ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

第17回灯台フォーラム

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(写真1 ウエブ会議システムで行われた灯台フォーラムの模様)

今年はウエブ会議システムで開催

 例年、横浜で開催されてきた灯台フォーラムが、今年は昨日5月30日インターネットで参加者間を結びオンラインで開催された。
 灯台フォーラムとは、灯台ファンの集いであり、灯台に関する今日的課題についてディスカッションする場ともなっている。『灯台どうだい?』編集長不動まゆうさんらがボランティアで事務局を引き受けてくださっている。昨年は約100名が参加した。
 今回の参加者も100人を超したらしい。しかも、ウエブ開催のいいところで、これまで参加しにくかった仙台や名古屋などと地方の方々も参加されていた。
 フォーラムでは、初めに灯台初心者もいるだろうということで、不動まゆうさんが「初めてでも楽しめる!灯台入門講座」をレクチャーした。不動さんの講演は灯台の魅力をやさしく解説してくれて、かねてからの灯台ファンとしてもとても参考になった。
 続いて、基調講演があり、海保職員の星野宏和さんが「灯台技手山本哉三郎の建てた灯台たち」と題し、ブラントンら御雇外国人技師たちが帰った後の灯台建設を担った技術者像を語って興味深いものだった。
 当時の灯台は逓信省の管轄で、技師と呼ばれた高等官の下に技手(技師と紛らわしいところからぎてとも)という判任官の技術者集団がいたといい、実際の灯台建設に当たったという。
 山本は、初代の塩屋埼灯台や水ノ子島灯台などを手がけた。山本はイギリスに渡って灯台を学んだほどで、技手の最高の地位にあり、技師になる直前に韓国の灯台建設で赴いていた韓国で病を得てなく亡くなったという。
 講演はやや専門的だったが、それだけに普段知り得る内容ではなくて貴重なものだった。
 なお、講演の後は、これもオンラインによる懇親会が行われ、これはこれで参加者同士が身近にディスカッションができてとても楽しいものだった。開始時間が遅れたせいでもあるが、話が弾んで終了したら夜の8時になっていた。