ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

ポッポの丘 鉄道車両博物館

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(写真1 構内入れ換え作業用気動車に牽引されて展示されている3両の車掌車)
シリーズ車掌車を訪ねて
 ポッポの丘とはレトロな鉄道車両を集めた博物館のことである。千葉県いすみ市所在。房総半島の山間部に位置する。いすみ鉄道の国吉駅からタクシーで10数分。上総中川駅からなら徒歩30分ほど。
 高台を切り拓いた敷地には、全国各地から集められた客車や機関車、貨車など約20数量が野天展示されている。
 車掌車については、気動車に牽引されて4両が連結展示されている。先頭から、気動車は10t入換動車で、北陸本線貨物支線である敦賀港線所属だった。昭和57年協三工業の製造。自重は除雪装置装備の状態で14tとあり、最大牽引換算両数は16両とプレートに表示されてあった。
 次がヨ8000形車掌車で、車両番号はヨ8818号車とあり、熊谷(タ)、新座(タ)などの表示が見られる。車内には対面ボックスシート、事務用机、石油ストーブ、トイレなどがきちんと装備されており、まるで昨日まで使われていたような状態だ。
 続いて3両がいずれもヨ5000形車掌車。全両ヨ3500形からの改造車で、順に車両番号はヨ14157、ヨ14202,ヨ13959。ヨ8000形に比べ倍近い車内スペースで、ヨ14157号車の場合、事務用テーブルに椅子が2脚セットされているほか、長椅子や石油ストーブも装備されている。複数人の乗務を想定したのだろうが、トイレは付いていない。なお、ヨ5000形の場合、窓は4つずつあるが、いずれも開閉が可能な状態だった。ヨ14157には日本國有鉄道高砂工場昭和28年改造のプレートがあり、ヨ14202には日本国有鉄道名古屋工場昭和28年のプレートがついていた。ヨ13959では吹田機関区梅田派出の表示が見られた。なお、車体の塗色はヨ14202が黄緑色であるほかは、青色となっている。また、全両動態保存の状態と思われた。

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(写真2 後方から見た車掌車展示の様子)
 ほかにも展示されている車両は実に多彩。しかもそれぞれが博物館にあってそれぞれの役割が与えられているのも面白い。万葉線デ7052は敷地入口にあって生卵や鉄道グッズなどが販売されている。いすみ鉄道いすみ204号は食堂になっていた。また、北陸鉄道モハ3752や銚子電鉄のデハ701、デハ702があり、丸ノ内線400形454号車が丸ノ内線特有の赤い塗色そのままで展示されていた。
 ちょっと離れた一段と高い丘の上には、寝台特急日本海に使用されていた寝台車オロネとオハネの2両がディーゼル機関車DE1030に牽引された状態で展示されていたほか、特急しおさい、特急すいごうの先頭車両があったし、湘南電車や横須賀線電車も見られた。大山ケーブルの車両が急斜面に展示されているのも面白かった。
 なお、この博物館は鶏卵牧場という企業がオーナーのようで、入場無料というサービスぶり。よほどの鉄道ファンなのであろう。場内のレストラン(いすみ204号車)では卵かけごはんがメニューにあり、その日の採れたて卵をを提供していてとても新鮮なものだった。

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(写真3 卵かけごはんの定食。新鮮卵がとてもおいしいと評判)