ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

島原からは熊本へ海路で

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(写真1 島原港へ接岸したフェリー。熊本港へと折り返す)

有明海をフェリーで渡る

 福岡、佐賀、長崎と回ってきたこのたびの九州旅行では、島原からは熊本へフェリーで渡った。島原港のフェリーターミナルは島原鉄道の島原外港駅から歩いて数分のところだった。
 島原港から有明海を渡るフェリーは各方面へ様々な路線があるようだったが、熊本へは九商フェリーと熊本フェリーの二つのフェリー会社が運行していて、ダイヤの都合上私は九商フェリーに乗り込んだ。
 11月28日、11時10分発のフェリーで熊本港行きに乗船。所要時間は1時間とのこと。もし、島原外港駅から熊本駅まで鉄道でぐるっと有明海を回っていくと、途中新幹線を使ったとしても、2時間50分ほど要する。なるほどフェリーの便船が多いわけだ。
 地図に指をあててざっと計ってみたところ、島原-熊本間は海路25キロほどの距離か。鉄道なら230.5キロにもなるから、もし港に近い人や、自動車ならフェリーが有利だろう。

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(写真2 遠ざかる彼方に雲仙岳がかすかに望める)

 この日はあいにくの小雨。曇っていて遠ざかる雲仙岳も、向かい先の阿蘇の山脈も霞んでいる。内海だからだろうが波は静かだ。大型のフェリーだからでもあるのだろう。初め、徒歩で乗り込んだ乗客は4人しかいなかったが、出発近くになって乗客が一気に増えた。自動車で乗り込んできた人たちで、考えてみるまでもなくこの船はフェリーだったのである。
 船上で声をかけられた。振り向くと、現役時代、仕事の関係でお付き合いいただいていた大きな会社の社長さんで、気配りが素晴らしくとても良くしてもらっていた。
 数年ぶりのことだったが、それにしても奇遇というのはあるもので、お互いに退任後だったからなおさらで、それぞれに健康そうだったし、旧交を温め合ってしばし歓談した。
 カモメが船を追いかけて舞っている。デッキから船客が投げるお菓子が目当てで、どうやらえびせんのようだが、それにしても上手につかむもので感心する。
 そうこうして熊本港到着。出航から1時間弱だった。桟橋には、フェリー会社が用意してくれたマイクロバスが待っていてくれて、熊本駅まで送ってくれた。フェリー会社のサービスだが、港から駅まで20分ほどだった。熊本駅には何度も降り立っているが、港がこんなに近いところにあるとは考えてもいなかった。

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(写真3 船客が投げるえびせんを目当てにカモメが群がる)