ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

定着した富山ライトレール

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(写真1 富山駅北電停で発車を待つ富山ライトレール電車)
旧国鉄富山港線のLRT化
  富山ライトレールは、富山駅北-岩瀬浜間7.6キロを結ぶ。旧国鉄、JR西日本の富山港線を転換し路面電車化して第三セクターが継承した路線である。LRT路線としてポートラムの愛称がついている。
 起点は富山駅北。富山駅の北口にある電停である。列車は2両連接のLRT車両である。8時15分発車のところ、折り返しの到着列車遅延のため3分遅れた。単線なのである。電停付近では複線化の工事が行われていた。
 発車してすぐに右折してインテック本社前、少しして左折して次が奥田中学校前。ここまでが、旧富山港線から付け替えて路面電車化した区間で、この先は専用軌道となってほぼ一直線に北へと向かう。沿線の電停は統一した外観で、車両もホームも低床化されている。とても乗降がしやすい。また、運行ダイヤも定時化されていてわかりやすいし本数も増えた。
 途中、城川原には車庫があり、乗務員が交代した。また、本社もここに置かれているようだ。そうこうして岩瀬浜8時40分着。発車時の遅れは取り戻されていて定時だった。
 私はこの路線に乗るのは4度目。富山ライトレールとなってその様子が気がかりだった。何しろ旧国鉄路線としては初めてのLRT化だった。
 2006年の開業から11年。業績の推移はわからないが、乗車体験としては成功しているように思える。
 この間、富山駅の高架化工事が進んでいて、これによって富山駅の南北を平面的直線的に結ぶことが可能になった。南口ではすでに市内電車が富山駅まで停留場が引き込まれていたが、これは北口の富山ライトレールとの相互直通運行を見込んでのこと。
 2019年の開通が予定されており、富山ライトレールからそのまま市内電車の環状線を経て富山ライトレールへと戻っていくといった運行も考えられることとなってきた。
 富山ライトレールの成功は、旧国鉄の短小路線の帰趨に大きな参考となるに違いないし、富山で行われている路面電車網の拡大は、全国で次々と廃線や縮小が行われてきた路面電車にとっても新しい方向を目指すものとして大いに注目されよう。

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(写真2 終点岩瀬浜に到着した列車)