ABABA’s ノート

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中田ぷう『素晴らしきお菓子缶の世界』

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菓子缶に魅入られたコレクション

 世の中には様々な趣味があるものだ。これは菓子缶に魅入られた世界。
 しかし、本書を読むと理解できる。とにかく様々な形があるものだし、美しいものが多いのである。
 菓子缶とは、本来、しけては困るものや形が崩れてはいけないようなお菓子を入れておくようなものだろうし、クッキーの缶として身の回りに多い。
 私でも知っているようなものもある。ヨックモックは実際缶入りだし、細長い缶は筆箱として再利用している。なるほど、鳩サブレも缶入りだったし、泉屋のクッキーの缶は郵便入れとして重宝している。それにしてもこの泉屋は随分と数多くの種類の缶を出しているものだと感心するし、銀座ウエストの缶は美しい図柄のものがあって、中身のリーフパイが思わず食べたくなる。
 イギリス、フランッス、イタリア、アメリカの缶も紹介されているが、総じて図柄の豊かさやユニークな形のものが多いようだ。
 本書では菓子缶ということでくくられているが、私が思い浮かべると、お茶や紅茶、コーヒー、せんべいんも缶入りは多い。
 珍しいところでは、タバコのショートピース50本入りは缶入りで、〝ピー缶〟と呼んで親しんでいた。また、龍角散や榮太郎ののど飴も缶入りではなかったか。
  ドロップも缶入りだった。ドロップは総称するとキャンディだろうが、なぜかドロップというと缶入りと連想する。
 私の手元にあるドロップ缶は、東京大学宇宙線研究所が、オープンキャンパスで頒布していたもの。ノーベル賞受賞者梶田隆章教授が所長を務めており、缶の図柄はニュートリノを観測するスーパーカミオカンデの内部を図案化してる。それで、スーパーカミオキャンディと謳っている。科学者にもユーモアがあって楽しい。(光文社刊)

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(写真2 東大宇宙線研のドロップ缶)