ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

出雲大社に詣でる

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(写真1 出雲大社拝殿。大きな注連縄が特徴だ)
往時を偲ばせる旧大社駅
 出雲日御碕灯台を訪ねた際出雲大社に詣でた。
 出雲大社は、かつて唯一大社を名乗ることのできた格式の高い神社なそうで、戦後あちこちの神社で大社と名乗ることに現在でも不快感を隠さないらしい。
 なるほど、社殿も立派なものだし、門前町も大きい。境内に入る前に長い商店街がある。神門通りといい巨大な石造の大鳥居がある。一の鳥居というからここからが参道であろうか。飲食店や土産物屋などが並び、とてもにぎやかな通りで、大勢の観光客が行き交っている。途中に一畑電車の出雲大社前駅があった。
 ほどなくして商店街が途切れた。勢溜と呼ばれ出雲大社と大書された石柱が立ち、黒塗りの大鳥居があった。二の鳥居のようで、ここからが境内ということのようだ。面白いのはここからの参道は下っていること。下っている参道というのも珍しくはないか。松並木が続き、少しして三の鳥居。鉄製だということである。

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(写真2 四の鳥居である銅鳥居と奥に拝殿)
 次ぎに四の鳥居である銅鳥居をくぐると正面に拝殿がある。大きな注連縄があり、戦後再建されたもののようだが、出雲大社のよく知られた風景だ。ここでお参りする人が大半だが、面白いのは拝礼の仕方が、ここでは二礼四拍手一礼となっていることだ。参拝者はよく知っているようでパチパチとやっているが、中には不揃いの人もいた。
 拝殿から右に回り込むと正面に本殿。ただ、塀で囲まれていて参拝をすることはおろか、外観も全体を見ることができない。いわゆる大社造りと呼ばれるものだからこれは残念。なお、ちょうど平成の大遷宮が終わったところだということだった。
 ところで、一の鳥居の手前に参道に続く通りがあるのだが、少し離れたところにJRの旧大社駅があった。いかにも出雲大社にふさわしい宮殿風の駅舎で、かつての賑わいを彷彿とさせるものだった。駅舎内のほかホームや線路などほぼ往時のまま保存されており貴重な財産だ。駅舎内には出札窓口や観光案内所などがそのまま使えそうな状態で残されていた。
 1990年(平成2年)3月31日の大社線の廃線とともに大社駅も廃止となっている。かつては大阪、京都、名古屋、東京からそれぞれ直通列車もあったし、最盛期には年間280本もの団体列車が発着していたという。8列にも並んでいる臨時改札口がその名残だろう。
 なお、この大社駅から境内に入る二の鳥居のある勢留までは15分もかかるようだったから、かつては団体客がぞろぞろと歩いたものであろう。

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(写真3 旧大社駅。かつての賑わいを彷彿とさせる堂々たる駅舎)