ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

神戸市営地下鉄全線に乗る!

全国全鉄道全路線全二周への旅

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(写真1 神戸市営地下鉄路線図=ホームページから引用)

3路線38.1キロ

 名古屋、京都、大阪と乗って地下鉄踏破も4日目は神戸市営地下鉄全線。
 神戸の地下鉄は、路線構成がややこしい。線区の区分上は山手線、西神線、西神延伸線、北神線、海岸線の5路線なのだが、運行の実体上は2路線に集約できる。
 西神・山手線は、山手線=新神戸-新長田間、西神線=新長田-名谷間、西神延伸線=名谷-西神中央間から構成されており、全長22.7キロ、これに北神線=新神戸-谷上間7.5キロを加えて谷上-西神中央間4路線が一体運行されている。路線記号もSに統一されており、駅番号も谷上のS1から西神中央のS17まで連続している。
 これは、路線の発展過程が違うからで、特に北神線はかつての北神急行電鉄北神線を神戸市営に吸収したものだし、西神延伸線も西神・山手線とは利用した補助金制度の違いから独立した路線名を持っている。よそから訪れた利用者からしてみれば〝山手線〟なりに統一してみてはどうか思う。、
 なお、海岸線はまったく独立した系統で、他の路線との直通運転はされていない。これは、鉄輪リニアを採用しており、乗り入れが出来ないのである。

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(写真2 谷上駅。有馬温泉へ15分、新神戸へ8分と案内されている)

 西神・山手線、北神線(谷上-西神中央30.2キロ) S01谷上から乗ってみよう。地上駅で、神戸電鉄有馬線と接続しており共同使用駅。北神線が北神急行から神戸市営地下鉄に組み込まれたことによって、仙台市地下鉄東西線八木山動物公園駅を抜いて地下鉄駅として日本最高地点となった。標高は244メートル。

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(写真3 谷川駅4番線に停車中の神戸市営地下鉄西神中央行き)

 いかにも山間の駅という様相で、有馬温泉へ15分、新神戸へ8分と駅舎の外壁に大きく書かれている。6番線までホームがあり、1-3番線が神戸電鉄で、北神線は4-6番線。4番線の9時41分西神中央行きに乗車。三田方面から3番線に到着した乗客が多数乗り換えた。3番線と4番線は同じホーム。
 谷上を出るとすぐにトンネル。六甲山を貫いており、8分で新神戸。新神戸は新幹線のみで、在来線はない。ここから西神・山手線の区間。

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(写真4 三宮駅改札口。自動改札機がずらり並んでいる)

 乗っていてもわかるほどに下りっぱなしでやがて三宮。もとより神戸の中心で、JR、阪急、阪神が乗り入れている。なお、JRの駅名は三ノ宮。歴史的な理由があるのだろうが、どうも関西では、大阪駅を梅田駅といったりJRとの違いを強調したいように思われてならない。ちなみに、阪急と阪神は神戸三宮駅である。
 三宮を出ると、西へと向かい、長田を経て新長田で右折し再び北上する。新長田では山陽本線と接続し、次の板宿では山陽電鉄と接続している。なお、地図で見ると、山陽電鉄に直通する高速神戸線は神戸三宮から長田まで西神・山手線とほぼ並行していることがわかる。神戸高速線も地下を走っている路線だが、こちらは阪神から山陽へと直通運転列車が運行されている。

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(写真5 名谷車両基地付近)

 名谷(みょうだに)からが西神延伸線で、地上区間が続く。谷をいくつも渡っている様子で、地下鉄とは思われないような沿線風景だ。名谷を出ると車両基地が左に見えた。このあたり、地下鉄なのに山陽新幹線の上をまたいで走っているらしい。

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(写真6 西神中央駅改札前通路。駅ビルになっている)

 そうこうして西神中央。10時22分着。谷上から41分だった。西神ニュータウンの中心で、駅前にはいかにもニュータウン風の街路が広がっていた。

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(写真7 改札内に置かれていたピアノ)

 なお、改札内のコンコースはとても広いもので、改札口からは最も離れた奥まったところにピアノが置かれていた。いわゆる〝駅ピアノ〟というもので、ご自由にお弾きくださいとあった。それで、周囲には誰もいないようだったし1曲弾いてみた。もっとも、楽譜なしでは1曲しか弾けないのだが。

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(写真8 新長田駅地上出入口)

 海岸線(新長田-三宮・花時計前7.9キロ) 西神中央で折り返し、新長田で海岸線に乗り換え。新長田はJRと接続している。その名の通り海岸寄りを走る路線で、他の路線とは系統がまったく異なり、鉄輪式リニアを採用している。車両はやや小さい。4両編成。

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(写真9 新長田に停車中の海岸線三宮・花時計前行き列車)

 西神・山手線から海岸線に乗り換える通路の途中には、〝鉄人、原寸大〟という大きなパネルが掲示してあった。

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(写真10 〝鉄人、原寸大〟のパネル)

 11時10分発。新長田を出ると、和田岬などを経て三宮・花時計前11時25分着。わずか15分の短い路線である。地上に出ると、100メートルほど先に三ノ宮の高架が見え、地下街が続いていた。反対方向には市役所の建物が見えた。

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(写真11 三宮・花時計前から三ノ宮駅の高架を望む)

 なお、終点まで乗った後、途中の和田岬までとって返してみた。地上に出るとJR和田岬線の和田岬駅が隣にあった。駅舎はなくホームがあるだけだった。周辺は三菱重工神戸造船所などの工場群で、和田岬線は朝夕の通勤時間帯のみに運行されている路線。久しぶりに乗ってみたいと思ったのだが、日中のこととてやはり列車の運行はなかった。かつて2度乗ったことがあるのだが、初めて乗った平成6年3月1日の折には、車両に座席は一つもなく、満員の乗客は黙々と立っていた。2度目に乗ったときには座席は付いていた。わずか一駅2.7キロの区間。

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(写真12 駅舎はなくホームがあるだけのJR和田岬駅)

 結局、神戸市営地下鉄の乗車は、3路線合計して1時間44分となった。当初計画では1時間49分だったから、ここでもほぼ計画通りの進行となった。多数の乗換がありながらこの精度の高さは誇れるのではないか。まあ、年中、時刻表を広げ、鉄道に乗っているからではあるが。ただし、この計算式は私が開発したノウハウではある。

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(写真13 神戸市営地下鉄1日乗車券)

 以上で、4日間に渡った名古屋、京都、大阪、神戸4市地下鉄全線全2周が完了した。
 なお、札幌、仙台、東京メトロ、都営、横浜、福岡の各地下鉄はすでに全線全2周乗車を完了しており、これによって日本の地下鉄は全線全2周乗車を達成したことになる。(2021年10月15日)