ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

長浜鉄道スクエア

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(写真1 現存する日本最古の鉄道駅舎)

鉄道博物館

 このたびの信楽への旅では、前日までに米原に入り、長浜と彦根をぶらついた。
 長浜は、米原から北陸本線でわずか3駅目9分。琵琶湖の北東部にあり、羽柴秀吉が築いた長浜城の城下町である。北陸本線・東海道本線で彦根、京都、大阪と新快速電車が直通している。
 また、長浜は、鉄道の要衝であり、東海道本線が全通するまでは鉄道連絡船が長浜と-大津の間を結んでいた。
 長浜駅から徒歩数分。まるで隣接するように長浜鉄道スクエアががあった。スクエアは旧長浜駅舎や長浜鉄道文化館、北陸線電化記念館などで構成される鉄道博物館となっている。
 旧長浜駅は、鉄道の要衝として北陸線(旧敦賀線)の起点駅であり、長浜-大津間の鉄道連絡船の駅として1882年に開業したもので、保存されている旧長浜駅舎は現存最古の鉄道駅舎であり、第1号の鉄道記念物に指定されている。
 旧長浜駅舎は、コンクリート仕上げの外壁で、鹿鳴館調の建築様式が珍しい。保存状態も良く、数々の鉄道遺産が保存されている。

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(写真2 長浜-大津間を結んでいた渡船時刻表)

 興味深いのは太湖氣船會舎「渡船時刻表」で、明治十九年三月十五日改正とあり、長浜出帆が午前九時三十分、午後四時三十分、午後十時で、大津出帆は午前八時、正午十二時、午後十時とあり、運賃は下等参拾五銭、中等五拾五銭、上等八拾銭となっている。ある研究によると、長浜-大津間は約2時間を要してたという。現在なら、電車で65.8キロ、約1時間のところである。湖上なら、大雑把だが直線距離で55キロか。
 なお、鉄道連絡船は1889年(明治33年)東海道本線の全通に伴って廃止となっている。

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(写真3 北陸線電化記念館に展示されているED70形機関車)

 また、北陸線電化記念館にはD51形793号蒸気機関車とED70形機関車が並んで展示されている。米原-福井間は険しい山地を越えており、急坂やトンネルが多く、蒸気機関車では輸送力が落ちていて早くから電化、複線化が進められてきた。1957年には当時日本最長だった北陸トンネルが開通して福井まで電化が完成した。
 なお、長浜駅正面には長浜城址があり、天守が復元されている。

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(写真4 現在の長浜駅外観)