ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

春は名のみの~

(写真1 白梅の花)

早春賦の世界

 今年は〝春は名のみの~〟とまだ歌わないわね、と家内が言う。
 なるほど、春が近づくと「早春賦」を口ずさむのはいつものこと。立春は過ぎたが、今年はことのほか寒いからウグイスではないが歌は思えど声もたてない。
 久しぶりに散歩に出た。梅の花が咲いていた。赤い梅、白い梅。弱いが香りもする。春が近づいてきたと感じる。

(写真2 赤い梅の花)

 梅が咲き始めると次の句を思い浮かべる。
 梅一輪 一輪ほどの暖かさ
 芭蕉の高弟服部嵐雪の句で、待ちわびた春の近いことを思わせて味わいがある。
 ロウバイも咲いていた。もっと早くに咲いていたはずだが、今年は閉じこもっていたからこれまで気がつかなかった。和菓子のような甘ったるい香りがいい。透明感のある花びらはその名の通り蝋細工の趣があり、寒さに凍えて何やら痛々しくもある。

(写真3 ロウバイの花)

 もっと足を伸ばせば、沈丁花なども見つけられたのかもしれない。