ABABA’s ノート

旅と鉄道、岬と灯台、読書ときどき映画あるいは美術に関するブログです。

余部橋梁と餘部駅

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(写真1 余部の集落をまたいで架かる余部橋梁。右が餘部駅)

新旧の名物橋梁 

 余部埼灯台からの帰途は餘部(あまるべ)駅から乗った。余部橋梁は山陰本線の鎧駅と餘部駅の間に架かる橋。この橋はこれまで列車で何度も渡っているが、実は餘部駅で乗降するのは初めてだった。
 余部鉄橋と呼ばれ親しまれていた初代の橋は美しい鉄橋の景観で人気が高かったが、2010年に架け替えられて、現在のコンクリート橋になっている。旧橋の一部も保存されて「空の駅」として整備され、周辺には道の駅もあってちょっとした観光拠点となっていた。
 余部橋梁は、川や海を渡る橋ではなく、集落を跨ぐ橋なのだが、この区間は山が海に迫る地形で、海岸沿いに線路を通すことは不可能であったらしい。しかも、長いトンネルを掘らなくてすむよう、谷間の上部にトンネルを掘るように高い橋脚が必要だったもののようだ。
 新橋は、旧橋のすぐ南側に平行に架けられていて、長さは310.6メートル、高さは41.5メートルとなっていて、あたりまえのことだが、新橋も旧橋も長さ、高さはほぼ同じ。

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(写真2 見上げると新橋のコンクリート橋と、保存されている旧橋の鉄橋の橋脚が空に向かってそびえているようだった)

 餘部駅側に、旧橋の橋脚3基が保存されていて、下から見上げると、旧橋と新橋が並んでいる様子が見て取れる。なお、旧橋の橋脚は土木学会推奨土木遺産に指定されている。
 鎧駅から山陰本線を進んでくると、余部橋梁を渡ってすぐが餘部駅で、この駅の利用者の便も考慮してエレベータが設置されていて、旧橋の見学通路と連絡できるようになっていた。

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(写真3 鎧駅側から余部橋梁を渡り餘部駅に接近してきた城崎温泉発浜坂行き下り列車)

 餘部駅は片側1線のホーム。ホーム中程に待合室もあった。空の駅としての人気もあって、観光客がひっきりなしに訪れていた。
 私自身は、鎧駅から余部橋梁を渡ってきた城崎温泉発浜坂行き列車に飛び乗った。餘部駅ホームでは、たくさんの観光客がカメラを構えていたが、列車に乗ったのは私一人だけだった。

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(写真4 エレベータから撮影した余部橋梁。右手前の鉄骨は旧橋の橋脚の一部)