ABABA’s ノート

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カラヤンのベートーヴェン

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(写真1 CD全集のパッケージ外装)

〝帝王〟とベルリンフィル

 トスカニーニ、フルトヴェングラーと続いてきたベートーヴェンの交響曲。ついにカラヤンの登場である。
 ベートーヴェンのシンフォニーをカラヤン指揮のベルリンフィルハーモニー管弦楽団が演奏する、言わばクラシックファン垂涎の組み合わせ。しかも、レーベルがドイツ・グラモフォンというからため息が出る。
 ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)は、オーストリア・ザルツブルグの出身。
 20世紀を代表する指揮者であり、〝帝王〟とまで呼ばれ世界的人気が高く、日本でも格別のクラシックファンではなく一般の人でさえも、オーケストラの指揮者と言えばカラヤンというほどにポピュラーな存在。
 CDは、ベートーヴェンのシンフォニー9曲全曲を収めた6枚組の交響曲全集。演奏はベルリン・フィルハーモニー管弦楽団。レーベルはドイツグラモフォン。録音はカラヤンの最盛期といわれる1970年代。
 構成は次の通り。
 CD1:第1番、第4番、エグモント序曲
 CD2:第2番、第7番
 CD3:第3番〝英雄〟、レオノーレ序曲第3番
 CD4:第5番、第8番、フィデリオ序曲
 CD5:第6番〝田園〟、序曲コリオラン、序曲プロメテウスの創造、序曲アテネの廃墟
 CD6:第9番〝合唱付き〟(合唱はウィーン楽友協会合唱団)
 序曲が6曲も入っていて、CDも6枚組となっているのが特徴。
 何度も聴いてきたカラヤンだが、改めてCD1から順に聴いてみると、やはり繊細で緻密な演奏だ。メリハリがはっきりしていてきっちりとしている。歯切れがいいし、澄んだ音色だ。特に第7番が良かった。高音域が特徴で、誤解を恐れずに書けば金属質とも受け止められる。悪く言えば余韻がないと指摘する人もいるかも知れない。音楽用語では何というのか知らないが、フェルマータが短いようだ。あるいは切り返しが早くて尾ひれが短く、音引きが短いとも言えるか。ずぶの素人が生意気なことだが。