ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

岩瀬浜逍遙

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(写真1 古い家並みが続く岩瀬浜の通り)

北前船の港町

 岩瀬浜は、富山市の北部、富山湾に面した港町。江戸時代、北前船の寄港地として栄え、当時の回船問屋が軒を並べ、往時の殷賑を今に伝えている。
 岩瀬浜への最寄り駅は、富山地方鉄道富山港線の終着駅岩瀬浜。富山駅からライトレールで約30分。

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(写真2= 岩瀬運河と写真3=カナル会館)

 駅から左に進むとすぐに岩瀬運河。角に岩瀬カナル会館がある。カナルとは運河のこと。観光案内所があり、貸し自転車がある。1回100円。
 橋を渡ると至るところに観光案内の行き先表示が出ていて迷うことなく街を巡ることができる。とても親切。
 古い街並みが続いている通りに出た。格子のはまった家が多く、とても風情がある。大町新川町通りといい、かつての北国街道だったという通り。

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(写真4 森家の内部)

 回船問屋が並んでおり、そのうちの一軒、森家を見学した。古い通りによくあるように、間口が意外にも狭い。間口の長さで税金が決められた名残であろう。入るとすぐに広い部屋。商談の部屋のようで、15畳もある。しかし、畳の並べ方が独特で面白い。縁起を担いだ商家の拵えであろうか。天井が吹き抜けになっていて高い。その奥には八畳の座敷が六つも並んでいる。欄間なども凝った造りだ。間口が狭い分、奥に長い家で、庭があり、土蔵があった。

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(写真5 満寿泉の酒蔵)

 さらに進むと酒屋があり、その裏手が酒蔵になっていた。とても大きな造り酒屋で、富山の銘酒満寿泉だった。しっかりと腰のある酒と記憶していたがどうだったか。

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(写真6 どら焼きの大塚屋)

 また、通りには大塚屋という和菓子屋があり、三角どら焼きと旗があった。どら焼きは丸いもの。三角とは珍しく、店に入って食べてみた。四角いどら焼きを半分に三角に切っただけのようだが、皮は薄く、餡がこぼれるほどいっぱいで、なかなかうまいものだった。店内ではお茶も振る舞ってくれたが、半分だけいただいて、残りは持って帰った。

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(写真7 岩瀬浜駅。右が電車、左はフィーダーバス乗り場。支線という位置づけのためこの名で呼んでいるのだろう。電車と連動してダイヤが組まれている)
(2020年11月12日取材)