(写真1 CD全集のパッケージ外装)
ワーナーがレーベルの交響曲全集
ベートーヴェンの交響曲。トスカニーニに続いてフルトヴェングラー。
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(1886-1954)は、ドイツの指揮者。20世紀を代表する指揮者とされ、しばしばトスカニーニと並び称された。日本での人気も高く、クラシック音楽の指揮者の代名詞のような存在ではなかったか。ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナー等のドイツ音楽の本流を得意としたということである。
CDは、ベートーヴェンのシンフォニー9曲全曲を収めた5枚組の交響曲全集。レーベルはワーナークラシックス。
構成は次の通り。
CD1:第1番、第3番〝英雄〟
CD2:第2番、第4番
CD3:第5番、第7番
CD4:第6番〝田園〟、第8番
CD5:第9番〝合唱付き〟
オーケストラは大半がウィーン・フィルハーモニー管弦楽団だが、中には、第8番がストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、第9番はバイロイト祝祭管弦楽団で、合唱もバイロイト祝祭合唱団だった。一つの全集に異なるオーケストラが混ざるのは好まないので残念だった。
CD1から順に聴いていったが、さすがフルトヴェングラーらしくいかにも重厚。トスカニーニのあとに続けて聴いたせいでなおさらだろうが、ゆったりとして堂々としている。演奏に伸びやかさを感じる。オーソドックスにも思える。特に第4番が印象的だった。日頃、4番には関心が行き届いていなかったので率直に驚いた。
ただ、音の良くないCDがあった。特にCD2の第2番、CD4の第8番がひどかった。録音が古いのはいまさら致し方ないが、全集の値段が格安だったので諦めざるを得ない。
なお、日本には、日本フルトヴェングラー協会(1969年創立)や1995年設立の東京フルトヴェングラー研究会にはオーケストラ部門まであって演奏を行っているようだし、フルトヴェングラー・センター(2003年設立)という文化団体もあると言った具合で熱烈な好事家が多いようだ。