ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

延伸の可部線に乗る

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(写真1 可部線で延伸開業したあき亀山駅)
廃線区間が復活開業!
 27日まで4日間にわたり広島県・岡山県地方を旅した。
 第一の目的は今年3月4日に延伸開業したJR可部線に乗ること。新線ができたとなればすぐにでも乗りたいところだが、諸般の事情が重なって延び延びとなっていたものでやっと念願が叶った。
 可部線とは、山陽本線の横川駅から広島市の北部に位置するあき亀山駅を結ぶ路線。大半の列車が広島駅発着となっている。全線15.6キロ。駅数は14。
 可部線はなかなかユニークな経歴の持ち主で、可部線はそもそも横川駅から三段峡駅へ伸びる路線だったが、このうち可部駅-三段峡駅間46.2キロが2003年に廃止となっていた。横川駅-可部駅間は電化されていたが、可部駅から先は非電化だったもので、この非電化区間がばっさり削られた。
 それが、このたび可部駅からあき亀山駅まで2駅間が電化した上で延伸され、復活開業したのだった。いったん廃線となった路線が復活したのは鉄道路線では初めてのことではなはだ珍しい。ちなみに付け加えれば、可部駅-三段峡駅間の廃線は、国鉄からJRになって全国で最初の廃線だったらしい。
 なお、可部駅から先も線路としては残っていたようで、かつての安芸亀山駅を若干移動して新駅あき亀山駅としたほか路盤の整備などを行ったらしい。

 5月24日。広島駅4番線ホーム。2両の電車。11時28分の発車。試験期間中なのか水曜日なのに下校中の高校生で満席。
 発車してすぐに川を渡った。京橋川というのだと思う。次の新白島駅を出てまた川を渡った。これが太田川である。
 二つ目が横川駅。線区上はここが可部線の起点。発車してすぐにまた川。大きな川で、これは太田川放水路。広島が砂州にできた町であることをうかがわせるが、大きなデルタを形成していたわけだ。
 川と並行して走っている。そうなると、目撃はできないが、対岸にはやはり並行して芸備線が走っているはずだ。
 沿線の両側は住宅地で、広島の町が北へと伸びていることがわかる。このたびの可部線の延伸も、住宅地が拡大したことによるようだ。
 大町でアストラムラインと直角にクロスした。アストラムラインも広島北部を走る新都市交通路線である。
 七軒茶屋に至って住宅は続いているものの山に近づいてきた。朝から降っていた雨が小降りになった。

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(写真2 トラス橋が美しい太田川橋。上八木付近で)
 上八木を出ると太田川にかかる美しい橋が左窓に見えた。グレーに塗装されたトラス橋である。この日はあいにくの雨模様で、見晴らしがくっきりとしない。
 中島では山峡の様子となり、次の可部12時03分到着。数人の高校生を残し大半が下車した。かつての可部線はここまでだった。駅舎が新しくなっていた。
 乗っている車両はRed Wingと名付けられ、広島モデル227シリーズと表示がある。新型の3扉車で、走行がスムーズに感じられた。
 また、JR西日本では、広島地区の路線にラインカラーを施しており、この可部線はブルーとなっていて、路線名の頭にアルファベットのBが付されている。
 可部を出るといよいよ新線区間である。河戸帆待川(こうどほまちがわ)に続いて終点あき亀山12時12分到着。下車した乗客は高校生だけ4人だった。
 まったくの新駅で、1面2線のホームに3本の留置線があって、車両基地を兼ねているのかも知れない。
 駅の東側には住宅が見られたが、駅の正面に当たる西側は閑散となっており、これからの開発を待っているようだった。

 なお、可部線に乗ったのはこれが3度目。最初は1994年11月27日、当時の終着駅三段峡まで乗った。この時は折り返しに時間があるので、三段峡の峡谷の入口まで歩いて往復した記憶がある。また、前回は2年前の2015年2月6日で、この時は可部駅止まりだった。地味な路線に3度も乗っているのだから物好きなことだと我ながらつくづく思う。

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(写真3 延伸された可部線の終着駅あき亀山駅)