ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

神戸電鉄粟生線

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(写真1 神戸電鉄鈴蘭台駅改札口。3方面への列車が発着している)

 パーミル会のメンバー路線

 神戸電鉄は、有馬線、三田線、公園都市線、粟生(あお)線の合計69.2キロのほか神戸高速線新開地-湊川間0.4キロを含め合計69.6キロを運行する私鉄。
 公園都市線を往復していったん三田に戻ったあとは、粟生線に乗るべく再び三田から三田線・有馬線を直通する鈴蘭台行きに乗車。三田10時53分発。4両のワンマン運転。
 三田線は途中有馬口までが線区。この有馬口から有馬温泉まで一駅間が分岐している。列車はそのまま有馬線に直通していて沿線は六甲山地の北側の裾地、細長い盆地を貫いている。そうこうして終点鈴蘭台11時35分の到着。
 鈴蘭台駅は9月25に開業したばかりという真新しい駅ビル。商業施設なども入居している大きなビルだった。この駅は神戸新開地方面、三田方面のほか粟生線が接する神戸電鉄にとって重要な駅。
 粟生線は、この鈴蘭台から粟生間29.2キロを結んでいる。駅数は20。3階が改札口になっていて、2階に2面4線のホーム。粟生線は4番線からの発車。12時09分。4両のワンマン運転。平日日中の下り列車にしてはまずまずの乗客。ただ、朝夕はともかく、日中は1時間に1本の運行しかない。
 鈴蘭台を出て少しして勾配に入り、木津の手前では一気に50‰の急勾配となった。勾配区間が多く、使用車両も勾配に対応した設計になっているのが特徴。製造は全車両地元神戸の川崎重工。
 こうした急勾配区間があるところから、全国の登山鉄道事業者6社で組織する親睦団体全国登山鉄道‰会(通称‰会=パーミルは勾配を示す記号)のメンバーとなっている。
 また、車内はどこか既視感にとらわれたが、これはマホガニー調の内壁などが阪急電車に似ていたからであろう。
 木津を出て平地となったら木幡との間に広大な車両基地があった。
 沿線には田畑が広がっていて、黄金色に輝く稲穂は美しく、すでに稲刈りが始まっていた。
 やがて広野ゴルフ場前駅。駅前の道を挟んでゴルフ場の正門が見えた。これほど鉄道駅に近いゴルフ場というのも珍しいが、駅名がゴルフ場名というのはもっと珍しいのではないか。廣野ゴルフ倶楽部といい、何度かプレーをしたことがあるが、超が付くほどの名門で、日本を代表するゴルフ場である。また、ゴルフ場の敷地内には日本ゴルフ協会が設立運営するJGAゴルフミュージアムがある。
 志染(しじみ)で、列車交換が行われ、やがて三木に。ここには、直ぐ傍ではないが、今は廃線になってしまったがかつて三木鉄道の三木駅があった。三木鉄道は、厄神と結んで第三セクター鉄道で最も短い営業キロの路線を運行していた。

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(写真2 加古川を渡ったらすぐに終点だった)

 そうこうして加古川を渡ったら終点粟生到着。13時00分ちょうど。狭い片側1線のホームがあるだけで、改札を出ると、北条鉄道とJR加古川線の粟生駅に直結していた。

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(写真3 粟生駅に入線する列車。右が神戸電鉄粟生線、左はJR加古川線で、北条鉄道は左奥である)