ABABA’s ノート

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アーノンクールのベートーヴェン

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(写真1 交響曲全9曲を収録した5枚のCD。奥は80枚のCDボックス)

ベートーヴェンを熟知

 ニコラウス・アーノンクール(1929-2016)は、オーストリアの指揮者,チェロ奏者。古楽器の研究、演奏でも知られる。ベルリン・フィルやウィーン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(ちなみに、この三つが世界三大シンフォニーオーケストラ)、ヨーロッパ室内管弦楽団などでも指揮してきた。
 手元にあるCDは、CD80枚というベートーヴェンのTHE COMPLETE WORKS(作品全集)のボックスに収録されているCD1からCD5までの5枚が交響曲。
 構成は次の通り。
 CD1:第1番、第3番〝英雄〟
 CD2:第2番、第5番
 CD3:第4番、第7番
 CD4:第6番〝田園〟、第8番
 CD5:第9番〝合唱付き〟
 演奏は、ヨーロッパ室内管弦楽団。本拠地ロンドン。略称COE。第9番の合唱は、アーノルト・シェーンベルク合唱団。ウィーンに本拠を置くプロの混合合唱団。コーラスのチーフ・コンダクターはアーウィン・オルトナー。オーケストラのみならずコーラスもハーノンクールとは密接な関係があり、アーノンクール指揮で最優秀合唱パフォーマンス部門でグラミー賞を受賞している。
 チャンバー・オーケストラという先入観からかややおとなしい演奏のように感じられた。また、アーノンクールが伯爵という貴族の出身という思い込みもいっそうそのように感じさせたのもかも知れない。
 レーベルはロンドンのワーナークラシックスだが、レコーディングが1990-1991と集中して行われたようで、とてもいい仕上がりになっているように見受けられる。
 指揮者のアーノンクールと演奏したオーケストラCOEとの組み合わせも信頼関係が高かったようで、すみずみまで張り詰めた演奏になっていた。
 強いてまとめれば、9曲の中では第4番の演奏が良かったように思われた。素人があてずっぽうなことだが。