっていて、レーベルはワーナークラシックス。 これを毎日1枚ずつ聴いて…

中田ぷう『素晴らしきお菓子缶の世界』

菓子缶に魅入られたコレクション 世の中には様々な趣味があるものだ。これは菓子缶に魅入られた世界。 しかし、本書を読むと理解できる。とにかく様々な形があるものだし、美しいものが多いのである。 菓子缶とは、本来、しけては困るものや形が崩れてはいけ…

SANAA『環境と建築』展

(写真1 展示室の様子=3階) 妹島和世+西沢立衛の建築家ユニット 乃木坂のTOTOギャラリー・間で開催されている。 SANAAとは、共に世界的な建築家である妹島と西沢による建築家ユニット。2004年ヴェネチアビエンナーレ国際建築展金獅子賞、20…

2022年の正月

(写真1 参拝客が少ない浅草寺) 初詣は浅草寺 冬らしい寒い日が続いたが、少なくとも三が日は快晴だった。日当たりのいい部屋にいると日中は暖房が要らないほどだった。 今年の初詣は2日に浅草寺に出掛けた。例年なら参拝客の列が雷門をはみ出して一般道…