(写真1 槻木駅2番線ホームで発車を待つ阿武隈急行線列車)
阿武隈川流域を走る
暮れに常磐線を乗り通した際に帰途は阿武隈急行線に乗った。
阿武隈急行線とは、福島駅から槻木(つきのき)駅を結ぶ全線54.9キロの路線。珍しくも起終点ともに東北本線に接続しており、その東北本線の東側を福島県から宮城県にかけて阿武隈川の流域を走っている。旧国鉄丸森線を引き継いだ第三セクター阿武隈急行の運営で、駅数は起終点を含め23。全線電化されている。
2016年12月24日。常磐線で仙台行きだった列車を線区上は常磐線の終点である岩沼で途中下車し東北本線に乗り継ぎ。福島方一つ目が槻木。
乗り換え時間が少しあったので降り立ってみたら槻木駅はなかなか立派な駅舎で、仙台への通勤圏がここまで伸びてきているもののようだった。
槻木駅は2面3線のホームで、1番線が東北本線上り、2番線が阿武隈急行、同じホーム向かい側3番線は東北本線下りとなっており、まるで旧国鉄時代の仲間そのままの扱い。旧国鉄から分離させられた大方の路線が端っこで小さく継子扱いされている状況からは珍しい。東北本線としてはかつての弟分をいつまでも丁重に遇しているようで好ましい。
その2番線から阿武隈急行福島行きは13時31分の発車。8100系電車で、2両のワンマン運転。乗客は少なく、1ボックス席に1人の割合。
列車は、阿武隈高地の山の端を走っているはずだが、ほぼ平坦な田園地帯を淡々と走っている。
途中、沿線随一の町角田で下車したが、再びそのまま乗り継いで福島に向かった。
(写真2 車窓を楽しませる阿武隈川の流れ。丸森-あぶくま間で)
旧路線名にもなっている丸森を過ぎて阿武隈川が右窓に寄り添ってきて、豪快な風景を見せてきた。ただ、写真を写そうとするとなかなかシャッターチャンスの難しい区間だった。
鉄道名にもなっている「あぶくま」を過ぎて宮城県から福島県へと県境をまたいだ。
梁川から乗客が増えてきて、福島が近づいたら立っている人も出てきた。
そうこうして福島15時22分着。福島駅は面白いホームの使い方で、1面2線のホームを、阿武隈急行線と福島交通飯坂線が共用していた。
(写真3 福島に到着した阿武隈急行線列車。右は福島交通飯坂線のホーム)