ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

近藤健児/久保健『クラシック偽作・疑作大全』

名曲は名曲だが 偽作とは、真の作曲者が別人と判明している作品のこと。疑作とは、真の作曲者が他人かもしれないと疑われている作品のこと。 18世紀までは売らんがために勝手に有名作曲家の名前をつけて別人の楽譜を出版するなど、ずさんなことが平気でな…

しずくいし夏の音楽祭東京公演2022

ミューゼシード・イン・ムジカーザ コロナ下のこと、開催自粛が続いていて今年は4年ぶりの開催。 そもそも「しずくいし夏の音楽祭」とは、岩手県雫石町で毎年8月に開催されている室内楽を中心とした音楽祭で、東京公演はその出演者たちによるもの。主催者に…

浦賀水道 海峡の町

日本海峡紀行 (写真1 燈明堂に近い浦賀港の港口) 浦賀水道を渡る④ 海峡は、海峡を渡ることがまずは魅力だが、海峡の町も楽しみ。 三浦半島側は横須賀であり、房総半島側は金谷である。 このたびの浦賀水道二日がかりとなった海峡の旅では、途中、横須賀に…

浦賀水道四つの岬・灯台

日本海峡紀行 (写真1 洲埼灯台から見た三浦半島) 浦賀水道を渡る③ 浦賀水道を囲む四つの岬・灯台。1日目に三浦半島の剱埼灯台と観音埼灯台を訪ね、2日目には房総半島の洲埼灯台と富津岬を踏破した。洲埼灯台 三浦半島久里浜港から東京湾フェリーで房総半…

浦賀水道の灯台と岬

日本海峡紀行 (写真1 浦賀水道を航行する船舶) 浦賀水道を渡る② 三浦半島と房総半島に挟まれた浦賀水道には、取り囲むように四つの岬・灯台がある。 三浦半島側には、剱埼灯台と観音埼灯台、房総半島側には洲埼灯台と富津岬である。なお、富津岬には灯台は…

浦賀水道を渡る

日本海峡紀行 (写真1 浦賀水道を渡るフェリーの航跡) 東京湾と外洋をつなぐ海峡 東京湾に海峡があるとはちょっと想像もできにくい。もちろん、水道も瀬戸も海峡のうちという意味においてだが、湾内に海峡があるものかとも思う。それなら海峡とは何かとい…

2022国際ウエルディングショー盛大に開幕!

(写真1 盛況の会場) イノベーション進む 2022国際ウエルディングショー(日本溶接協会・産報出版主催)が、昨日7月13日東京ビッグサイトで開幕した。会期は16日までの4日間。 国際ウエルディングショーは、溶接・接合、切断に関する世界的な展示…

マリリン・スコット『アクリル画バイブル』

画材・色・表現技法のすべてがわかる ここのところアクリル画作品を見る機会が多くて、アクリル画とはどういうものなのかその基礎が知りたかった。もっとも、アクリル画を描いてみたいというようなことではなかったのだが。 アクリル絵の具は、化学製品の副産…

村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』

LPの膨大なコレクション 村上春樹といえば、LPの膨大なコレクションで知られ、ジャズやクラシックに造詣が深い。 高校時代からLPの蒐集が始まったようで、そのコレクションは1万5千枚というから驚く。コレクションは1960年代半ばから。 村上のコ…

橋本正三『駅舎国鉄時代1980's』

2062の駅舎写真 1980年代の国鉄駅舎が紹介されている。併せて私鉄の駅も一部挿入されている。 JRは旅客の利便性向上などを目的に積極的に設備投資を行い駅舎の新築改築を行ってきたから、今となっては国鉄時代の駅舎は貴重なほど。 それにしても、…

『探偵の誇り』

推理作家協会賞受賞作家傑作短編集 70年を超す歴史を有する日本推理作家協会賞。その受賞作のラインナップは、戦後日本のミステリー界の動向そのものだ。 本書は、その推理作家協会賞受賞作家6人の短編集。 その顔ぶれがすごい。坂口安吾や横溝正史から高…

とんかつ やまいち

(写真1 やまいちの入口) 極上の特ロースかつ 神田須田町一丁目所在。丸ノ内線淡路町駅、都営新宿線小川町駅から徒歩数分。靖国通りから南へ多町通りを少し入ったところ。玉井ビル1階。 とんかつの名店に数えられる店。私は初めてだったが、同行者が馴染…

佐高信『当世好き嫌い人物事典』

私の出会った人 「私の出会った人」と題しメールマガジンまぐまぐに連載されていた124人が再録されている…… と、わかったのは読み始めてからで、本書を手に取るまでは佐高一流の辛口の人物評かと期待していたものの、実際は、軽めの交遊録みたいなもの。 …

魅力的なMOMATコレクション

(写真1 松本竣介の絶筆<建物>) 東京国立近代美術館の所蔵作品 東京国立近代美術館(略称MOMAT)は、近現代に関し国内最大級のコレクションを誇り、所蔵作品は13,000点を超す。作品の入れ替えをしながら年に数回コレクション展を行っていて、重…

石川祐基『日本のもじ鉄』

鉄道サインと書体の図鑑 鉄道の駅名標や駅舎看板、出口案内や構内のサインなどに使われているデザインと書体を集めた図鑑。 全国201の路線が収録されており、何とケーブルカーや貨物線までも網羅しているという徹底ぶり。 JR東日本については渋谷駅の駅…

