ABABA’s ノート

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東成田線/芝山鉄道線

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(写真1 芝山千代田駅ホームから見た成田空港)
日本一短い鉄道会社
 東成田線は、京成成田駅と東成田駅を結ぶ京成電鉄の鉄道路線。また、芝山鉄道線は、東成田線との共用駅である東成田駅と芝山千代田駅を結ぶ芝山鉄道の鉄道路線で、両線は相互直通運転されており、ほぼ一体となった運行がなされている。なお、芝山鉄道は普通鉄道としては保有する路線が日本一短い鉄道会社である。

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(写真2 京成成田駅。東成田線としては起点駅である)
 11月10日。京成成田駅。京成線はその名の通り東京と成田を結ぶ路線として発展してきたもので、京成成田駅は成田山参詣への玄関口であり、近年では都心と成田空港を結ぶ路線としての位置づけも大きい。広場に面してJR成田駅と近接している。
 京成成田駅は3面5線のホーム。東成田線は基本的には2番線からの発着。芝山千代田からの列車が到着しそのまま折り返し運転となった。
 11時12分の発車。6両編成。芝山千代田行きで、列車の行き先表示には「(東成田)芝山」と表示が出ていた。平日の日中のせいか、乗客はちらほらする程度。発車して数分するとトンネルが見えてきてその直前で成田空港へ向かう京成本線が左に分岐していった。このあたり駒井野信号場と呼ばれるが、京成成田駅との間は本線と東成田線との重複区間である。
 トンネルに入ってすぐに東成田到着。現在のようにターミナルまで延伸されるまではこの駅がかつての京成本線の終着駅であり成田空港駅だった。現在は旅行者で利用する者がいるかどうかはわからないが、ここから第二ターミナルまでは地下通路で500メートルほどである。2面4線のホームがあるが、1面2線は使われていないようだった。
 東成田線としては、京成成田-東成田間は起点終点だけの区間で、全線7.1キロの短い路線。しかも、本線との重複区間である京成成田-駒井野信号場間を引くとわずか1.1キロに過ぎない。
 東成田駅は東成田線と芝山鉄道線の共用駅だが、列車は両線を通しで運転しており、運転士の交代なども行われていなかった。また、芝山鉄道線に入ると単線になった。
 東成田を出た芝山鉄道線は次の芝山千代田駅が終着駅。到着直前に地上に出たが、右窓には成田空港の施設が広がっていて、多くの航空機が発着したり駐機したりしていた。
 わずか一駅だけの区間ということになるが、全線2.2キロに過ぎず、普通鉄道の鉄道会社の中では、日本一保有する路線が短い鉄道である。
 結局、下車したのはわずかに4人だけ。駅に降り立つと、駅のすぐ右手は高いフェンスで囲まれた空港施設で、ちょっとのぞこうとしたが、すぐさま警備員に注意された。
 そう言えば、この路線に乗るのはこれが二度目だが、随分昔になるが初めての折には、列車にも警察官が乗務していて、厳重な警戒だった。このたびはその警察官の乗務はなかったから、成田問題も緩やかになったのだろう。
 駅前には、大きな埴輪があったが、ここは芝山古墳に近く、古墳博物館などもあるところ。弥生時代の人たちはとんでもないものができたものだと地中で驚いているのではないかと思われた。
 そもそも芝山鉄道は、空港建設によって分断されることになる住民の救済措置として敷設されることになったもので、2002年10月27日東成田線を延長する形で開業したもの。
 列車は、日中は京成成田との往復運転ばかりで、朝夕の時間帯には京成本線を通じて上野行きや都営地下鉄への乗り入れ列車も数本だけだが運転されている。

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(写真3 芝山鉄道芝山千代田駅)