ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

島原灯台

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(写真1 まるで防波堤の上に建っているような島原灯台)

四角形鉄骨やぐらの灯台

 長崎県は実は日本で北海道に次ぐ長い海岸線を持つし、島原半島も半島だからそれなりに海岸線も長いが、島原半島に灯台は意外に少なくて、灯台表をくくってみても沿岸灯台としてはわずかに四つ。このたびの九州旅行ではそのうちの一つ島原灯台を訪ねた。11月28日。
 島原鉄道を島鉄本社前駅で下車。改札口から海岸をめがけて進むとすぐに右前方遠く灯台が見えた。ただ、防波堤の上に建っているようで、遠くからでは沿岸灯台には見えないから本当に島原灯台か不安を抱えながら歩いた。また、灯台は見えているのに、海岸沿いの道は私有地になっていたりしてストレートには歩けない。それで大きく迂回しながら灯台を目指した。この間約20分ほどか。
 近づいても灯台は防波堤の上に建っているようにしか見えない。付近に灯台を紹介する看板もないし、さらに近づくと、どうやらこの灯台は防波堤の向こう側、海の上に建っているもののようだ。
 防波堤に登りたいと思ったが、登り口が見当たらない。しかも、この時、雨が横殴りに降っていて思い切った行動がままならない。事前に調べて見当はつけてはいたが、灯台の足もとが見られないというのはいかにも残念。

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(写真2 灯台上部。沿岸灯台としては珍しい塔形だ)

 灯台は防波堤から数メートル離れた海に築いた岩場の上に建てられているのだ。灯台は鉄骨造。四角形のやぐらになっていて、鉄板が赤い帯のように2枚巻かれている。なかなかユニークな構造だ。沿岸灯台としてとても珍しいのではないか。
 初点は1877年(明治10年)と古く、島原灯台は有明海を照らす重要な位置づけを担ってきたようだ。ただ、内海だからであろうが、灯火標高が19メートルしかなく、光達距離も5海里(約9260メートル)で、10キロに満たない。まるで防波堤灯台のような規模だ。カメラの望遠レンズでのぞいてみると、光源はLEDのようだ。
 高い場所にあるわけではないが、晴れていれば、さぞかし見晴らしがいいのだろうと思われた。

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(写真3 島原灯台遠望)

<島原灯台メモ>(「灯台表」等から引用)
 所在地/長崎県島原市
 位置/北緯32度46分8秒、東経130度22分9秒
 塗色・構造/白地に赤横帯2本やぐら形
 灯質/単閃白光 毎4秒に1閃光
 光達距離/5海里(約9キロメートル)
 塔高/13メートル
 灯火標高/19メートル
 初点灯/1877年(明治10年)9月