原田マハ『常設展示室』

絵画と人生が交差する6つの物語 『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』『デトロイト美術館の奇跡』の系譜につながる、著者得意の絵画をモチーフにした短編集。 6編が収められており、ピカソ<盲人の食事>の「群青」、フェルメール<デルフトの眺望>の「デ…

清水浩史『楽園図鑑』

日本の絶景無人島 楽園は、島にこそあるのではないか。とりわけ日本にあまた存在する無人島は、楽園そのものではないか。 こうして、著者は37の島に渡っている。そこはどういう島だったのか。果たして楽園だったのか。これらの島々は、人口0人はもとより…

梅雨空の花

(写真1 梅雨時を代表する花アジサイ) タイサンボクもタチアオイも 梅雨の季節の花といえばアジサイ(紫陽花)。それこそ我が家の庭にも咲いているほどで至るところで見かける。様々な色があるが、ラピスラズリのようなブルーが好きだ。なお、色は土質の酸…

銀座で坂本務展

(写真1 会場で作品を背景に坂本務さん) パステル画の鮮やかさ 銀座の新井画廊で開かれている。 会場に入ると、明るい色彩が目に飛び込んできた。実に鮮やか。30点ほど展示されていたが、すべてアクリル画。キラキラと輝いている。 坂本さんは、1950…

金沢の国立工芸館

(写真1 金沢にある国立工芸館の美しい外観。左・旧陸軍第九師団司令部庁舎、右・旧陸軍金沢偕行社) 未来へつなぐ陶芸展 このたびの金沢滞在中見学した。 兼六園に隣接してあり、真弓坂口の脇から広坂をゆっくり登っていくと県立美術館の隣りだった。 大変美…

梅雨入り直前の金沢

(写真1 土塀が建ち並ぶ長町武家屋敷) 戻った観光客 先週は金沢へ旅行した。金沢は1年半ぶり。梅雨入り直前で天気予報では3日間とも雨のようだったが、晴れ男の面目躍如、降ったりやんだりながら、結局、滞在中には傘はささずに済んだ。 金沢はとてもに…

まるで川のような狭水道音戸の瀬戸

日本海峡紀行 (写真1 音戸の瀬戸。手前が音戸大橋で、奥が第二音戸大橋) 呉港と安芸灘を最短で結ぶ 瀬戸とは、狭い水道のこと。つまり、瀬戸も水道も海峡である。 音戸の瀬戸は、広島県呉市の本州側と対岸の倉橋島との間の水道。平清盛が開削したという言…

生活の中の尾道水道

日本海峡紀行 (写真1 千光寺の展望台から見下ろした尾道水道) まるで〝箱庭〟のような美しさ 尾道水道は、尾道そのもの。尾道水道なくして尾道の町はなかったわけで、町の中に水道をかかえているようなものだし、こういう海峡と町との関係は少ない。 尾道…

自転車で船でバスで来島海峡

日本海峡紀行 (写真1 来島海峡大橋から眼下に見た来島海峡。潮流の様子もわかる) 3度も渡って楽しめる海峡 このたびの海峡巡りでは、来島海峡は3度渡った。つまりどういうことかというと、海峡は船で渡りたいものだが、初めは自転車で渡り、次に船で渡…

不思議のクダコ水道

日本海峡紀行 (写真1 クダコ水道の中央に位置するクダコ島。頂上にはクダコ島灯台) 海軍と水軍の航路 瀬戸内海西部地域の海峡巡りを計画していたところ、クダコ水道なる地名を見つけた。地元ではつとに知られた名前なのだろうが、私には浅学にして知らな…

釣島海峡と釣島灯台

日本海峡紀行 (写真1 眼下に釣島灯台と釣島海峡を望む) 連合艦隊の海峡 釣島(つるしま)海峡とは、瀬戸内海の西部、斎灘(いつきなだ)と伊予灘を結ぶ海上交通路。愛媛県松山市の沖合、興居島(ごごしま)と中島との間に位置する。 かつて、広島県呉市の…

豊麗な瀬戸内海

日本海峡紀行 (写真1 瀬戸内海の西端関埼灯台からの展望) 数多くの海峡が結ぶ 瀬戸内海は、東は紀伊日ノ御碕灯台と蒲生田岬灯台を結んだ線、西は佐田岬灯台と関埼灯台を結んだ線の内側で、国際的にはこの範囲が瀬戸内海とみなされている。 東西に約450…

デイヴィッド・ロス『世界の美しい灯台』

224基の写真集 灯台の魅力とは、灯台そのものが美しい造型を持つなど興味深い特徴を有していることや、灯台のある場所が独特の景観の中にあり美しい風景となっていることなどであろうか。また、灯台の放つ光そのものにも大きな魅力があろう。 本書は写真…

映画『クレッシェンド』

(写真1 映画館で配布されていたチラシから引用) パレスチナとイスラエル 今も紛争の絶えないパレスチナとイスラエル。永遠に和平の道は開けないのか。 この二つの国の若者たちを集めてオーケストラを結成しようとする物語。奇跡のようなプロジェクトだが…

戸田泰生画『往来』

(写真1 戸田泰生画『往来』) 第88回旺玄展出品作 戸田さんの公募展への出品が続いている。10日ほど前に純展に『山麓』を出品していたばかりだったが、このたびは旺玄展へ出品していた。その2枚の絵の画風がまったく異なることにまずは新鮮に驚くとと…