ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

短距離少量交通システム「スカイレール」

f:id:shashosha70:20170530111728j:plain

(写真1 中間のみどり中街駅付近ですれ違ったスカイレール車両)
モノレール+ロープウエイ
 まるで観光地のロープウエイのようだが、これでも軌道法が適用されるれっきとした鉄道である。
 懸垂式モノレールとロープウエイを組み合わせた新交通で、ロープ駆動懸垂式短距離少量輸送軌道システムと呼ばれている。スカイレールサービスという会社が運営している。青木建設が宅地開発を行い、神戸製鋼と三菱重工がシステムを開発した。
 丘の急斜面に宅地造成した住民の足として設けられたもので、山陽本線瀬野駅に接続している。瀬野は広島から東に六つ目、約20分の距離にあり、広島の通勤圏である。
 スカイレールタウンみどり坂の住宅団地を結んでおり、全線1.3キロ。駅数はみどり口-みどり中街-みどり中央の3駅。 
  5月25日。JRからスカイレールに乗り換えた。キップはQRコードつきで、自動改札機にタッチする仕組み。料金は終点まで160円。
 2階に改札口があり、ホームは3階。ほぼ一般のロープウエイと同じ仕組みのようで、下ってきた車両がぐるっと回って上りになる。車両はゴンドラである。下校中の生徒で満員。座席は前後に4人ずつ8人分。ほかに立っている者が6人ほど。最後に乗り込んだらちょっときつかった。

f:id:shashosha70:20170530111821j:plain

(写真2 急斜面に伸びるスカイレールの路線)
 15時55分の発車。発車の際、強く揺れた。しかし、みるみる加速して急斜面を登ってゆく。最急勾配は27‰もあり、ケーブルカー以外として日本一の勾配だということである。なお、発車時はリニアモーターで駆動しているとのこと。
 しかも、結構、スピードもある。運行速度は時速18-25キロにもなるらしい。また、駅での発車、停車時を除くと揺れも少ない。ワイヤロープで牽引していることは一般のロープウエイと同じだが、車体の支持や案内を桁構造と車輪で行っているため風にも強いという。
 中間のみどり中街駅で数人が下車したが、大半が終点みどり中央まで乗っていた。高低差が160メートルあるというが、この間わずか5分。
 沿線は、まさしく急斜面に造成された住宅地である。結構大きな宅地のようだ。みどり中央駅付近で遊んでいた子どもたちに話を聞いたところ、小学校は下の方にあり、歩いて通学しているのだという。
 まるでスキー場のような急斜面の交通機関としては、このスカイレールは最適のように思われた。ただ、少量輸送というのが難点ではあるが。

f:id:shashosha70:20170530111914j:plain

(写真3 急斜面に開けた住宅地)