ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

上野桜木界隈

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(写真1 上野桜木の町域の大部分を占める寛永寺。これは根本中堂)
高台に広がる寛永寺と住宅地
  先日のこと、東京国立博物館からの帰途、上野桜木界隈をぶらついた。かつては、下谷桜木町と呼ばれ、あるいは単に桜木町と呼んでいた。上野公園や谷中に囲まれた小さな町域だが、町内の大半が寛永寺の寺域で、お寺も数多く高台の閑静な住宅地となっている。鶯谷駅がすぐだし、上野駅から歩いても10数分のところ、昔から知る人ぞ知る人気の住宅街だった。
 私はかつてこの町に1年ほど通ったことがあって、土地勘はそれなりにあるつもり。それで地図も持たずに歩きはじめたが、まずは東博(東京国立博物館)の正門前の通りを芸大(東京芸術大学)方向へ。通りを挟んで左が美術学部で、右が音楽学部。そのまま進むと鍵の字型になった交差点で、突き当たったところからが上野桜木の町内。

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(写真2 フレンチレストランなどが並ぶ芸術通り)
 狭い通りをそのまま直進する。いつから名付けられたのか、RUE DES ARTS(芸術通り)などと表示が見られる。なるほど、しゃれたフレンチレストランが多いようだし、通りを歩いている観光客の半分以上は西洋人のようだ。
 ほどなく言問通りとの交差点。上野桜木の中心で、角には観光案内所を兼ねた下町風俗資料館がある。また、通りの反対側にはカヤバという喫茶店がある。古くからの喫茶店で、私が通っていた30数年前にはあったが、佇まいは当時と変わっていないようでうれしくも驚いた。
 このあたりは、大正昭和からの建物が多く残っていて、落ち着いた情緒がある。それが昨今注目されているようで、とりわけ外国人に人気が高いようだ。また、近年、古民家を改造してカフェなどを営むところも増えていて、賑わいを増しているようだ。
 この交差点を左に、つまり言問通りを進むとすぐに坂道となり根津に出る。また、交差点を渡って進んでいくと、千駄木に出る。どちらの通りもお寺が多くて、谷中を歩いているのだと知れる。
 根津も千駄木も不忍通りとなるが、谷中を含めいわゆる谷根千(やねせん)はディープな人気スポットだ。
 なお、桜木町の交差点を鶯谷のほうに戻ると、すぐに寛永寺となる。地図上の感覚としては東博や芸大とは背中合わせの位置にあたる。中心は根本中堂で、ちょうど桜が咲いていた。

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(写真3 上野桜木の交差点角の喫茶店。昔と変わらない佇まいだ)