ABABA’s ノート

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トスカニーニのベートーヴェン

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(写真1 CD全集のパッケージ外装)

シンフォニー全曲NBC響で

 ここのところベートーヴェンづいていて、次から次とバートーヴェンばかり聴いている。特に交響曲。
 ということでまずはトスカニーニ。アルトゥーロ・トスカニーニ(1867-1957)は、イタリアの指揮者。トスカニーニのベートーヴェンといわれるほどの評価を得ている。20世紀を代表する名指揮者として知られる。オーケストラはNBC交響楽団。これも、アメリカの放送局NBCがトスカニーニのために設立した管弦楽団。言わば、掌中のオーケストラである。
 CDは、「アルトゥーロ・トスカニーニが指揮するベートーヴェン」と名づけられた6枚組の交響曲全集。レーベルはソニーミュージック。
 構成は次の通り。
 CD1:第1番、第2番及びエグモント序曲。
 CD2:第3番〝英雄〟、第4番
 CD3:第5番、第6番〝田園〟
 CD4:第7番、第8番
 CD5:第9番〝合唱付き〟
 CD6:ミサ・ソレムニス
 CD1にエグモント序曲が入っているのはCDの容量の都合だろうが、ミサ・ソレムニスがわざわざCD6に独立して含まれているのは珍しい。なお、CD5の第9番とCD6のミサ・ソレムニスの合唱は、ともにロバート・ショウ合唱団。
 CD1から順に聴いていったが、さすがトスカニーニらしく重厚。これがベートーヴェンだと思わせる迫力あるいい演奏だ。
 私は、音楽に対する格別の造詣があるわけでもなく、いい音楽の耳を持っているわけでもないが、調べてみると、トスカニーニは徹底した楽譜至上主義と呼ばれているらしく、正確なテンポなどはベートーヴェン演奏の規範とまでいわれているという。そのつもりで聴いたからだろうが、なるほどすみずみまで音が張り詰めている。
 ずぶの素人がこんなことを書くと笑止千万と言われそうだが、第8番の演奏が特によかったように思われた。9曲の中では地味な存在だが、それでも、トスカニーニにかかると名曲になるから素晴らしい。
 ただ、CDの中には録音の良くないものがあった。1949-1953年の録音というから致し方ないのかも知れない。もっとも、私が使用しているCDステレオシステムの性能が良くないせいかもしれないが。