ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

名古屋市営地下鉄全線に乗る!②

全国全鉄道全路線全二周への旅

f:id:shashosha70:20211021191836j:plain

(写真9 名古屋市交通局発行の「地下鉄全線24時間券」)

ユニークな〝24時間券〟の設定

 環状線である名城線を乗り終えて残るは鶴舞線と東山線。

f:id:shashosha70:20211021191934j:plain

(写真10 八事駅鶴舞線ホーム)

 鶴舞線(上小田井-赤池20.4キロ) 名城線の八事で鶴舞線に乗り換え。13時36分発。名古屋の東方郊外へ向かう路線で、そうこうして終点赤池着。13時45分着。地下鉄としてはここまでだが、そのまま名鉄豊田線に直通運転されている。

f:id:shashosha70:20211021192018j:plain

(写真11 鶴舞線赤池駅前の様子)

 赤池駅前は郊外の住宅地の様相で、名古屋市をはずれ、日進市所在。近くには名門名古屋ゴルフ倶楽部がある。いわゆる和合コースとして知られ、何度かプレーをしたことがあるが、大変難しかったと記憶している。

f:id:shashosha70:20211021192056j:plain

(写真12 鶴舞線起点上小田井駅)

 

f:id:shashosha70:20211021192201j:plain

(写真13 上小田井駅ホーム。左が鶴舞線、右が名鉄名古屋、豊橋方面)

 上小田井行きに折り返し。14時23分発。途中、上前津、伏見、丸の内と都心を抜け庄内川を渡るとやがて上小田井。15時00分着。そのまま名鉄犬山線に直通運転されている。地上駅。これで鶴舞線も片付いた。

 東山線(高畑-藤が丘20.6キロ) ここもすぐに折り返し伏見で東山線に乗り換え。路線番号が1号線というように名古屋市営地下鉄で最も古い路線。1957年11月15日開業。名古屋の東西を横断する路線で、名古屋市営地下鉄中最も営業収益が高くドル箱路線である。特に名古屋-今池間の混雑が激しく、並行する桜通線はこの混雑緩和のためのバイパス線ではないかと思われるほど。
 伏見15時25分発、10両編成。他の路線が6両4両だったから、東山線の乗客数の多さがうかがい知れる。
 なお、東山線は軌間1435ミリの標準軌である。しかし、第三軌条方式を採用しており、車両断面はやや小ぶりとなっているようだ。他に名城線、名港線が同様である。この3線は開業年が古い。
 これに対し、その後出来た鶴舞線、桜通線、上飯田線は軌間1067ミリの狭軌である。これは鶴舞線においては両端で名鉄と、また、上飯田線も名鉄と相互直通運転を行っており、名鉄の軌間に合わせたものとなっている。

f:id:shashosha70:20211021192348j:plain

(写真14 東山線藤が丘駅改札口)

f:id:shashosha70:20211021192425j:plain

(写真15 左が藤が丘駅前リニモ乗り口。右奥は東山線)

 伏見を出ると栄、千種、今池、本山などと東へ東へと走っていく。一社を出て地上に出た。上社からは3駅続けて地上を走った。そうこうして終点藤が丘15時50分着。郊外ながら大変開けた様子で、リニモと接続している。
 ところで、乗車してしばらくしてから気がついた。乗った車両が女性専用車両だったのである。特にアナウンスはなかったようだし、隣の女性も特に注意してくれなかった。もっとも、こちらはすでに枯れた老人だから気にもしなかったのかも知れない。途中で気がついて隣の車両に移動した。この東山線の女性専用車両の設定は終日というもので、朝夕の混雑時間帯を女性専用とする路線は少なくないが、終日というのは珍しくはないか。
 藤が丘から折り返し、16時08分発。名古屋を経て高畑へ。高畑は名古屋市街の西に位置し、途中、八田でJR関西本線と近鉄名古屋線にクロスした。16時50分到着。これで名古屋市営地下鉄全線乗車完了。名古屋は何度も訪れていて、とぎれとぎれにはあちこちを乗ってはいるのだが、全線を乗り切るというのはこれが二度目だった。

f:id:shashosha70:20211021192511j:plain

(写真16 東山線高畑駅地上出入口)

f:id:shashosha70:20211021192549j:plain

(写真17 高畑駅前地上交差点にあるオブジェ。文化勲章受章者北村西望「無限」)

 ところで、このたびの名古屋市営地下鉄全線踏破にあたっては、乗車順序を慎重に検討した。それで、東京の地下鉄などでの経験をもとに、ブロックごとに近い路線を組んでいくのではなく、一つの路線は乗り通してしまうというやり方を選んだ。行ったり来たりして一見無駄な時間が多いようにも思われるが、結果的にはこの方が効率的なのだった。なお、起終点では必ず改札を通り地上に出てみた。せめて、起終点だけでも地上の風景を見てみたいものだった。
 それで、順路をあらかじめ設定しておいた。一番いけないのは行き当たりばったりすることなのだ。
 この結果、路線数6、営業距離93.3キロ、駅数87駅の名古屋市営地下鉄全線を完乗するには、乗換回数が15回となり、乗車時間は乗換時間も含めて437分=7時間17分と計算した。
 結果的には、要した時間は、9時20分に中村区役所出発し、高畑に到着した16時50分は、7時間30分となった。誤差わずかに13分はものすごい精度ではないか。わずかな狂いは、上飯田で昼食を取ったにもかかわらず、赤池でも長い休憩を取ったことだった。まあ、許容範囲だが。
 名古屋市営地下鉄のまとめ
・名古屋で地下鉄は発達している。どの路線もまんべんなく乗客がいる。平日の日中でもほどよく混んでいる。
・運転本数が多く、待つというストレスを感じることがない。市民の足として機能している。
・名鉄とじょうずに相互直通運転を行っている。
・車両はピカピカの新車ばかりではないが、清掃が行き届き磨き込まれ清潔だ。
・路線によってはワンマン運転を行っているなど合理化が施されている。
・終点ではバスターミナルとなっているところが藤が丘や赤池などあって、同じ市営交通の連携が図られており、電車とバスのトランジットが機能していた。
・トイレが改札口の近くにないところがほとんどだった。改札外というのもあった。
・エスカレータには下りがない駅が大半だった。エレーベータも地上まで届いていなかった。
・名古屋市営地下鉄の一日乗車券は「24時間券」というユニークなもの。最初の改札を通った時刻から24時間が有効なのだ。日にちをまたいでもいいわけで、使い勝手がいい。760円。(2021年10月12日)

f:id:shashosha70:20211021192635j:plain

(参考 名古屋市営地下鉄路線図)