ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

北越急行ほくほく線の今

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(写真1 シアター列車「ゆめぞら」ではトンネル内で美し映像が天井に映写されていた)

高いスペックを生かす

 長野からは、かつての信越本線であるしなの鉄道北しなの線とえちごトキめき鉄道妙高はねうまラインで直江津に出て、北越急行ほくほく線で越後湯沢に向かった。越後湯沢からはさらに上越新幹線で長岡へ乗り継いだから、単純に直江津から長岡へ向かうだけなら信越本線1本で乗り通した方が先着できるのだが、ここはほくほく線に乗ってみたかった。
 北越急行ほくほく線は、線区としては、上越線の六日町と信越本線の犀潟を結ぶ59.5キロの路線だが、大半の列車は越後湯沢と直江津発着の運行ダイヤとなっている。
 そもそもは、首都圏から北陸への短絡線として建設され、特急はくたかが越後湯沢と富山・金沢間を頻繁に往復していた。しかも、高いスペックで建設された路線であり、一時ははくたかの最高速度は160キロにも達していた。
 しかし、北陸新幹線の開業によって、首都圏と北陸を結ぶ路線としての使命は終えており、ほくほく線の現状はどうなのか非常なる関心があった。

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(写真2 直江津駅で発車を待つほくほく線列車)
 1月28日、直江津15時05分発越後湯沢行き。2両の電車ワンマン運転。乗客は日曜の夕方でもあるからちょっと少なくて1両に10人程度。
 二つ目犀潟から信越本線と別れほくほく線に入った。おそらく一面の田んぼなのであろう、雪に覆われているからまるで雪原のようだ。
 大地いこいの森を出て長いトンネルに入ったら天井に美しい映像の映写が始まった。シアター列車「ゆめぞら」というイベント列車だったのである。このイベントは長いトンネルに入るつど行われ、花火や宇宙、星座、海中などの模様が映写された。とても美しい映像で、5本ほど映写されていたか、長いトンネルが多かったから楽しく車中を過ごすことができた。
 また、このほか、越後湯沢-直江津間84.2キロを何とわずか57分で結ぶ超快速スノーラビットが運転されている。おそらく在来線としては表定速度で日本最速であろう。途中の停車駅は十日町だけである。

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(写真3 雪原に鉄路が伸びるほくほく線)
 豪雪地帯だが、当初から想定されて建設されたせいか、膨大な積雪が見られたが、多少の雪ではびくともしないようだった。
 十日町になって乗客が一気に増えた。沿線中随一の都市だし、飯山線との接続駅であって、越後湯沢との間は多客区間となっているようだった。
 六日町から上越線に入り、そうこうして越後湯沢16時28分の到着だった。直江津からは1時間23分だった。
 特急はくたかが走っていた時代は、全国の第三セクターの中でも優等生だったが、特急列車が走らなくなっても、越後湯沢と直江津を結ぶという短絡線としての位置づけは残っており、列車運行上にも様々なアイディアが盛り込まれており、健全な発展を期待したいものだと思われた。

 

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<おまけ=しなの鉄道とえちごトキめき鉄道の分岐点妙高高原駅では駅名標がすっぽり雪に覆われていた>